(経済)

1) 経済の安定性
世界経済フォーラムの発表では、世界で経済が発展している国の順位はイギリス、豪州、米国の順でした。日本は9位、チリは31位。しかしその中の一つの項目、経済の安定性では1位ノールウェイ、続いてスイス、香港、なんとチリは4位に顔を出します。チリの安定性は国際的に認知されているのですね。

2) 物価上昇率(IPC)
9月の物価上昇率は1%とこの12ヶ月で最高の上昇となりました。これで09年の通年ではマイナス0.6%となります。きわめて安定しているといえるでしょう。
10月も同じ傾向が見られると発表されています。

3) 乳製品の保護
アルゼンチンとウルグアイから安い乳製品が流れ込んで国産の製品を圧迫する問題が続いていました。国内の酪農家から政府の保護を望む声が出ていたのですがチリ政府は自由貿易の観点から国産保護の手を打ちませんでした。しかしここに来て、アルゼンチン製品の価格が安いのは同国政府が輸出振興のための補助をしているからとし、その輸入品に15%の超過税を課することになりました。これで競争力の上がるチリの酪農産業は一安心です。

4) 銅鉱山
エスコンディダは世界最大の銅鉱山ですが、従業員との契約更改の時期を前に、ストに入るなどの紛争を避けるため特別条件を提示しました。なんと一時金1400万ペソ、5%の昇給、その他にも無金利の貸付金も用意するらしい。会社の経費として合計1億ドルになるらしい。契約期間は44ヶ月ですが、しかし金のあるところは派手なことをしますね。前回の交渉では労組が道路の閉鎖を始めとする実力行使を長期間続け、社会問題になりましたからね。いくら大金とは言え、金で問題を押さえ込めるならそのほうが良いとの観点に立ったのでしょう。地元の商店街は大喜びでしょうね。このボーナスが支給されたら翌日から百貨店、レストラン、バーとお客さんの波が押し寄せるはずです。
これに影響されるコデルコは民間企業と国営企業では経営感覚に大きな差があると煙幕を張っています。
しかしこのエスコンディーダの特別ボーナスが実施されたら、はかの業界でも賃金闘争が激化するのは避けられませんね。病院関係、教員組合はストに入るでしょう。