(経済)

1) 火力発電所の建設見直し
近年、アイセンの水力発電所のダム建設が大問題になりましたが、今週第3州カスチジョの火力発電所建設に関し、最高裁判所は建設見直しの判断を下しました。これでチリでは水力でも火力でも発電所の建設が極端に難しいことが明らかになりました。環境保護のグループは高らかに勝利宣言をおこなっていますが、火力発電所に関連していたブラジルなどの投資グループはもうチリでの投資はほぼ不可能だろうとかコメント。将来の電力不足・それにともなう価格上昇は避けられないでしょうね。火力発電は液化天然ガスより25%低いコストで発電できるとか。同じようなことを日本の原子力発電関係者は言っていますね、原発はコストが安いと。もっとも原発がなくても暑い夏を越えたようですが。
チリ工業連盟の会長は「チリの2100MWのカスチジョ火力発電所が拒否されたが、ドイツではそれより大きな火力発電所が最近認可されている。発電所の出す公害に両者の間に大きな差が無いとわかっているので、自然保護に関する考えがチリとドイツでは全く逆だ」とコメント。チリのほうがドイツより自然保護を大事にするのか!すごいなチリ。

2) 失業者数の減少
今週の発表ではチリの失業者数は前回の6.7%から下がった6.6%になりました。ピニェラ大統領は他国で起こっている憂慮すべき状況にまだ陥っていないと喜びのコメント。もっとも識者の見解では失業者の%が下がっているのは表面的、つまり仕事を探している人の数が前回の統計時より下がっており、就職を諦めた人が失業者数の減少につながった由。
失業者が極端に多いのはスペインですね。私はチリの新聞のほかに毎日スペインの新聞も読んでいますが、地方の財政悪化は顕著で中央政府への援助依頼は各州から出ています。 ところで今週インターネットで見ましたが、民主党は特別公債法案が不成立の場合、予算執行抑制として、地方交付税の停止などを上げています。それって、スペインで起こっているのと同じことが日本で近い将来起こるということですか?