(政治)

1) ピニェラ動向
国連総会に出席するためアメリカに飛びました。
アメリカで、総会演説の他にトランプ、クリントンそしてバチェレットと会談しています。
国連総会での彼の演説は40分でしたが、トランプの時は満席だったのにピニェラの時はガラガラでした。それはさておき、その中で注目されたのは他国の状況を心配する部分で、ほとんどはベネスエラでしたが、ニカラグアキューバも批判、とにかく長く、その話をするために国連に来たのかと思わせるほど。何でかな?
ベネスエラ政情正常化のため国連にベネスエラ監視を進めるよう依頼し、国連でその関連作業を監督するバチェレットと話あった訳。
その後、ワシントンでトランプと面談。1時間以上話し合いをしたとか。     

その訪米前に全テレビ局を通じて来年の予算案についてコメントしました。銅の価格は低いし原油価格は上がるし、基本的にはチリに取って苦しい状況だが、経済成長率は前政権より上を行っていると自画自賛。国連総会のトランプみたい。来年予算は現行より3.2%アップと低めに設定。教育・厚生・労働関連が予算の62%を占めます。歳出増加を経済成長率より低く抑えましたが、これは2012年以降始めてのケース。国会で議論が始まります。
これに関し、野党側は経済の活性化を目指さないこの政府案を認めるわけには行かないとしましたが、ソフォファ(チリの経団連)は財政立て直しを目標としたこの予算案を支持すると発表しました。

キンテロの公害問題は国連総会でも少しコメントをしましたが、動きがありました。操業全面中止まではいかずとも一部の制限が始まりました。各企業に汚染削減計画の提出を要求とか。労働者からこれが続けば、必要な労働者の数が下がり、首切りが始まるのではと苦い表情。
2週間前に公害問題は落ち着いたと警戒警報を外したら、全く逆に大勢の人が頭痛などで病院に行くことになり、政府関係者が住民に噛みつかれました。
環境省の女性大臣は最初、「8月に大きな問題が明らかになって1か月、そんな短い期間で問題点を指摘し、解決案を提示することは不可能だ」としました。そのあと、汚染問題は過去何十年も続いているとされ不勉強を見せてしまいました。 しかし野党もひどい、例えば、アジェンデ元大統領の娘で国会議員のアジェンデはピニェラ政権の無策ぶりを厳しく批判しました。わずか半年前、自分たちが政府を担いでいたわけで、政権獲得後たった半年のピニェラが無能なら、4年間無策だったバチェレットは更にひどいと言うべき。どうせなら、「自分たちは、こうした案を出したが、うまく行かなかった。ピニェラは違う作戦を取るべき」とすれば少しは値打ちがあったのに。政治家が右も左もレベルが低いと言う例ですね。
毒性研究所の所長が1980年代からそれに関する公害問題を発表しているが歴代政府はそれを取り上げなかったとコメント。その通りでしょうね。
今回政府側が24時間体制で汚染調査をすると行っていますが、その検査は何を調べているのか、その1時間おきの数値を発表しなければ、汚染軽減処置が適切に行われているのか判断できません。
ピニェラはアメリカから帰国した時、まっすぐサンティァゴに向かわず、まずアリカ、そしてアントファガスタを訪問。アリカで地区の警察・軍隊や国境警備隊とコンタクト。犯罪者から国境を守ることを話し合いました。
アントファガスタでは市民が国旗を持ってデモしていますが、それは来週、発表されるボリビアの海裁判の結審を心配する気持ちの表れです。そこは元ボリビア領土でした。
さて5年間かかった裁判の結論が明日出るわけです。もちろんボリビアでも大掛かりなデモが行われています。チリはボリビアと違って大統領・外務大臣共に10月1日の結審に参加するためのオランダ訪問をしません。
今週始め、ピニェラはテムコに飛んで、マプチェとの抗争が続くアラウカニア州の発展案を発表しました。