(政治)

1) 2周年記念
ピニェラが政権を握って2年になりました。彼の政権で問題になったのは2010年はマプチェのハンガーストライキ問題、2011年は学生運動、マガジャネス問題、アイセン水力発電所問題、2012年は進行中のアイセン問題です。
彼の評価ですが、今までと同じく市民の評価は低いもの。 特に2年前の震災の復興が進まないというのが問題点とされています。日本はわずか1年で地震・ツナミの被害を克服したとチリで報道されますが、被災者34万人がいまだに避難生活を余儀なくされているのはあまり知られていません。
33人が生き埋めになったとき全員の救出に成功したなど素晴らしい話題もあるのですが、悪いほうが記憶に残るらしい。
そうそう元ピンクフロイドのロジャー・ウォーターがチリ滞在時にピニェラと1時間面談していますが、その時、大統領から聞いた教育問題に対する彼の考え方・政策にショックを受けたと発表しました。同席していたイギリス大使は、ロジャーは私の友人だが、彼のコメントは適切ではないとしています???

2) アイセン問題
しかしこの問題は継続中です。反政府側が道路の閉鎖を解き、政府との話しあいを再開しましたが、ほとんど進みません。現在の論争点はガソリン価格ですが、政府側はガソリンの運送費を一部政府が補助して、小売価格を隣の10州のそれと同じまで下げたいとしていますが、同意に至りません。道路の封鎖解除のときに地元グループの過激派と穏健派が対立しましたが、このままでは時間が立つばかりでどうしようもない雰囲気です。

3) 外交問題
ボリビアが太平洋への出口を求めチリを攻撃するので、それに対抗するためチリは他のラテンアメリカ諸国との連帯を深め、彼らの支援を得る政策を取り始めています。また隣国アルゼンチンとは例のマルビナス問題に対処する方法、それに貿易摩擦問題(とにかく両国の貿易は一方的にアルゼンチンが有利)が焦点になっています。ところで、30年前のフォークランド戦争のとき、チリはイギリス側に立ちましたが、フランスはアルゼンチンの味方をしてイギリス艦艇攻撃のためのミサイル技術などを提供していたとか。なんとなく想像できますね。