(政治)

1) 次のチリ大統領になりそうな野党のピニェラがコロンビアに外遊しましたが、不思議なことにバチェレット大統領の外遊よりニュースになります。先日彼女がアルゼンチンとウルグアイを訪問したとき、新聞にもテレビにもほとんど報道されませんでしたが、彼の場合、詳細に報道されました。これっておかしいですね。
しかし、単に大統領候補で大統領ではない彼に、コロンビアではウリベ大統領がベストアテンドし、一緒に大統領機に乗りゲリラ地区の上空を飛びました。その他彼はトランサンティアゴの見本になったボゴタの都市交通計画ミレ二ウム関係者と面談したり、大忙しです。
もちろんこれに嫉妬するチリの与党側は彼にどう反撃するか検討中とか。
さて、そのバチェレットは今週、イキケ近くのティラナの教会を訪れ、数万人といわれる巡礼者と一緒に聖カルメンのお祭りに参加しました。チリ北部でのこのお祭りはボリビア・ペルーから伝わった民謡を踊り歌うもので独特です。バチェレットはそこで、その教会の増改築を政府が行うとコメントしましたが、無理でしょうね。ずっと前に約束したこの近くであった地震の被害家屋の補修をまだしていないのですから。
そうそう首都サンティアゴでも大聖堂の前でペルー人中心のグループで水曜日この歌と踊りが披露されました。私たちもたまたまその近くを通ったので見学しましたが、ペルー時代を思い出し懐かしかったです。

2) しかしそれより大問題になったのは内務大臣が与党連合は次回の選挙で政権を明渡す可能性があると発言したことでしょうね。
もちろん官房長官はすぐに「選挙では勝つことも負けることもあるのは自明の理。その発言を取り上げていろいろ詮索しても意味はない。私たちは常に国民の側にたった政治を行い、次回選挙でも謙虚に国民の審判を仰ぎます」とそつなく締めました。
バチェレットはもっと率直に「私は(次期大統領に渡す)たすきをピニェラにではなく与党候補の誰かに渡したい」とコメントしました。
ピニェラは「(与党の最有力大統領候補は前大統領のラゴスだが)彼は自分の政権中、トランサンティアゴやプエルト・モンまでの列車開通など選挙目当ての大計画を多数実施したが、その結果は大失敗だっただけでなく汚職関連問題が噴出しており、世間の目は彼にはない」ときっぱり。
大統領選挙の前哨戦となる今春の地方選挙が楽しみですね。

3) 教育問題
全女性大臣は国会で罷免されましたが、現行の女性大臣も鉄の大臣と異名を取るほどで教員・学生のクレームを無視しています。その大臣が何と今週サンティアゴのホテルで開催されたシンポジュームで被害にあいました。学生代表が壇上に上がって、テーブル置いてあって水の入ったコップを彼女にぶつけました。彼女はびしょびしょ。あわてて退席です。水をかけて捕まった14歳の女子学生は「私は後悔なんかしてません。だってあの大臣は私たちの言うこと全然聞かないんだもの。しょうがないでしょ」何人かの国会議員は大臣の側に立って女子学生の退学処分を要求しています。私は退学させないで説得する方が良いと思いますが、どうでしょう。この女学生はこれまでデモで警察の規制を無視するなどで3度逮捕されています。