チリの風 その980 2022年2月21日ー27日

天気予報が当たって水曜日、サンティアゴは今年初めての雨になりました。
窓から外を見ていると道路が濡れていきます。懐かしい風景でした。
翌日、山歩きをしました。水たまりは無かったですが、道路は湿っていました。この雨で動物や植物で生き延びたのがいるでしょうね。
そして気温が下がり、夕方にセーターを着るようになりました。季節の替わりかな。もっとも土曜日は最高気温が30度まで上がりました。
日曜日は、先ず一人でウォーミングアップをし、9時から仲間とマラソン練習です。ゴール地点で立ち話を楽しんでから、家に戻り、ベランダの椅子に座ってコーヒー・ケーキを楽しみます。そのあと新聞をゆっくり読むのが習慣です。もう10年以上それが続いています。
今週は山登り・丘歩きとマラソンで5日間スポーツを楽しみました。

(政治)

1)ピニェラ動向
3月11日に任期が終わりますが、ピニェラの動きはパッとしません。
今週は南部の湖州(第10州)に行き、本土とその前に位置するチロエ島にかけられている橋の建設を観察しました。その橋は2025年に完成とか。今はフェリーに乗って島に渡りますが、その完成時から車・バスで直接に島に上陸です。
そしてサンティアゴの飛行場の完成式に出席しました。5年かかりましたが、やっと完成。来週から使用が始まります。南米で1番近代化した空港とか。
さて今日2月27日はチリ人にとって忘れられない南部大地震の日です。もう12年前ですが、まだよく思い出します。ピニェラはビオビオ州(第8州)に行って被害者の人たちを励ましました。
しかし彼の今週の行動は、本当に単純な仕事ですね。

さて今週から新旧大臣の面談が始まりました。現行大臣が新大臣に現状を連絡しています。一つだけ問題になったのは大蔵大臣で、新大臣が現行大臣に貧困労働者への援助IFEを3か月継続するとした事について、任期が終わった後のことを発表するのはいかがなものかとしました。ピニェラはこれを受けて、「私は市民のためを思って、年金でも、貧困層援助でもコロナワクチン確保でもやってきた。IFEについて問題があれば、もちろんそれは私の責任だ」としました。
任期の後のことに関与するはルール違反なのに、それを知っていながら目立とうとしたのでしょうか。
今週の市民調査で彼を支持するは21%、支持しないは72%でした。
4年の任期が終わりかけていますが、マスコミに「長い期間のお仕事お疲れさまでした」と言うニュアンスの報道は全くありません。可哀そうですね。
今週のチリのニュースはウクライナ問題が中心でした。ピニェラもボリッチも二人ともロシアの同国侵入は容認できないとしています。そこに53人のチリ人が住んでいて、そのうちの5家族は隣のポーランドに移動したとか。彼らの携帯電話からビデオをとってチリに送ってきています。大変な生活ですね。
チリのテレビ局は異常で、夜のニュースはほとんど全部このニュースです。チリ国内のことも報道されません。夏休みが終わり、この週末、大勢の人が帰郷します。学校も始まりますから、来週から交通渋滞が大問題になるでしょう。
そんなニュースもないなんて・・・それほどロシアに集中する必要があるのかな?
ボリッチが太平洋の孤島からこの週末、首都に戻って来たようですが、ニュースには出ません。

2)新憲法委員会
どんどん進んでいるようですが、国会の2院制度が1院になる可能性があるとか。下院だけで、上院はいらないとされそうですが、上院議員は職を失いますね。議員数が多すぎると言う声に私は賛成しますが、議会を一つにすると言うのはどうでしょう。世界のほとんどの国で2院制をひいているのはちゃんと理由があるからだと思いますが、違うかな?
さて新大蔵大臣のマルセルは税制改正を最重要項目に挙げています。新憲法委員会はどういうかな?

(経済)

1)経済成長率の予想
 現行大蔵大臣セルダは今年度の見通し2.5-3.5%について、おそらく低い方の2.5%が正解になるだろうと低めの成長を示唆しました。世界の情勢は厳しいですからね。原油価格上昇からガソリン価格が上がり、それがすべての物価に影響すると言われています。
2)銅価格と為替
銅価格は1ポンド当たり4.5ドルとほとんど先週と同じ。為替は1ドル807ペソとペソ安に動きました。
この銅価格の高値安定はチリ経済に大きな援助となっていますが、その例として国営銅公社コデルコは2021年161万トンを生産、その売り上げの利益74億ドルの内56億ドルを国庫に納入しました。それは10年ぶりの高い数字で、2020年の2.6倍でした。
昨年のチリからの輸出品目は、1位が銅で531億ドル、2位はサーモンで49億ドル、3位は鉄で24億ドル。4位はワインで15億ドルでした。いかに銅の地位が大きいかが分かります。でもいつまでそれが続くかな?

(一般)

1)コロナ問題
 火曜日、感染者数が1万8千人になった時、この数字は久しぶりの低い数字でこれは第3波の終焉のシンボルと言われましたが、翌日からまた増えています。つまり火曜日はPCR検査数が他の日より少なかっただけです。陽性率は25%ほどで同じ。
つまり陽性率が下がらなければ、コロナがおさまって来ていると言う見方はおかしいですね。
これまでに陽性になったチリ人の数は3百万人を超えています。
今週も150万人分のワクチンがついて、4回目の接種も問題ないとされています。
世界の貧困国でコロナで破綻したところはないようですから、ワクチン・自宅待機などをしなくても自然に集団で免疫ができていくのでしょうか。
2)マプチェ
国会で南部に軍隊を駐屯させる法案を3月11日まで延長しました。そこで新政権はどう対処するのか決定する必要があります。
木材会社の従業員が覆面グループに襲われ、二人が銃殺されました。いつまで続くのかなと言う感じです。
また南部で火事が継続ですが、その大半は放火と言われ、火事で死亡した人が出ました。
さて北部の不法移民問題も継続で、移民希望者は夜の暗闇の中を地元のガイドの後をついて越境しています。
彼らが歩きにくいようにチリ側の土地に機械で溝を掘っています。つまり簡単には通れません。それでも溝のない所を捜し
入ってきます。何かゲームでもやっているようです。もちろん命を懸けてですが。
イースター島のモアイが152年ぶりに島に戻ります。イースター島を自国の領土だとしたチリ政府が海軍の船を島に送り
戻ってくるときに、モアイを盗んだもの。それがまた海軍の船で元の島に戻ります。大英博物館にも同じように盗まれたモアイが飾ってありますが、力があれば何でも好きなことが出来ると言う証拠ですね。盗んだものを堂々と飾るなんて。エジプトから盗んだものもそこに飾られています。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦は4試合が終わりました。人気3チームの成績はコロコロ・カトリカは負けました。チリ大学は先週と同じく4試合目は明日です。先週の試合は負けました。
今日までの所、首位はカトリカ、次いでパレスチーノとニュブレンセ、コロコロは8位です。チリ大学は7位ですが、明日の試合に勝てば首位に躍り出ます。
ワールドカップの南米予選の最後の2試合が3月に行われますが、ほとんど盛り上がっていません。
さて最後のホームの試合、対ウルグアイ戦はカトリカのホームグランドのサン・カルロスで実施されるとか。


以上