(政治)

1) バケーション
イタリアで休養中だったピニェラですが、ゆっくり休ませてもらえないようです。今週の発表では、ピニェラの人気は悲しいほど低く、政府内でどうすれば良いのか対応策を検討中とか。この日曜日、帰国した彼は直ちに閣僚会議を招集。彼は大臣の入れ替えは考えていないと発表。
しかし不思議ですね。彼の政策が大きく誤っているとは思えず、経済関連項目では大きな前進を示しています。また前政権から大きな政治変換はないのに(左翼から右翼政権への大変換はなし)なぜこれだけ低い人気しか集められないのか。
新聞のコメントでは、生き埋め炭鉱労働者救出のとき、最高に挙がった数字(63%)がサッカーのチリ代表監督交替時に急降下し(47%)、アイセン水力発電所ダムの問題で低位確定(36%)のようです。
これだけの低い数字は民政移管後、フレイのときに、アジア危機が起こり、政府の対応が不味いと40%を割ったのと、バチェレットのとき、トランサンティアゴ交通計画が最悪のスタートを切ったときの2度しか記録されていません。それまでの2度は理由がはっきりしていたのに、今回はまるでピニェラ個人の不人気のように見えます。水力ダムの件で、ピニェラがやり玉に上がるならバチェレットは火力発電所を多数承認しており、彼女の人気も落ちるべきなのですが、そうはなっていません。
もっとも野党の人気は与党のそれより低く、ピニェラの失敗から野党に人気が移っているのではありません。与党の仕事ぶりを認めないは57%、野党が役割を果たしていないとするのは65%。日本で言えば、民主党自民党も人気がないという感じですね。
そうそう菅首相の先週の手口は見事でしたね。首相を辞任すると匂わせて反対票をもみ消すと、その後辞任を否定するとは。国会議員全員が騙されましたね。

2) 同性間の結婚
これも大問題になりますね。野党のほうは、男性同士、女性同士のカップルの結婚を認めようと動いています。政府側は一部には許容する動きもありますが、最右翼のUDI党は全く許容できないアイテムとし、与党内でのギクシャクした雰囲気は限界を超え、UDI対RN党の争いが目に見えて激しくなっています。
もっとも野党側も今になって柔軟性を示していますが、十分たちが政権を握っていた20年間に、色よい返事を出さなかったのは確か。つまり野党になれば、急に腰が軽くなるのでしょう。

3) 煙草規制法案
もしかするとチリでは喫煙の自由がなくなりそうです。レストラン、喫茶店、ディスコ、競技場とか公共の場では一切煙草をすえなくなるような気配です。政府の提案が国会で認められるかな?

4) アイセン水力発電ダム
1MWあたりのコストはチリは今年は180ドルかかり、これは昨年より68%もアップとか。水不足がその原因と言われています。その分析を見ると4月の場合、水力発電によるものが32%、天然ガスが28%、24%が石炭、そしてその他となっています。水不足から一番コストの安い水力発電による電力の量が減少の由。この数字はウルグアイについで南米で2番目に高いコスト。アルゼンチンは天然ガスが豊富なので発電コストはチリの7分の1くらいとか。うらやましいですね。 そのアルゼンチンで原子力発電所が完成します。ブラジル・メキシコと並びラテンアメリカ原子力による発電を行なう三大国です。フクシマの事故なんか問題にしてないのかな?ブラジルはアマゾンに大規模な発電ダムを建設するようですね。アルゼンチンやブラジルには環境保護団体のデモはないのかな?

5) 学生デモ
政府の政策変更を要求した反政府デモに3万人が参加してチリ各地で繰り広げられました。デモの先頭にはどこかの大学の学長が学生に同調して歩いていました。文部省が大学・学生の援助を強化するよう要求するものですが、政府の結論を引き出すまで、闘争を継続するとしています。

6) ボリビアの海
ペルーとチリはその領海問題で国際法廷で争っていますが、ボリビアもチリを相手に国際的にボリビアの海問題を争う方針のようです。エクアドルやブラジルとは問題がないのに隣国とは上手く行かないものですね。