(一般)

1) メーデーの祭典の後のデモ行進で大混乱が起こるのは毎年のことでしたが、今年はいつもより平穏に終わりました。逮捕者の数は60名。右翼政権になったので、いつもより反政府デモが過激になると思われましたが、全く逆でした。これはピニェラが上手く労働者を取り扱っていると見るより、警察が過激派の動きを上手く封じ込めたと見るほうが正しいでしょう。警察が過激派の動きを読んで、混乱しそうな地点に事前に機動隊を配置したのが勝因でしょうね。
最もチリだけでなく、欧州各国(フランス・ドイツとか)でもこうしたもみ合いは起こっています。

2) ただ乗り阻止
サンティアゴの公共バスに正規の料金を払わずにただ乗りする乗客があとを絶たないので、痺れを切らした当局は検査員をバスに乗り込ませることにしました。サンティアゴの料金支払い方法は運転手にお金を渡すとか、料金箱に入れるのではなく、あらかじめ料金を払ったカードを機械に触れて料金分をカードから差し引く仕組みですが、それを無視してただ乗りするわけです。検査員にカードを調べられ、支払ってないことが分かると罰金を取られます。それを拒否して警察官に連行される乗客がニュースに映っていました。しかしチリの公共の乗り物は安いですよ。サンティアゴの場合どこまでのっても、バスに乗り継いでもたった100円にもなりませんから。

3) 大気汚染
いよいよ冬が近づいてきました。首都圏だけでなく、南部の各地でも大気汚染の問題が深刻化します。南部の場合は暖房として燃やす物質に汚染物資が含まれているからですが、同じマキでも乾燥しているものと湿気を含んでいるものでは汚染する度合いが大きく変わるそうです。さてサンティアゴで28日この冬はじめて汚染基準が通常を越えて準非常事態レベルになりました。ところが首都圏知事はそれを発効せず翌日の29日を通常扱いしました。幸い29日のレベルは通常の範囲におさまりましたが、知事の決定は正しかったのか誤っていたのかが見直されているようです。

4) カトリック教会の苦境
彼らもマーケッチングを勉強しているようですね。神父の性的いたずら・年少児への暴行問題で、一般社会の彼らを見る目は厳しく、一方的に劣勢にたたされていましたが、それを打開するため、今週、新聞に折り込み広告を入れました。数ページに渡る本格的なもので、今回の地震で被害の出た教会の数を各地域ごとに示し、如何に各地の教会が地域の人々を助けているかを紹介しながら、信者の人に給料の1%を毎月教会に献金するよう依頼しています。つまり一般社会に自分たちの存在感を示すことで、一方的に神父の不祥事に目が行かないよう方向展開を図っているわけですね。しかし世の中はそんなに甘くはありません。訴えられている神父を守ろうとする動きも目立ちますが、裁判の中で不祥事の内容が明らかになるとカトリック教会への反発は一層深まり、チリでカトリック離れが明確になると見ますがどうでしょう。

5) 世界最大の天文台がアントファガスタに建設されることが決定しました。
以前に、チリが大型天文台の数で世界1位になると書きましたが、今週はその中でももっとも大規模な天文代がアントファガスタ周辺の山に設置されることが決定されました。スペインのカナリア諸島とどちらが大気汚染が少なく、雨が少なく観測に向いているか検討された結果、チリが世界のトップと言う結論に達したもの。

6) 平均年齢の上昇
以前にも似たような数字が発表されましたが、今週は60歳になるまでに死亡する確率と言う数字です。1970年に世界91位だったチリ男性の60歳到達可能性は2010年には34位と急上昇。一方、女性は同じ数字で70年103位だったのに、2010年には 33位とさらに急上昇。男女ともアメリカ大陸ではカナダ、コスタ・リカについで第3位と発表されました。チリの場合、暮らしの向上、医療施設の革新などがこの良い結果を生み出したのでしょう。しかし、これまでと違って、この先は酒の飲みすぎ、煙草のすいすぎ、高カロリーの食事の採りすぎが寿命を縮める要因にならないでしょうか。そうかストレスも原因か?

7) スキーシーズン
夏が終わったばかりと言うのに、もうスキー場は予約を取り始めています。今までのところホテルの予約客の、なんと、90%はブラジル人とか。サンパウロの一流レストランならチリペソで3万ペソかかるのにサンティアゴに来れば半額の1.5万ペソで食事が出来るらしい。つまりブラジルの金持ちにはチリは安く楽しめるリゾートのようになっている由。まぁなんでもいいからたくさんの観光客がチリのスキー場に来てくださいね。