チリの風 その981 2022年2月28日-3月6日

最高気温が30度とまだ残暑の雰囲気が消えないサンティアゴですが、今日は曇って25度で落ち着きました。また明日から30度に戻るとか。それでも朝晩はかなり涼しくなっています。
血栓症の薬が効いているかどうかチェックする血液検査を受けるため病院に行きました。
3月に入り、夏休みが終わり、仕事・学校
に行く人が一気に増えました。交通量がこの水曜日の場合、先週対比33%アップし交通渋滞が深刻化です。
山歩きはいつもの第1展望台へ。先日のアポキンドの滝コースの3分の1ほどの距離ですが、帰りは小走りでした。自然の中を楽しむと言うよりほとんどトレーニングの気持ちです。
ラソン練習もちゃんと楽しみました。週日は一人で、週末は仲間と走っています。
昨年の今頃、会社員生活をしていました。コロナが終われば、またガイド・通訳の仕事が来るのは間違いないので
そのため心身ともに鍛えておく必要があります。甘いかな?
それでもこれらの毎日の努力は私のボケ防止にはなっているでしょう。

(政治)

1)ピニェラ動向
モネダ宮殿でのコロナ問題が落ち着いてきたと一般市民を招待した集まりで、参加者の若い女性から水をかけられました。かなりの量でした。彼女の祖父がその後、ピニェラに面談して不始末を詫びました。ピニェラは問題を大げさにはしないとしています。水だったので濡れただけですが、それが毒性のものならかなりの大事故になったのは間違いなく、彼の周りを警護する部隊が機能していなかったのですね。
そして今週から新学年が始まったので、ピニェラは公立学校を訪問して、授業の開始を祝いました。
任期終了まであと1週間になった彼ですが、新聞の論文で、政治・経済・一般の3分野で彼は大きな間違いをしたとされました。民政化が始まって30年間、チリは安全・正常を保っていましたが、2019年10月の社会騒乱ですべてが壊れました。ピニェラはそれを防ぐ・抑える力を持っていませんでした。また中道右派は政界で大きな勢力を持っていました。その例として2016年に右翼の市長・区長は45%でしたが、現在は22%です。右翼政党の破綻・分裂は顕著です。経済に関しても2021年、近来にないひどいインフレが起きましたが、今年はそれを上回るかもしれないとか。コントロールが出来ていません。
こうして史上最低の大統領としてピニェラは歴任に名前を残しそうです。
また、陸軍長官事件です。長官は近日中に退職することになっていましたが、公金不正使用で裁判にかかることになったので陸軍に迷惑をかけないため、今週辞任しました。そのお別れ式典に政府からは誰も参加しませんでした。彼は政府から見捨てられたと思ったらしいですが、裁判にかかる様な不正をした人間を援助するわけはないですね。そんな人間を長官に選んだ政府の責任ははっきりしています。彼が有罪になって刑務所に入るのを待ちたいです。
2)ボリッチ動向
 太平洋の孤島から戻ってきて、来週に始まる彼の就任式について準備を始めました。
 新内務大臣になるシチェスは現行の南部の特別区令を継続する可能性はあるとコメント。以前はマプチェと会話を始め法令による拘束はしないとしていたのですが、現実はそう甘くはないようです。
 今週も、南部地区で覆面部隊が放火事件をあちこちで起こしています。
3)新憲法委員会
毎日、ニュースになりますが、一体どうなるのか良く分かりません。銅・リチウムなどの鉱山を国有化する方針が出ています。司法界の改正で裁判官の雇用システムを変えるとなれば、現職の裁判官が職を失う可能性もあるとか。裁判官が不快感を表明することになるでしょうね。また一般市民と先住民の裁判システムを並行して実施するとなれば、マプチェで麻薬で逮捕された犯人は、一般裁判所でなく先住民裁判所に行くことになりますが、そんな必要があるのかな?
上院議長のDC党員が、この新憲法が出来上がれば、私は反対に票を投じることになりそうだとコメント。
時間と金をかけて無駄な仕事をしたと言う結論が待っているのかな?

(経済)

1)政府機関イマセック
チリの経済成長に関し1月は予想されたより低い数字だったと発表。昨年後半の盛り上がった雰囲気が停滞してきたのは数字に出ていますね。
2)銅価格と為替
銅の価格は歴史上最高値に近づき、ウクライナ問題が続けば、さらに上がると言われています。
1ポンド4.74ドルで為替は1ドル801ペソでした。
3)リチウム
 リチウムの価格も上がっていますが、チリのリチウム鉱山会社のソキミチSQMは大きな利益を出しています。
 2020年に1.6億ドルだった利益が2021年に5.9億ドルになりました。チリのその会社に中国が資本を入れています。

(一般)

1)コロナ問題
 2月のコロナによる死亡者数は2632人で21年6月以来の悪い数字。今週は連日陽性率20%台、2万人程度の新規患者が出ています。そうした悪い状況にもかかわらず、首都圏はレベル4に引き上げられました。つまり、行動の自由が認められ、集会などの規制も殆どありません。昨年は自宅待機になっていたのに、今年は政策が大きく異なります。このまま落ち着いていくのかな?
教員組合などが授業の開始は教師・生徒の安全に大問題になるとクレームしていましたが、通常授業が始まっています。

2)移民問題
 首都圏のあちこちの道路・広場にテントが張られ、そこで生活する人が増加の一途です。中にはチリ人もいますが、大半は移民で、仕事がなく生き延びるには路上生活しかないわけです。
政府・各区が彼らに援助の手を差し出すと言うのはまだありません。
3)山火事
首都圏から隣州のバルパライソに行く道路の森林で火災が発生し交通が一時ストップしました。
4)安全度
国際機関の発表ですが、世界の国の中でテロリスト活動などから安全が保てない国のリストで、チリはなんと世界18位になりました。ラテンアメリカの中ではコロンビア(14位)に次いで2番目にひどい国になっています。
昨年は362回のテロ活動が記録されているとか。ほとんど毎日ですね。昨年は47位でしたから急激に悪化しています。
極左グループの他に合計8つのグループが関係しています。
今日も覆面部隊の放火事件が起き、数台の重機が全焼。それはマプチェのグループの犯罪だと確認されています。
新政権はこの事態をどう軽減していくか、注目されますね。
5)ロシア・ウクライナ問題
先週と同じく、今週も毎日テレビのニュースはこの話題ばかりです。ロシアが何をしたいのか、どこまで続けたいのかよく理解できませんが、サンティアゴロシア大使館の前でウクライナ応援のグループが抗議行動をしました。
150万人以上の人が外国に出たそうですが、その人たちのこれからの生活は大変ですね。その中のチリ人は一部が来週チリに帰国するとか。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の話題は人気2チーム、コロコロとチリ大学の試合です。予想の通り、毎年同じ結果ですが、今年もコロコロがチリ大学に勝ちました。しかし首位のカトリカが負けて大混乱になりました。
5試合目が終わった段階で1位はニュブレンセ、2位はコブレサル、3位はパレスチノです。
カトリカは4位、コロコロは5位、チリ大学は11位でした。
つまり人気の大チームが振るわず、地方の小チームが勝っているわけです。
2)テニス
 デービスカップが始まり、チリはスロバキアと対戦しました。ワールドリーグ1で、ビーニャのテニス場です。
チリはこれに勝利をおさめ、次の9月の試合まで国際レベルをキープです。
 思い出します。2004年にこのデービスカップ戦で、日本はチリと、今回と同じビーニャのテニス場で対戦し、何と0対5で全敗しました。
私は日本応援にそこまで行きました。その時、日本選手が集まった日本人の応援団に、少しテニス・レッスンをしてくれました。


以上