(政治)

1) 先週の日曜日、選挙の投票が行われました。大統領選はピニェラとフレイが来年の決戦に残りましたが、その後、一向に盛り上がりません。本当に今回の選挙は不思議です。前回の投票で1位だったピニェラが1月17日の決選投票でも勝つでしょうが、すべて予想どうりに進むのは楽しくありませんね。
しかしそれにしても若干36歳のマルコ エンリケ オミナミの活躍は目覚しいものがありました。民生化して以来、一貫して政権を取ってきた与党の代表フレイと互角の勝負を見せましたからね。金銭面でも、援護層の厚さでも、また本人の経験でも圧倒的に不利な状況にあったのにもかかわらず、対等に戦いました。素晴らしい。現在は彼の票がどっちに行くかで勝負が決まりますから、せこい政治の世界なら連日両方の陣営とネゴして自分を高く売りつけるところでしょうが、さすがに彼は4年後を考え、表面から姿を消しました。日曜に彼のコメントが新聞の一面に掲載され、「フレイが負けたときに私の責任にするのはやめてほしい」って。言えてる。彼の応援メンバーで経済担当の参謀だった男がピニェラの陣営に入り、首都圏のキリクラ区長がフレイ陣営に参入するなど表面上の乱れはありますが、彼の4年後が楽しみです。この日曜日の討論番組に出演した彼は「フレイには進歩はない、ピニェラでは社会は退歩だ」と厳しいコメント。
確かに与党グループの各政党の得票率は従来の選挙とほぼ同じなので、政党はそれぞれの責任を果たしたが、フレイの個人的な魅力があまりにも低いので投票を受けられないとする声が大きくなっています。じゃ来月の選挙に負けたら現与党グループは次の2014年選挙でもう一度人気抜群のバチェレットを担ぎ出すのでしょうか?
それから下院議員選挙で注目されたのは、野党の右翼議員数が与党の中道左翼を超えたことと、37年ぶりに共産党PCの議員が3名選出されたことです。キリスト教民主党DCとは全くかみ合わないのですが、DC出身のフレイ候補はPCとも共闘したいとしています。また汚職議席を失った3名の議員が再立候補をしましたが、3名とも落選。チリの選挙民もちゃんと見ていますね。
さて選挙が終わった後の最初の下院の議会が成立しませんでした。120人の議員のうち87名が欠席したからです。ちょっと前、皆様のために働きますので私に1票をと頼んでいた議員は仕事もせず、朝寝をむさぼっているのかな?全く右翼も左翼も政治家は信用できないというのが私の結論です。じゃマルコも同じ?

2) フレイの父親(元の大統領です)が軍部に殺されていたというのは大ニュースになりましたが、あれっ、今週は急に風が変わり、殺人容疑で逮捕されていた医者が保釈されました。裁判がまだ始まっていませんから、無罪が決定したわけではありませんが、有罪と決定できない可能性があるということで、一時自由の身になったわけ。じゃ殺人じゃなかったということにもなりうるのかな?しかし裁判とはいえ、もろに政治の社会が絡んでいますから、来年1月の大統領選挙を前に方針が微妙に動くでしょうね。

3) コペンハーゲンで開催中の国際気候会議に世界各国の首脳が参加していますが、バチェレットは参加していません。外出好きの彼女がどうしてチリに残っているのかなと考えてしまいます。その会議は全く外交的なもので実際にはなんの役にも立たないと考えているからではないでしょうが。ブラジル、べネスエラは当然としてボリビア大統領も顔を出していましたよ。チリだって銅山などの大気汚染、石炭発電も問題あるでしょうね。無責任ではいられないはず。