(経済)

1) 政府の負債
銅価格の低下で政府予算が賄われなくなっていますが、来年も国債発行でつじつまを合わせるようです。国の負債は10年前の2006年は76億ドル(GDPの5%)でしたが、2015年は(1−9月の数字)375億ドル(17%)とかなりの増加。もっとも日本のそれと比べると平穏・無事でしょうが。
銅価格は下がりポンドあたり2.04ドルと2ドルの危険線に近づき、為替は1ドル723ペソとかなりひどい状態。2016年はどうなるのかな?
銅価格の低迷は中小鉱山に致命的なダメージを与えています。2007年から2013年まで閉鎖した銅山は毎年1か所づつでしたが14年は4か所、15年は6か所に急増。さて16年は?
2015年の年間インフレは4.4%でした。
2) 談合問題
スーパーマケットが鶏類の販売価格を談合していたと訴えられました。大手3社でその分野のチリの販売の90%以上を占めるとかで、彼らが最低賃金を決めれば、消費者は買わないわけにはいきません。
しかし南部の婦人科の医師が談合して診察費用を上げていた事件には驚きました。チリの談合問題は本当に根が深いですね。
3) 株式市場
世界の市場から悲鳴が聞こえそうですが、チリも例外でなく15年の市場は厳しい落ち込み。2007年に493億ドルあった相場が15年は207億ドルとは半分よりずっと下の取引額になっています。
4) サーモン
銅を除いた品目で、ワインと並んでチリの将来の星はサーモンですが、安全問題から商売がなくなっていたロシア市場が再度、開かれました。これでまた売り上げが伸びそうです。ただしサーモン業界も銅産業と同じで、コストの高さに泣いています。これは商売が順調に行っているとき、目先のことしか考えずに人を増員し、高い給料を払ったわけですが、商品の価値が下がってくるとコスト高にオーナーが泣くと言うストーリーです。