(政治)

1) バチェレット
読者から先週のチリの風は面白かったと言う声が届きました。小説ではないので、私が作りあげたストーリーではなく、実際に起こっていることですが、チリの政界って、ドキドキするほどスリルがあります。もっともレベルの低い争いもありますが。
今週の市民調査の結果でバチェレットを支持するのは24%で前回と変わらず、支持しないは68%から71%に上がりました。つまりこの先、また彼女がエラーをしても24%の人は、彼女以外の誰も大統領にしたくないと信じ込んでいるわけですね。普通の人は私のように、「以前は好きだったけど、今の彼女はちょっと」と言うのでしょうが。
先週のテムコ訪問の件はうやむやになりそうですが、もちろん消え去るはずはなく、問題事項として蓄積されていきます。先週、問題になったバチェレットの2階部隊にDC関係者を入れることになったようだが、本格的な問題改善案には程遠い。                    2階部隊の中心になっている社会党員のアナ・ウリアルテは毎月710万ペソの収入を得ているとか、大企業の部長より高いですね。
さて社会党とDCが次の地方選挙でコンビを組めるのでしょうか。これはxx地区はうちのxxを応援してくれないかい、その代わりに隣の地区は君の所の候補者を推すからと言う談合ですが、バチェレットのテムコ訪問で正面切って文句を言い合った両党が応援しあえるわけがないです。表面的に実施するかもしれませんが、本気の応援はないでしょう。
しかし結局のところ、DC党は政府に噛みついても与党連合から外れて自分一人で地方選挙を戦う力はないと判断したのでしょうね。     
バチェレットは与党連合が一層の輪を組んで地方選挙に当たるようとした文書を各政党に送りました。これも2階部隊が作った文書でしょうね。それを出さざるを得なくなった肝心のことに関する自己批判は全くありません。

バチェレットの選挙資金集めの係りをしていたマルテリはその資金の中でモネダ宮殿で働くリケルメに3200万ペソ渡したと検察に証言。そのリケルメはまだモネダ宮殿で働ています。解雇できない理由があるのでしょうね。解雇すると秘密を全部漏らされるとか。バチェレットの痛みがさらに増えますね。
これだけ与党側がアホだと野党に風が来るはずですが、野党側も同じレベル。最右翼のUDI党の元党首ノボアは最終的に不正選挙資金問題で有罪になりましたが、同党は彼を除籍するとかの処分は取らず、そのままにしました。悪いことをして有罪になっても処分をしないという体質は市民に受け入れられるわけがなく、野党も与党も同じということになっていきます。
2) カバル問題
バチェレットの息子夫婦の問題は継続、拡大です。国会で特別調査委員会を作り、この件について検討することになりそうです。
息子の嫁さんナタリアは問題になっているマチャリ地区の農地売買のほかにも土地を購入し、それを同じように用途を替えた後に転売する計画を持っていたとか。マチャリがばれなければ、全国各地で同じ作戦を取り、毎年1億円でも儲けるつもりだったのでしょうね。
税務署はカバル社が正規の税金を払わなかったとし、3億ペソの請求をしました。その訴えられた中に息子嫁のナタリア・コンパグノンも含まれています。
チリ銀行の副社長はこの問題でバチェレットと電話したことは一度もない発言していますが、2013年に彼とバチェレットが使用した契約電話(お金を振り込むとその分通話ができる)の調査を検察が始めました。普通の月間契約の携帯電話でなく、秘密の会話などをするためそんなおかしな契約をするのでしょうが、どの電話番号と話をしたかが分かれば大変なことになりますね。
先週、心臓麻痺で入院した検察長官はやっと退院、自宅治療になりました。2月1日から職場に戻るとか。