(経済)

1) 失業率の増加
3月の失業率は6.3%と昨年の5.9%からアップ。この理由について労働大臣は大蔵大臣が財布のひもを締めたから景気が悪くなったと責任を転嫁。見苦しい喧嘩ですね。
経済団体の首脳陣が失業率が上がって、私たちを批判する声が大きくならないのは始めてですねと軽いコメント。
一番苦しいのは北部の第3州で、銅鉱山の首切りが影響しています。しかしそれだけでなく、南部の場合、赤潮で貝類がほぼ全滅しています。このため漁業関係者が仕事がなくなり、レストランに客が入りません。サーモン業界も藻の問題から従業員を削減しており、チリ北部だけでなく、南部も厳しい状況です。

これは最近、国会で承認された労働法案に影響します。
右翼側が憲法法廷に組合優先を認めた法案を憲法違反として訴えました。裁判の結果は組合だけが会社側とネゴをする権利を得るとか、その結果得た条件を独占するのは憲法違反と結論付けました。
野党側議員は労働者に有利な結論が出た。本当にうれしいとのコメントをしましたが、与党側は理解できない判定とクレームしています。
憲法法廷の裁判官の変更をするとか、法廷を潰すとか、大統領の特権としてその採決を無効にするとか考えられているらしい。いやはや、惨めな成り行きですね。
社会党の前党首は憲法法廷はまるで経営者側に立っているようだとコメント。しかし議員も現実を知らないようですね。それにしても右翼側が労働者の権利を主張するなんて・・・ 5月1日はメーデーで労働者の祭典。各地で労働組合のデモが行われました。勿論、デモ隊と警察の衝突もありました。今月末に労働組合連合は全国統一ストを呼び掛けています。組合連合の会長は憲法法廷は前世紀の労働者を奴隷として扱った時機と全く変わっていないと厳しく批判しました。
2) IMFの発表ですが、南米の各国は苦しい経済状況です。チリは経済成長が今年と来年で2―3%、インフレは3.5、3.0%とそこそこ。今年の成長がマイナスなのはアルゼンチン、ブラジル、エクアドル、ベネスエラ。特にベネスエラはマイナス8%の成長にインフレ720%の予想です。マドゥロ政権がよくつぶれないものですね。彼は5月から最低賃金を30%上げると胸を張って宣言しました。
チリの場合は政治・経済ともにしっかり築かれた枠組みの中で動いているので、問題が少し出ても何とか正常化できるようです。政財界の汚職問題も他国よりは少ないようだし。
3) 銅の価格はポンド当たり2.29ドルと何とか良い数字をキープし、為替では1ドル659ペソとペソが強くなってきました。アメリカの経済成長率は今年に入って急激に下がっていますからね。
4) 航空機を使用した旅客が増加
1−3月の数字は国内・国際線で163万人になり、これは昨年対比13万人の上昇。景気の落ち込みから観光客や仕事で飛行機を使う社員が減少すると思われたのですが、意外です。
長い間、乗り入れていなかったイタリアのアリタリア航空がやっとチリに戻って来ます。欧州行きの便が大幅に増加です。
バチェレットは週末、イースター島に行きましたが、そこで島民からもっと外人のコントロールをするようにクレームを受けました。外人が島に住み着いてしまううとか。以前は2700名くらいだった住民がもう5500名にもなっています。このため、観光ビザも期間を短くしてほしい、乗り入れる便も数を少なくしてほしいと要請されたらしい。