(政治)

1) 教育問題
久しぶりに全国で大掛かりな学生のデモがありました。首都サンティアゴでは主催者の発表で15万人、警察側では8万人の参加者だった由。確かに立派な動員力ですね。教育の無料化と教育を営利目的にはさせないとのスローガンを掲げました。先日、バチェレットが発表したのと同じですね。
ところでそのバチェレットはコメントしてすぐに自分の発言を訂正しました。多分部下から、あまり派手なスローガンを掲げると後で問題になりますよと言われたのでしょうね。「金持ちの子どもに教育の無料化は筋違いでしょう。ちゃんと払ってもらいます。また庶民子弟の教育の無料化のためには税制改正はやむを得ないのでは」と変更しました。
学生側の代表は、「私たちは何も目をつぶってバチェレットを応援するとは言っていない。私たちの要求と一致した候補者を応援する」
なるほど、それではどの候補もうかうかできませんね。無料化を一直線に押しているのはマルコ・エンリケ・オミナミ候補です。「金持ちでも貧乏人でも教育は無料化としたい。財源は富裕層からの増税」としています。
先週、下院で罷免決議を受けたベイエル教育大臣ですが、なんでも法律から行くとこの矛先は教育大臣ではなく内務大臣だとかで、与野党ともによく調べていなかったとか。
現在、大臣職は差し止めになっていますが、上院でも決議されると彼はこの先何年か公職にはつけません。例えば国立大学の教授もだめ。彼が公職法に違反するような行為をしたのならそれも当然ですが、過去20年間問題にならなかったことで現職大臣の罷免退職はおかしなものですね。
そうそうバチェレットは社会党とPPD党共同の立候補受諾発表会で演説し、「選挙方式を代える、また現行憲法も考え直す」と発表し、波紋を呼んでいます。
2) 大統領選挙運動
野党側は独立候補も入れると数人が立候補していますが、前大統領のバチェレットとの差が大きすぎて、まだ予備選挙が行なわれていないのにバチェレットで決まりの雰囲気。
与党側はUDIとRN党から一人ずつ出ていますが、どっちも決定力がなく、お互いの足を引っ張るばかりで与党としての迫力はなし。これは現大統領のピニェラにリーダーシップがないのでお互いに暗中模索するためでしょう。
新聞に「ピニェラの人気はそのうち上がる。それは次の大統領が決まった頃からだろう。つまり彼が現職大統領としての重責を外すころになると人気が出始める」というもの。笑ってしまうが意外と真実かも。
私の予想はシンプルです。バチェレットが次の大統領になるが、その頃からチリ経済が傾き始め、反政府運動が始まり、国民は何故彼女を選んだのかと自問する。どうかな?