(政治)

1) 駐アルゼンチンのチリ大使が辞任しました。
彼、オテロは現地のクラリン新聞のインタビューで、ピノチェット軍事政権批判をよく聞くが、自分はチリ国民の多数はそれほど軍事政権時、抑圧された苦しい生活を送ったと考えていないと思うとピノチェット擁護の発言をした。記事が掲載された翌日から野党側の反論は厳しく、政府は当初、その発言はオテロ個人の考えと切り抜ける姿勢を見せたが、それでは収まるはずがなく、最終的に彼が辞任することで決着。オテロは公式の記者会見で人権問題の被害者の皆さんとその家族にお詫びしたいとしました。これの後任は元DCのサルディバルの名前が挙がっている。
この件に対し、次のような投書が新聞に出ました。「どうもチリ人には物忘れのひどい人が多いようで、歴史上最悪の大統領だったアジェンデの銅像がモネダ宮殿の前に立ち、彼の人民政府を倒すことがチリにとって重要と考えたキリスト教民主党はすっかりそれを忘れ、ピノチェットが人民政府を倒したとき、国民がほっとしたのも思い出さないようだ。しかもアジェンデ時代の(日常物資に事欠くなど)日常生活の苦しさはピノチェットになって大きく変化したことは国民の多数が感じたはずだが、それも思い出されないらしい」どうですか?

2) 教育省の大量首切り
ラビン教育大臣は数百人の首を切りました。国会の特別委員会で野党側の批判に対し、教育省はそれほど多数の弁護士、記者を必要としておらず、最低限に必要な人材を確保することにして、解雇された人にかかる経費を学校援助に回す基金にしたいとしています。野党側はピニェラは解雇をしないと言う公約をしていたではないか反論しましたが、ラビンは、その他にも多数の海外出張やおかしな奨学金などバチェレット時代の不正支出を示して一歩も譲りませんでした。国会に詰め掛けた傍聴人は賛否に分かれ大声で批判・支援を叫んでいました。
労働組合は対決姿勢を見せていますが、一般市民の間にはそれほど同情感は盛り上がっていません。同省の発表では、教員の給料は安いので有名ですが、今回解雇された職員の平均給与は100万ペソ以上で、異常に高いのが注目されます。つまり以前の政権は何だか良く分からない職員を多数採用していたと言うことでしょう。またそれらの職員は大半が正規職員ではなく、オノナリオと言われる契約社員のため解雇されても退職金は出ません。テレビのニュースで解雇された一人がこれからどうすれば良いのか、子供もいるのにと泣いていました。契約社員は普通1年を経過して、同じ職場(仕事)を継続する場合は正規社員になるのが当然なのですが、前政権はそれをしていません。職員の数が増加するのを嫌がったのかな?これは教育省だけでなく、他の省・庁でも同じような問題がこれから出るのでしょうね。

3) ピニェラと元大統領の面談
ピニェラがエイルウィンとラゴス元大統領を大統領官邸に招待し2時間にわたって面談しました。話題はチリの建国200周年行事のあり方とその他についてとか。
バチェレットはエクアドルにいたので参加しなかったが、呼ばれなかったフレイはカンカンらしい。彼の所属するキリスト教民主党はこれは宣戦布告かと憤っていますが、大統領側はフレイは現職の国会議員なので招待できなかったと涼しい顔。もっとも週末の報道ではいつかバチェレットとフレイの両方を招待しますと対応が柔らかになっているようです。さてバチェレットはエクアドルで、同国大統領のコレアと面談していますが、彼はエクアドル大統領としては10数年ぶりにペルーを訪問し、現在ペルー・チリの間で争われている領海問題に関してチリ側に立った行動を行わないことを認めています。ペルーと何か取引をしたのでしょうね。最もペルー側にたってチリと対立することもなさそうですが。中立宣言でしょうか。

4) 国民改革党(RN)の党首選挙が行われ、現行党首のララインが再選されました。次の2年間、党首の職を務めます。彼も同じRNのピニェラと同じく資産家で有名です。金持ちけんかせずと言いますが。