チリの風 その874  2020年2月10日―16日

おかしいな、まだ暑い日が続いています。もうそろそろ涼しい日が出てもよさそうですが。マチュピチュ同好会のためのアンデス民謡の練習を仲間と始めました。本番までにバッチリ決めたいです。
今月は10日ほど、ガイドの仕事が入っていますが、その中で一番きついのが今週土曜日にありました。6時に市内でガイドが集合してサン・アントニオ港に。クルーズ船から下船したグループを連れてバルパライソ観光などをしてサンティアゴに戻り市内で夕食の後、空港に着いたのは夜9時でした。つまり15時間も働きました。厳しいです。その船に新型肺炎問題はなかったようです。良かった。80歳のおばあちゃんが元気に観光されていました。
日曜日のマラソン練習ですが3名の仲間は通常に走りましたが、私は過労からお休みでした。もう年やからね。
14日の金曜日はバレンタインの日で、街のあちこちでバラの花が売られ、仕事で事務所に行くとあちこちの机にアイラヴユーと書かれた風船が飾られていました。日本と違ってここでは夫婦間でお祝いする日なのです。私もレストランに行って嫁さんと食事を一緒にしました。
何時ものようにちゃんと仕事とスポーツを楽しんでいます。

(政治)

1) ピニェラ動向
夏休み中の彼は休みを中止してテムコに向かい教育・厚生などに投資をして当地の発展を図りますとコメント。その後、プエルトモンを訪問し空港の拡張のお祝いをしました。何だか休みに入ってから、それ以前より仕事をしているようです???
ボリビア国際法廷にシララ川の問題を訴えましたが、今週、その川はボリビア領土からチリ領土に自然に流れ入っているとし、チリがその川の水の使用をすることを認めました。もちろん前大統領のモラレスとそのグループは政府の発表に怒り狂っています。ピニェラは「ありがとう、よかったね」とコメントしています。
チロエの音楽祭で歌手が壇上で反ピニェラのアジ。聴衆もそれに反応しましたが、ピニェラ応援団グループともめました。
ペンギン運動と呼ばれた学生運動から有名になった左翼議員がアメリカに招待されて演説。10月以降の反政府運動にピニェラは火に油を注ぐ動きをしてしまったと批判しました。チリ国内で左右からいろんなコメントが出ています。
ピニェラは左だけでなく右にも嫌われ、もしくは見放されていますから、任期の最後まで続けるのは不可能ではないでしょうか。事態は今より悪くなるだけでしょう。彼は早かれ遅かれ辞任すると思います。
憲法の是非を問う投票が近づき、テレビでもう少しするとイエス・ノーの両者の宣伝が始まります。
2) 公共事業省の汚職問題
アラウカリア州のテムコにある支局で地元の起業家が同事務所との関係をよくしようとしたとき、最右翼UDI党の議員ハズブンが(選挙に落ちたので元議員)助けてあげるよと接近し、金を要求したもの。
起業家が訴えると元議員はアドバイサーとして収入を得るのは当然だろうとしています。検察の手が入り、その件だけでなく他にも怪しい動きがあるようです。
ピニェラは汚職に関してはあやふやのことはしない・白黒をはっきりするまで追求するとしています。
悲しいことにこの種の怪しい動きはチリでは常態でどこにでもあるようです。

(経済)

1) 銅価格と為替
1ポンド2.6ドルとほぼ変わらず、1ドルは791ペソとペソは弱目で安定です。
2) 公共運送の大赤字
サンティアゴの公共運送トランサンティアゴは2019年8億ドルの赤字を出しました。昨年の反政府運動でシステムが機能せず、利用者が減少したことがその最大原因になっています。破壊されてしまって地下鉄の駅・路線はまだ全部開通していません。
チロエ島にかける橋の建設がもめていましたが、3月から正常化するとか。公共事業省は韓国企業に上乗せ支払いを約束、ただその額は要求されたものではないとか。痛み分けですね。

(一般)

1) 暴動騒ぎ
今週で最悪だったのは北部のアントファガスタで汽車が燃やされたことです。今まで都市バスが何十台も火をつけられていますが、汽車に火がつけられたのはあまりありません。これからこの犯罪もチリ各地で起こるでしょう。
南のアラウカリア州でトラックに放火され運転手がやけどを負いましたが、その近くにパンフレットが置かれそれにはマプチェの領土から出て行けと書かれていました。
2) 山火事
まだ各地で山火事があり、10カ所くらい鎮火しません。山火事が一般家屋に近づくと大変ですね。
3) 新型肺炎
今のところ、チリ国内で患者は出ていませんが、その影響でチリから中国への輸出が落ちてきたことは先週にも書きました。今週は逆に中国からチリに入っていた物資(例えば、おもちゃ、眼鏡、小物類)が止まってしまい商品が底をついたら商売ができないと商店主が苦しんでいます。昨年チリで3番目のシェアーを占めた新車も今年はどれだけ入ってくるか不透明です。
4) 新学期
3月から新学期が始まります。そのため児童の学用品を子供がいるすべての家庭が購入し始めました。
夏休みの後で、3月は経費の増える月ですから、銀行から貸し出し案内が良く入ってきます。つまり多くの家庭で借金が増えるわけですね。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦は首位のカトリカが敵地でコロコロと対戦。
安全第1と敵チームカトリカのファンは入場禁止。所がコロコロファンは暴れまくりました。
後半、0対2で負けていると、一層、ひどくなり、グランドに花火を撃ち込んだらコロコロの選手にあたり、負傷。それで審判は76分で試合を中止。
もうサッカー場に行くのは止めた方が良いですね。
先日、ホームの試合の後、コロコロファンが警察の車に接触して轢き殺された事件がありましたが、ファンは「警官は殺人者」とする横断幕を掲げました。
首位はカトリカですが、チリ大学は勝って2位です。
国際リーグ戦のリバルタドール杯でチリ大学がブラジルでインテルと対戦。1分け1敗で予選落ち。パレスチーノは1勝1敗だが得失点差で本戦に出場決定。
2) テニス
先週、アルゼンチンのATP大会でガリンが優勝。彼は世界ランクで22位まで上がりました。


以上