チリの風 その975 2022年1月17日ー23日

週日は落ち着いていましたが、週末は30度を超える高温になったサンティアゴです。
今週の山歩きは仲間と行くはずだったのですが、彼らの都合がつかず一人でサン・ラモン山岳公園の川めぐりコースを
歩きました。家から公園までも歩いたので全部で5時間の歩き。それでも川のせせらぎを聞きながら歩くのは素晴らしい喜
びでした。
戻ってきて、シャワーでなく、湯ぶねにつかったら疲れが取れました。

日曜日はいつものマラソン練習。仲間と走りました。
随分前の話ですが、20年ほど前は、マラソンでも山歩きでも、前の人を追い越していました。今は逆で、後ろから来た人に追い越されます。えっ、何それ。75歳ですからね。贅沢は言えません。もちろん、大事なのはそうして運動を楽しめる事です。そしてそれを継続するのが人生にとって重要です。

カマラに頼まれたパタゴニア講演の原稿を書き上げて事務局に送りました。これから毎日、話をする練習を始めます。

(政治)

1)ピニェラ動向
もう任期もあと少し、彼より次の大統領の方が注目を集めているのは確かですね。
今週、ピニェラはコデルコ銅公社のアンディーナ鉱山を訪れ、新規計画を発表しました。このプランで
 このマインは後30年はオペレーションが続くだろうとか。14.5億ドルの投資です。

昔、その鉱山で
仕事をしたことがあるので、懐かしいです。
その後、彼はプンタ・アレナスを訪問してあちこちで面談。新大統領を祝っているのかな?

ピニェラが提案している年金補助の件ですが、金持ちへの増税として、ヨット、高級車、ヘリコプターなどに増税
するのが良いと言われていますが、まだ議会で結論は出ていません。 
それでも遅かれ早かれチリの老人の所にその援助が届きそうです。新聞にそうした増税が経済活動を抑えることにならないように願うとするコメントが出ました。増税でヨットの値段が2倍になれば売れ行きが激減するかな?

2)ボリッチ政権の内閣
待たれていた大臣の名前が発表されました。注目の大蔵大臣は現行の中銀総裁です。すると彼を評価するチリの株式市場は
即時2%上がりました。ピニェラに任命された総裁を新左翼のボリッチが大臣にするのは面白いですね。優秀なら右翼も左翼もないと言うことでしょうか。経営者陣も新大臣を歓迎しています。最もチリ共産党は、何度も公定金利を上げ、市民を苦しめた彼は認められないとクレームしています。
さて今回の組閣に入れなかった多くの人の中に、労働連合のトップの女性がいます。彼女は共産党員です。いろんなことをして、多分不正行為をして、その地位を堅持していますが、彼女のニュースが出るたびに私は不愉快でした。
ボリッチは共産党から圧力がかかっても彼女を労働大臣にするのを拒否したわけですね。良くやった。
これを見ても、ボリッチは35歳で若いけど、ちゃんと考えて・計算して自分の意見を通しているようです。
翌日の新聞の風刺漫画に、孤独と言うタイトルでDC(キリスト教民主党)が書かれていました。今まで民主化してから、中道左派が勝った時は、必ず彼らが中央にいたのですが、今回は新左翼が勝ったので、全く新内閣に入っていません。


ところで大臣の性別ですが、女性の方(14人)が男性(10人)より多かったのが不思議でした。

新左翼の側から、農林大臣に関し、彼は優秀な人材だが、農業については知識・経験が少ないから大臣職はどうかと
いうコメントが出ました???その大臣は何か裁判になっているようですが。

ボリッチはその発表の前に現在の与党側の党首と面談しています。下手に出たのか、余裕があるのか、わかりませんが
普通、反対勢力の人間とはコンタクトしないのですが・・・
彼が現在事務所としている建物の前で、デモ隊が警察と衝突しました。ボリッチに圧力をかけようとしているのでしょうか。いつものように壁に落書きして、近くに駐車している車を壊して・・・先年の社会騒乱で逮捕・抑留されている犯人を釈放するよう要求しています。それを恩赦・特赦とか、どんな方法で刑をなくす・軽くするのが良いのか検討されているらしい。
その他に首都圏の住民が我々にも人間らしい住居を提供せよとクレームしました。もちろん、彼らの要求を全部のめば1年で新政権は破綻するかな?
 
今の与党RN党の議員が、与党側は今回の敗戦をちゃんと分析して、それを反省・訂正しなければ、次回の選挙にも負けるだろうとコメント。当たっていますね。さぁこの先どうなるでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.52ドル。高いですね。素人の私にはどうしてこんな高い価格が継続するのか不思議です。
そのため為替はペソ高になり金曜日は1ドル805ペソ。土曜日は795ペソ迄落ちています。
ちょっと前1ドル880ペソでしたから、10%も下がったわけですね。 

(一般)
1)コロナ問題
 なんと土曜日に1日で14000人も新規患者が出ました。新記録です。なんでもバケーションで派手になって来た「旅行」がこの問題を起こしていると言われます。もちろん、それもこの現象の一因でしょうね。
北部で病院に空いた病床がなくなった所があると言われています。全国ではまだ500ほど緊急病床に余裕があるらしい。
首都圏が警戒レベルが4から3に落ちました。集会の参加者数が少なくなるとか先週から変化が出ています。そしてレベル1,2に戻ると自宅待機令になって、外に出られません。2年も続いたそんな厳しい状況に再度、戻るのでしょうか。
2)マプチェ問題
 7回連続で軍隊を駐屯させることを議会で承認しました。右翼も左翼も同意ですね。それでも今週、なんと同地区で4人が殺され
その他にトラックの運転手が銃撃されて負傷しました。事態がおさまって来ているとは全く思えない状況ですね。同地区の軍隊の代表が「市民を脅し・殺すのは情けない弱虫がやることだ。俺たちに向かって発砲してこい」とコメントして問題になっています。この先、軍隊とデモ隊が銃撃戦をすることになるのでしょうか。
マプチェの代表は軍隊を送って問題を抑え込もうとする政府の方針にはどうしても納得できないとクレーム。新内閣の内務大臣は、「誰とでも話し合う用意はある。過激グループとでも」とコメントしています。
3)サンティアゴの飛行場は昨年利用者が1000万人を超え、前年対比で17.4%の上昇とか。しかしその前年の2019年は
2460万人ですから、正常化には程遠いですね。

(スポーツ)

1)サッカー
やっと試合が始まりました。今日はスーパーカップで、昨年のリーグ戦で勝ったカトリカがチリカップ戦で勝ったコロコロと対戦。コロコロが勝ちました。最近、カトリカの勝利・優勝が続いていましたが、風が変わりました。
そして、ワールドカップの南米予選があります。今週チリはホームでアルゼンチンと戦います。もう本大会出場が決まっているアルゼンチンは、余裕で南米6位のチリと対戦ですね。チリは残りの4試合に全部勝てばまだ本大会出場の可能性はあると言われますが、対戦相手はアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイそれにボリビアですからね。無理でしょう。


以上