(経済)

1) 活性化
   世界経済が落ち込んでいますが、それがチリに大きく影響しないよう政府は活性化案を発表しました。それによると来年度に新規に高速道路を建設する、ビーニャのマルガマル運河の幅を広げる、チロエ島でダルカウエ港を作り、そこで潮の満ち干を利用した発電設備を設ける、観光客誘致案件を開発する、市民センター建設などの45のプロジェクトに35億ドルの予算を当てるらしい。がんばれチリですね。
   アメリカでは自動車産業保護を活性化(もしく経済低下阻止)の重要項目に充てているが、その補助金がどこから来るのかをはっきりさせなければ借金を増やすだけですよね。アメリカの自動車産業は日本メーカーに勝てなかったとチリの新聞にはっきり書かれています。
もっとも日本だって借金だらけだのにまだ予算を増やそうとしているみたいです。借金の増大は倒産の第1歩ですよ。
   ところでチリ中銀は金利の引き下げを匂わせていましたが、当分8.25%の高いまま据え置きすると発表しました。まだ強気ですね。

2) 為替問題

少し前1円が4ペソくらいだったのに、なんと7ペソになってしまいましたね。円高が異常なのとペソ安が重なったためですが、ペソがここまで安くなる必要はないと思います。株価は世界中の株式市場で大幅に下がっていますが、チリの下げ幅は最少の24%です。これだけを見てもチリの経済の安定性が実証されるはず。通年ではロシア67%、中国61%のダウン、ナスダックは43%、ブラジルは40%、ペルーは59%ですからね。しかしこのドル高ペソ安で輸出業者の笑みと輸入業者の困惑が目に見えるようです。
   とは言え、クリスマスが近づいて急激に商品の値段が下がっています。液晶テレビも36インチの中型が昨年50万ペソだったのが30万ペソまで下がりました。コンピューターも大幅に下がっています。なぜかチリのこうした商品の価格は南米で最も低いレベルにあり、観光客がデパートで買い物するのは良くあることらしい。

3) ガソリン小売価格の急降下
   2005年以来久しぶりに93オクタンが500ペソを割りました。たった2ヶ月ほどの間に200ペソも下がりました。毎度書いているように需要供給の原則も何もなく投機筋の動きだけでこんなに価格が上下するのを世界が認めているのは理解できません。規制ってないの?
   ところで1バリル140ドルまで行った時、専門家がこれは200ドルまで行くでしょうと言っていました。専門家も素人と同じくらいしか先を見る目がないことを暴露しましたね。このお陰でチリの12月の一般物価上昇率はマイナスになりそうで、通年で8%くらいに落ち着きそうです。
   ところでチリの命綱たる銅の価格が原油に連動するように下がっています。1ポンドあたり4ドルだったのが1ドル近いところまだ激減。専門家の意見として来年は1ドル割れもありうるとか(もっとも専門家ってたいしたことがないのは原油の項目ではっきりしていますけれど)