(経済)

1) 銅の国際価格
ポンド当たり2.5ドルを割って銅の価格は悲惨な現状。コデルコは経費削減として10億ドルの予算を削ると発表。ただし人員削減は行わないとか。(今のところ?)このためチリペソも弱くなり対ドルで634ペソまで落ちています。
原油価格は最後に少し上がりましたが、それでもバレル47ドルと悲劇的。アメリカのシェールガス騒ぎはどうなったのでしょうか?日本の商社もかなり損害を出していますね。
ロシアつぶしをかけても逆にロシアから石油・ガスが出なくなると欧州は大変なことになると思いますが。ロシアはまだ残っている外貨を大量に金の購入にあてている様子。現在安い金が急に大爆発すれば、それだけでロシア経済立て直しになります。しかし苦戦しているときでも作戦を立てているのがすごい。
さて銅価格低下の影響を受けるチリですが、2014年の失業率はその前年より0.5%悪くなった6.4%でした。悪いけれどそうひどくはないですね。
それでもチリの貧困層は先週の発表のように毎年、減少しています。今週の国際機関CEPALの発表では、極貧層はラテンアメリカ平均では28%になりますが、国別で低い順ではアルゼンチン4.3%、ウルグアイ5.7%、3位にチリ7.8%とか。アルゼンチンがそれほど安定しているとは思いませんでした。チリは2年前にはこの数字は10.9%だったので順調に良くなっていることがわかります。しかし日本の場合、何と子どもの貧困率は16%にもなるとか。特に母子家庭は厳しい数字のようですね。昔はチリは貧乏、日本は裕福というイメージがあったのですが。
2) エネルギー問題
エンデサ社はアイセンの水力発電ダムの建設が、反対運動から順調に進まず、プンタ・アルカルデに建設中の火力発電所を採算がとれるかどうか疑問として自主的に建設を中断しました。各社は独自の採算で工事を進めるにしてもチリ全体としては調和をとった動きをしないと10年後に突然電力不足に陥る可能性が出てきますね。
3) 先週のチリの風に日本の企業は談合から抜けられないと書きましたが、今週のチリの新聞に車を運ぶ船賃を6社が集まって高値で設定したとされ、裁判所に各社合計で75百万ドルの罰金を要求する訴えが出ています。その6社のうち半分は日本の会社です。日本から車を運ぶ船賃は車の価格の8%になるらしい。いわゆるCIFですね。
検察の人間は記者の質問に答えて、今回は車の問題を取り上げたが、そのほかの物品の運輸費用にこのような談合があったかどうか調査しているとか。
今週、アメリカ司法省は日本の汽船会社の元幹部を禁固刑に処し、ほかに郵船にも多額の罰金を科したらしい。どちらも日本からの車の輸送に関した談合もの。
アジアからアメリカへの輸出は昨年から量が増加し、海上運賃も2割アップしたと報告されている。彼らは世界中で同じことをやっているわけですね。
いつか日本にも新しい風が吹いて、談合はしないという風潮にならないかな?
4) 航空会社の安全度
それによるとキャセイパシフィックが1位。日本のANAは11位、ランチレは36位、日航は44位でした。チリの飛行機会社ランが日航より安全性が高いわけですね。昔なら驚きものですが、最近はこんな数字も普通に感じられます。