1) バチェレットの外遊
不思議なことに新聞にもテレビにも国際核サミットに参加した彼女のアメリカでの仕事がほとんど報道されません。
ニューヨークから戻ってチリに着いたら、その足でキリスト教民主党DCの総会に参加しスピーチをしました。
息子夫婦のカバル社問題は毎週悪い知らせで、鉱山関係の土地の売買にも顔を出しており、他人をだましてでも儲けると言う姿勢を見せていた様子。さらに百万ドル以上の使途不明金が見つかっています。裁判所に呼び出しがかかるのも間近でしょう。
野党が笑っていますが、中絶法にしても労働法にしても与党内で意見が合わず、賛成・反対と投票が異なっていますよと。これに関してバチェレットはDCの総会で、「野党側は表面しか見ていない。意見が分かれているように見えても与党側は大筋で合致している」と胸を張りました。
ところでそのDC総会で党首のピサロが辞任。涙を流しました。彼は二つ問題を抱えていて、自分の選挙区に大地震が起こった時、それを放置してラグビーの世界選手権を見に行ったこと、彼の息子の会社がおかしな動きを見せて彼の選挙資金を作ったことです。他の議員と同じ問題を党首が抱えれば、自党に迷惑がかかると地方選挙の始まる前に辞任したのでしょう。もっとも後で、次の大統領候補になりたがるのかもしれませんね。
今週の経済団体の集まりで大統領府の長官がバチェレット政権の重大な柱は全て建築されたと発表しましたが、その正当性について議論されています。
2) 選挙資金不正問題
エンリケ・オミナミMEOのケースが話題になりましたが、現・前・元大統領のバチェレット、ピニェラ、フレイにも問題は拡散しそうです。つまり政治家はみなおかしいと言うのが事実化して来ているわけです。検察側は政治家だけでなくその家族、特に息子に焦点を当てるとしています。
前回の野党側UDI党の大統領候補になっていたロンゲイラを贈収賄の罪で検察は起訴する予定です。
ところでバチェレットの選挙資金集めをした人間はもうはっきりしているのにバチェレット関連の問題は隠されたままというのはどう考えても政府が司法に圧力をかけているとしか思えません。マスコミも報道を慎んでいるのでしょうね。
チリのマスコミは日本よりましと私は思いますが、それほどでもないのかな? 昨年の日本の年金運用は5兆円の巨額損失を出しているようですが、マスコミが派手に騒がないのが不思議です。
ところで問題になっていたオミナミ元議員の不正選挙資金問題を検察は見逃す(問題にしない)ことにしました。その理由がはっきりしないのが不思議。彼は日系3世で、おじいさんの姓はオオミナミとか。(多分、大南でしょうね)
3) 最低賃金
10年ほど前、ゴイッチ神父は査定賃金は25万ペソにすべきとコメント。それは当時の最低ラインの2倍でした。その25万ペソは現在の数字になっています。今週、彼は、それでは通常の生活は送れない、少なくとも40万ペソに上げるべしと発表。カトリックも政治・経済の世界に顔を出しますね。