(政治)

1) 大統領候補の討論会
今回はテレビでなくラヂオを通じての討論会でした。私は用事があって、それを聞けませんでした。報道では白熱する部分は少なく、大きなインパクトにはならなかった模様。
ところで、その選挙戦ですが、与党側のフレイは「もし右翼のピニェラが勝利すると社会混乱が起きるだろう」と警告しました。もちろんピニェラはそれを社会不安を煽る汚い作戦と切り替えしました。与党の中でも元大統領のエイルウィンなどがこの手の作戦は使うべきではないと批判しています。
もちろん通常の手段では負ける可能性が高いと判断しているからでしょうね。それに最近テレビで政府の広告として軍事政権時、行方不明になっている人の身元調査を助けますというのが出てきますが、これも時期を考えると反右翼、もしくは反軍事政権と見られ、ピニェラでなくフレイに投票するよう曲折的に依頼しているのでしょうか。フレイ援護のため閣僚の入れ替えも噂されていますが、それは無いでしょうね。

2) 今回発表の世論調査で、とうとう与党側の候補者フレイに二流の烙印がおされそうです。泡沫候補として取り扱われていた元社会党の若手議員マルコ・エンリケがなんとフレイの人気をしのぎ、決選投票にもし彼が出た場合、ピニェラと全く互角の勝負をすると見られています。
しかし与党側は20年もの間、太平を味わってきましたが、ここに来て陥落の悲哀を味わいそうです。アメリカでも日本でも変革が勝ちましたからね。
ところでそのエンリケ・オミナミですが、今週元日本大使の小川さんご夫妻と会う機会を持ちました。小川さんはテレビのデジタル放送の日本方式の応援をしてこられたのですが、チリが日本方式を採用したことから今回、チリにこられたわけです。彼によるとチリの国会議員でデジタル放送の詳しい知識を持っていたのはおそらく彼一人だったのではないか、また彼は日本方式を推薦してくれたとの秘話を語ってくれました。彼が日本方式を応援したのは、技術的な観点からか、義理の親が日系のオミナミだからかな?

3) 10月5日はチリに取って記念すべき日です。今から21年前、1988年ですが、国民投票が行われ、ピノチェット政権存続の可否が問われました。覚えています、私も投票しましたから。チリでは外人にも選挙権を与える制度になっています。現政府はこの日を盛大に祝いましたが、12月の選挙で同じように勝利を祝えるかな?ところで野党側の、つまり右翼のピニェラはこの投票で反ピノチェットの投票したらしい。意外な気もしますが、彼は左翼ではないが、軍事政権側ではなかったのでしょう。