チリの風 その974 2022年1月10日ー16日

今週もサンティアゴは30度を超すような暑い日が続きました。今週の話題は友だちとのコンタクトです。先ず、地方から用事があって出てきた友人と落ち合って付き合い。その手続きを終えてから喫茶店でコーヒーを飲みながら

 
楽しんだ会話がうれしかったです。
そして私の誕生パーティに家族・友人が集まり、嫁さんの作ってくれた食事を楽しみました。
そういう繋がりが人生の幸福ですね。
スポーツもいつものように実施。土曜日の登山教室は18名でビスカチャ山に。頂上近くは岩山の厳しいルートでしたが、5時間ちょっとで歩きました。下りに滑った人もいましたが、けが人はなく、全員無事に戻りました。その日、出会った登山者の中で最年長は82歳、最年少は5歳でした。あんな厳しいルートをその年で歩けるんですね???
日曜日のマラソン練習は仲間と3名で走りました。前日の疲れでのんびり走でしたが、週日は一人で10キロを走っています。

所で、パタゴニアに関してカマラから講演を頼まれ準備を始めました。新しい風が吹いてくるのがうれしいです。

(政治)

1)ピニェラ動向
  先の入学試験でトップクラスの成績を上げた学生グループをモネダ宮殿に招待して励ましました。
  それから北のコキンボ州(第4州)とアタカマ州(第3州)を訪問し、教育や農業について話し合いました。
2)特別年金
 先週、国会で成立しましたが、その原資をどうするかで議論が進み、どんな増税をどれくらい実行するか検討中です。
 つまり遅かれ早かれ実施されそうです。
 金持ちへの増税が問題点ですが、新聞の投書欄に、昨年は物価上昇率が7%にもなり、貧乏人はその増税を払わせられた。金持ちに他の増税を課せるのは自然ではないかと書かれました。
3)ボリッチ
裁判所でボリッチを大統領と確認する式典がありました。なぜそれが必要なのか分かりませんが、その式の後に彼はマイクに向かい、大統領になって国のため、国民のため働くことを誓いますとし、付け加えてその責任を感じるのは(初代大統領)オヒギンスなどが感じたものと同じだろうとしました。そうでしょうね。
そして経営者の集まりに参加して、情報の共有や、政策決定に関与してもらうことで、一層の一体感を持って働きたいとしました。彼の手足になる内閣の予想メンバーが記事になっていますが、なんと若手(30代)が閣僚のメインになるだろうとする見込みが高まっています。民政化が始まって以来最高の若年層採用になりそうです。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.49ドルと絶好調。今年もチリ経済を支えますね。為替は1ドル822ペソと銅価格の上昇からチリペソが強くなっています。
2)公定歩合
世界の中央銀行公定歩合は国によって大きな差が出ています。
ブラジルは9.25%。アルゼンチンは4.07%。そしてチリは4.0%。
アメリカは0.25%、日本はわずか0.1%でした。
3)リチウム 
テンダーがオープンされ、2社が選ばれました。そのうちの1社はBYD(中国)でした。中国政府は喜んでいます。
どうしてかチリの野党の左翼は喜んでいません。社会党議員が取り消しを要求したいと発言。ボリッチも不快感を表明しました。
その後、テンダー取り消しが裁判所に要求され、コキアポ裁判所は、結論が出るまで、今週のテンダーの結果は結論としては認めれらないとしました。現政府はこの件に関し、契約は破棄されたわけではないとし、これに関連して新政府と話し合いたいとしています。

(一般)

1)コロナ問題
なんと木曜日は新規患者が7291人と昨年6月以来の高い数字。先週と先々週の比較は87%の増加で過去20か月で最悪。

ただし今月初めのOECD加盟国の38か国の患者数の比較を見ると、100万人当たりで、最悪はアイルランドで4,700人。4回目のワクチン接種を始めているイスラエル1660人。チリは下の方の31番目で142人でした。
それがさらに増えてなんと日曜日は9281人、感染率8.9%ともう留まる所を知らないと言う雰囲気です。
昨年の様にまた自宅待機令が出されるのではと言う噂が流れています。

2)火事
北部のイキケで火事が起き、なんと100件の家がほぼ全焼しました。被災者は400人になりそうとか。
一区画が全部燃えてしまったようです。その地区は家屋を不正に建てていたようで、消防車が中に入って消防作業を行いにくい状況だったと言われます。道路が適正に作られていないとか、消防栓がほどんど設置されていないと言う問題もあったのでしょう。しかしそんな大火事になるのを防げないのでしょうか。

3)肉の消費
一人当たりの1年の肉の消費が高いのは先ずアルゼンチンで38キロ。次いでアメリカの26キロ。3位はブラジルで25キロ。チリは20キロと世界5位でした。なんか上に書かれた公定歩合のケースと似たような順位ですね。
4)マプチェ問題 
 いつもと同じようですが、ラ・アラウカニア州は昨年、前年対比で36%も犯罪が増加しました。多くがマプチェ関連でしょうね。もっともそのほかの地区も犯罪は増加で、チリが危ない国になってきたのはテレビのニュースを見ていると感じます。
5)津波
 太平洋の火山が爆発したことで、多くの地域・国に津波の可能性が起きました。チリも津波が来ると判断され海岸地方への接近を禁止しました。警官・海軍が観光客などを海岸地区から遠ざけることを強制しました。もっとも今の段階では大きな被害は出ていません。


以上