(政治)

1) 大統領選挙
野党側の最有力候補者ピニェラが独立民主党(UDI)と国民改革党(RN)の両党から出馬宣言。現行の政府ではチリは良くならないと批判し、経済の活性化を図るとか。
与党側は候補者があふれるほどで統一候補の選出が難しい状態。ちゃんと自陣内で候補者を決められる仕組みが機能するかな?一番人気のギジェルは与党大手の社会党の公認を得たいのですが、今の所、それは成功していません。
2) ボリビアとの問題
今週のトップニュースです。ボリビアの警官・税関職員9名が逮捕されました。チリの発表では、チリからボリビアに向かったトラックを襲い、その荷物を強奪しようとしたのですが、ボリビアの発表では、彼らは正規に通関しないで不法に入国する密輸貨物の取り調べをボリビア領土内で行っていたと言うもの。ボリビア側が銃を使ってチリ人運転手をトラックから降し、それをボリビア軍人が運転し逃げようとしたのを連絡を受けたチリ警察が、ジープに乗っていた軍人の仲間と一緒に逮捕したらしい。
トラックの位置を調べれば、チリが正しいかボリビア見解が正しいかすぐにわかると思いますね。実際にトラックが置かれていた場所はチリ領土内ですが、国境線からわずか100メートルほどの所。それならチリ警察が越境して9名を逮捕し、ボリビア領土内にあったトラックをチリ側に少し動かしたと言う可能性もあるかな? 
モラレス大統領はチリ政府に即時釈放を要求していますが、チリ側は裁判の結果を待ちましょうと軽くあしらっています。チリ政府内にも、これ以上ボリビアとの問題を大きくしないために超法規的に釈放をする考えもありますが、正々堂々と行こうと言う意見が強そうです。
私は10年以上ボリビアの仕事をした経験があります。イキケのフリーゾ−ンで輸入品を買い、税金を払わず国境を越えて荷物を入れ、それを安く売ると言うわけです。輸入税の10%ほどを賄賂にすると、販売価格はほとんど輸入税のないものになり、競争相手に勝てるわけです。ボリビアの悲しい現実です。
3) 閣内紛争
長い間、年金問題は社会問題になっています。年金を上げるためには各自の積み立てを上げるしかありません。そのため積立額を5%(現行は給料の10%が年金のベース、それを15%にする)上げることを検討中です。
今週、労働大臣がそれを政府機関に積み立てる方針を発表しましたが、大蔵大臣がそれはまだ検討中で、公式発表はできないはずとくぎを刺しました。
確かに現在、厚生年金を運営している私営の会社に各自の名前で預けると言う案もあるし、現行制度は止めて政府が管理する社会主義的方法を取ると言う計画もあります。
これに関連して与党内からすべての大臣は平等で、大蔵大臣の下で働いているわけではないとクレームが起こっています。今までこのように大蔵大臣と労働大臣がぶつかった例が数回あったそうです。
その年金に関し、日曜日、チリ各地で反厚生年金のデモがありました。かなりの人出でした(サンティアゴの場合、主催者側発表では60万人、警察は5万人)。デモの先頭に立っていたのが、労働組合連合でしたが、共産党系の人間が反政府運動を行っているわけです。彼らによると大蔵大臣は厚生年金AFPの側に立っているとクレームしています。
話は変わりますが、環境大臣が辞任しました。先週の交通大臣に続いて2週連続です。そうか、ピニェラ関連の鉱山の否決問題で何か不正があったのかと思いました。
辞任の理由は次の大統領選挙でDCから立候補するゴイッチの選挙参謀になるからだそうです。もちろん、そんな表向きのことを100%信じる人はいないでしょうが。
4) 警察の公金横領事件
逮捕された警官の数が増え34人になっています。また不正に横領された公金の数字が増えています。どこまで行くのかな?
以前に陸軍トップの不正事件が出て、今回警察軍の問題。すると素人の私にも想像できますが、次は海軍・空軍の不祥事件でしょうね。4軍のトップが集まって酒でも飲みながら歓談しているときに、こういう方法を使えば給料が3倍になるよなんて言っているのでしょうか。悲しい実態でしょう。(どこの国にも悲しい実態があるわけですね)
土曜日にここまで書いたら、日曜日の新聞の特集記事に、国家監査局の発表として、数カ所の国家機関で不明朗な事態が見つかったと書かれました。どの機関が明確ではありませんが、来週からそれらのスキャンダルがどんどん出るのでしょうね。