(経済)

1) チリの国際競争力
WEFの発表でチリは137か国中、33位にランクしました。ラテンアメリカ国の中ではトップ。
経済規模からいくとチリは中位に入るのは当然ですが、総合力で30番台はリーゾナブルですね。その内訳ですが、金融機関の競争力は17位、大学教育は26位、但し、市場規模は44位、初等教育、健康関連事項は下位に沈んでいます。
もっとも数年前は22位だったので、新聞の社説に政府の教育・労働・税法の無策若しくは誤方向への進展がこの結果を招いたと厳しい論調が出ました。
日本は9位でしたね。
企業税はOECD加盟国の中でアメリカがトップの35%でしたが、それをトランプは20%に下げようとしています。そうなると首位はフランスの34%になります。チリは9位の25%、日本はその下の15位で23%。なるほど。

2) 経済回復
久しぶりに回復の兆しが出てきました。8月の指数で工業生産指数が5%と2015年8月以来の高い数字に上昇し、失業者数が2015年以来の低い数字に減少となっています。このため、今年の成長予想が1.6%を超えるかもしれないと明るい雰囲気。
銅やワイン・サーモンなどの輸出品目の他にIT産業関連が大きく数字を伸ばし、昨年は2億ドル以上の数字が計上されています。チリもなかなかやるね。
但し、国の債務はこの3か月で70億ドルも増え、総生産の24%にあたる615億ドルになっています。その内で来年から3年間の間に支払日が来るのは11%だとか。
3) 銅価格
銅は2.94ドルと3ドルのすぐ下にくっついています。為替は1ドル637ペソと、少しドルが強くなっています。
銅価格が昨年対比22%上がったことから、今年の上半期の銅鉱山の利益は何と131%も上昇。昨年の4.4億ドルが今年は10億ドル。但し最大鉱山のエスコンディーダは長期のストが響き、昨年より39%ダウンの生産で利益は91%も減少とか。労働者の力が強いことを示しています。