(政治)

1) バチェレットは内閣改造を匂わせていましたが、次回選挙に出馬予定の3人が政府関連の職務を辞任しただけに終わりました。大臣職はそのうちの一人だけです(労働大臣)。まだその替わりの人間の発表はありません。
これ以上内閣改造しても彼女の人気は上がるわけもなく、任期最後の1年を静かに時間の立つのを待っているという状態でしょう。

2) 次期大統領に立候補予定だったラゴスが辞任したため、与党側はDCで元大統領のフレイと社会党系の米州機構議長のインスルサの一騎打ちになりそうです。フレイはキリスト教民主党の看板からはみ出て、避妊剤の配布を認めるような発言をするなど左翼側に食い込む姿勢です。野党側はRNのピニェラ。この三人が身内を固める作業をしているのが毎日ニュースになっています。野党側の場合、最大野党のUDIは自党から候補を出したいという動きと、今回は友党のRNから出ているピニェラを推して勝利を確実にすべきとの動きがぶつかっているわけですが、最終的には彼を応援することで合致しました。

3) 学校教育の改革
先年はペンギン運動でチリの最大問題にまでなった学校教育問題ですが、最近、教育の質を上げるために現在の公立学校システムを変更し、区役所が運営する学校を教育省の監督に変え、統一されたシステムにすることになりました。今までのやり方では金持ちの区と貧乏な区では予算に大きな差があり、統一した教育レベルが期待できないとするわけです。最低費用は国から出るわけでしょうが、差があるのは確かです。
先日、大学入試が実施されましたが、高得点を取って希望の大学(学部)に入れるのは大半が私立の学校の生徒で、公立高校の学生はごく少数という図式が近年継続されています。これを打破するためには、確かに抜本的な改革が必要ですね。

4) ペルー
先日、ペルー陸軍長官が「チリ人が我が領土に侵入すれば全員棺おけに入って帰国することになるだろう」と発現して揉めましたが、ペルー側は彼を罷免しませんでした、チリの抗議に対して、逆に「チリはコデルコ銅公社の売上の一部を軍隊にまわしているが、この仕組みはいかがなものか、チリは軍拡に走っているのではないか」とペルー外相が発言。他国の干渉は受けないと言ったその国が、他国の干渉をすぐにしてくるのが外交の面白い所。しかしガルシア大統領は自国経済活性化のためチリ資本のペルー進出を歓迎すると熱心に勧誘しています。でもチリ資本家がペルーに入ったら棺おけに入って戻されることにならないかな?
そうそう久しぶりにフジモリ元大統領のニュースが出ました。まだ裁判中だそうですが、もうニュースにもならず20平米の独房でひそかに生きている模様。彼がチリにいたときは連日ニュースになったのに、人生とは分らないもですね。