チリの風 その1055 2023年7月31日ー8月6日

もうなんだか冬が終わり春になったようなサンティアゴです。週日の午後に外に出るとき私は半袖シャツを使いました。短い冬でした。ミモザの木の黄色い花が真っ盛り。私はその木の近くには行きません。花粉症になるからです。もっとも土曜日は曇って肌寒かったですが・・・
登山は仲間といつもの第1展望台へ。汚いスモッグに覆われた街と青空が広がる山の上の空の違いには悲しいものがあります。
日曜日のマラソンはできなかったので今週は1回だけ10キロを走りました。走っているときに、これからの人生で今日が一番若いのだから今日頑張らなければ、明日は無いと考えます。いつも同じように自分を励ますわけです???

今日、富山から芸術2グループが到着しました。明日からイースター島の公演に出発です。さぁどうなるかな?明日はホテル前に朝5時集合ですから、ガイドの私にも厳しいです。彼らはサンティアゴに戻って12日にレンカ広場でも公演をします。日本人・チリ人の多くの観衆をお待ちします。

(政治)

1)ボリッチ動向
もうすぐチリで開催されるパンアメリカ大会の会場視察に国立競技場を訪問。それより大事な北部のアントファガスタ訪問もありました。
さて最重要問題は目標80億ドルの増税をどうするかです。それがないと資金不足で年金改正・教育是正など多くの案が実施できません。既に一度国会で失敗していますから、同じアイデアでは無理です。国会で成立させるためには野党との合意が必要です。その協議を続けていますが、あまり進んでいるように見えません。
新聞に大蔵大臣の疲労が目立つと出ました。
大手鉱山のロヤリティ税についても問題になっています。リチウムの開発権の販売も同じですね。政府の思うようにはいきません。

教員スト
ストが実施され、多くの学校で授業が止まりました。政府と教員組合の話し合いもうまくいっているようには見えません。

しかしボリッチがリードしなければいけないのは身内の新左翼の不正事件です。国から金を受け取り簡易住宅を作って貧民層に援助する運動が、国から金は出たのに作業が始まっていません。南部の州で、その新左翼の仲間で前回の大統領候補になった人間が逮捕されました。これに続いて、新左翼RD党の党首がそれを不正に入手していたとして逮捕されれば、新左翼崩壊ですね。他の新左翼党が自分たちは彼らとは違うとそっぽを向いても、もう遅いでしょう。新聞の社説にその新左翼の党の不正は明白だとされています。続々と逮捕者が出るでしょうね。
次の国会議員選挙が楽しみです。
ピニェラが今こそ右翼側はすべての党が手を握って、崩壊寸前の左翼から政権を取り戻そうと呼びかけました。ただほとんど各党からの反応はなかったと次の日のテレビのニュースに流れました。
それに関連してジャクソン大臣の交替が野党から要求されていますが、与党からも現政権の頭痛の種のその件を早く解決すべきとの声も出ています。
しかしその逆に過去に間違って逮捕され拘留された人が過去10年で39235人もいるとされています。その一つの例として、怪しいと見られて調べられ何かの薬品を持っていると、それは麻薬だとされ逮捕、拘留とか。後でそれは麻薬でないことが分かると釈放された由。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格は1ポンド当たり3.83ドルと先週より下がりました。為替は1ドル854ペソとペソ安がひどくなっています。
 中国が絶好調にならなければ銅の需要が急激に伸びて価格が上がるのは無理でしょうね。
2)GDP
中銀のイマセック指数が発表されました。6月は対前年1.0%のマイナス。5か月間連続のマイナス成長です。過去12か月でマイナス1.1%。その傾向が長い間継続というのが分かりますね。落ち目ではないが景気復活の気配もないですね。
3)株式市場IPSA
何と今週も一日、歴史上の新記録6402ポイントを記録。どうしてIPSAが記録更新を続けるのかよく理解できません。
関係ないけど、ガソリン価格が今週かなり上がりました。日本も毎週上がっているようですね。

(一般)

1)マプチェの犯罪
いつものように、いやいつも以上に放火事件が継続です。学校・教会・診療所など市民にとって大事な建物に火をつけて壊します。そばにマプチェを刑務所から釈放しろと書かれたものが残されています。
被害者の人がニュースに何人も出ましたが、もちろん普通の人で、たまたまそこにいたのが、運が悪かったわけです。
市民が一体いつまで私たちは苦しまされるのだ、軍隊を出しているのに正規に機能しているのか?とクレームしています。その事件の中心になったトライゲンに政府は軍隊の基地を設置する計画を発表しました。軍隊が動き回らずとも犯罪グループを見張ることができると言うことですね。上手くいくでしょうか。
ボリッチ政権が始まったとき、マプチェ問題に軍隊を使うピニェラ方式ではいつまでたっても解決にはならない。私たちは話し合いから始めるとして、内務大臣は最初の仕事としてアラウカニ州に行きましたが、話し合いどころか発砲されて逃げ戻りました。
新政権は実態をよく知らないと言う感じですね。しかしマプチェがそれだけ活動を続けるには資金が必要で、それは麻薬から来ていると見られますから、その分野を調べると彼らの犯罪行動もしぼんでいくと思えますが、違うかな?
2)病気
コロナ問題もインフルエンサも収まってきて、マスコミにそのニュースが書かれることはほとんどありません。良かったね。


以上