チリの風 その934 2021年4月5日ー11日

秋晴れの日が続くサンティアゴです。外出禁止が続くので外には出られませんが、買い物には週に2回、2時間外に出られますから、食料品に困ることはありません。
さて木曜日、第2回目のファイザーワクチンの接種をしました。友だちと一緒に区役所の中高年の人のために作られた屋内プールもある保養所に。そこが今回の接種の場所でした。
9時に開始とのことで、ちゃんと予約を入れ8時半ころに着くと、私たちの前に30人ほどの人がいました。
9時15分に注射が終わり、その後、水を飲みながら30分の接種者の様子を見る待機時間を我慢してから外に出ました。これで2週間後にはコロナに感染することはほとんどないでしょう。ほっと一安心。全部無料でした。
4月は今年1回目の家屋税を支払う月です。外に出られないのでネットを使って手続きをしました。国税局のシステムで自分の資産を全部あつめ、それを自分の銀行の口座番号に入れると、支払いが完了しました。
週末はスポーツ、いつもの通り。日曜日のマラソン練習は一人で10キロを走りました。
それから近所で拾った栗を使って栗ご飯を作りました。おいしかったです。

(政治)

1)ピニェラ動向
ピニェラの申請どうり今週末の予定だった選挙は5月に延期になりました。
サルディバル労働大臣が離任しその交替にメレロが就任。
所属政党はサルディバルがRN党、メレロがUDI党と違うので、RN党としてはどうして自党から後任を選んでくれなかったのかとピニェラにクレームしています。
金曜日にWHOの首脳とテレビ面談。協力してコロナ問題に当たろうと合意したらしい。

ところでフォーブスの今年の世界富豪ランキングでピニェラはチリで4位になっています。29億ドルの財産を所有とか。チリの1位(世界で74位)はルクシック一家で233億ドル。彼らは鉱山や銀行など多くの資本を抱えています。
2)各党の党員数
選挙管理委員会から、党員として登録されている人にコンタクトを取り、その確認できた人を最終党員として登録するように指示が出ました。その結果、各党は大幅に党員数を減らし半分以下になったのがほとんど。
そして党員数の多い順で
 1共産党 4万7299人
 2社会党 4万3895人
 3UDI  4万1301人 最右翼党
 4PPD  3万2898人 社会党から分離した左翼
 5キリスト教民主党DC 3万2237人
 
 チリが民政化してから最初の4代大統領は左翼中道連合でした。上のリストの2,4と5の党が中心。その中には新左翼共産党も入っていませんでした。今回の大統領選挙の野党側の有力候補者は共産党新左翼です。つまり中道左翼の中心だった社会党、PPDそしてDCは国民の目を奪うほどさえた人間がいないという証拠です。時間がたてばそれまでの勢いが薄れるわけですね。

 議会の動き
 第3回目の厚生年金引きおろしに関し、国会では引きおろし賛成議員が過半数を占めそうなので、早かれ遅かれ実施されそうとか。しかし各自の年金には手を付けず、政府の失業保険を利用して、もしくは拡大解釈をして市民に援助を与えるというのが歩くべき道と思いますが、私の考えは少数派ですね。それは失業保険で正規では支払えないような条件の人にも何とか助けを出せないのかと言うわけです。
 貧困層への10万ペソ援助は今月中に実行されそうです。

(経済)

1)IMF
  今年のチリの成長率は6.2%だろうと前回の予想の6%を少し上げました???何でかな。
  一人当たりのGDPはチリは25000ドルになり、2位のウルグアイ、3位のアルゼンチンを抜いて南米では首位。
  ラテンアメリカでもパナマについて2位。毎週・毎月のチリの様子を見ていると悪化の道を歩いているとしか思えませんが、IMFの眼にはそれほどひどくはなく、逆にほかの国はもっとひどいということが分かります。
2)銅価格と為替
  1ポンド4.08ドルと好調。為替は1ドル708ペソとペソ高です。中国経済は堅調ですね。
  おかげで銅価格が高値安定、チリの経済危機を助けています。
3)物価上昇率IPC
  3月のIPCは0.4%。過去12か月では2.9%と正常に推移しています。
4) 外国投資
  ファラベラは南米各地に店舗を出していますが、アルゼンチンの場合はこれ以上良くなる可能性はないとして最後の店も閉めました。上に書いたようにチリの状態は酷いけど、ほかの国はもっとひどいということでしょうね。
5)新車の販売
  今年の1-3月の新車の販売で1位は中国MG社のZSと言う車でした。しかし何と1位から6位まですべての車が中国かインドで生産されています。
  頭の古い私は中国製と言うと値段は安いが品質に問題があると考えますが、中国は車の生産も販売も世界で1位と言うのははっきりしていますから、中国製がチリで1位と言うのも当然ですね。
  しかし日本、アメリカ、韓国はどうなったのかな?

(一般)

1)コロナ問題
緊急事態です。新規感染者数が木曜日9171人まで上昇。その日の死亡者数は129人でした。少し前に1万人になるだろうという予想が出ましたが、その通りの筋書きですね。
  感染率に関しても月曜日13.9%まで上昇、それが火曜日15.4%まで上がりました。それは昨年7月12日以降で最悪の数字です。
  ところで緊急病室に入院している患者の中で39歳以下が、70歳以上を抑えてトップになりました。
  やっぱりワクチンの効果が出てきています。
  今まで約7百万人が接種し、そのうち4百万人は2回接種です。今週も多くのワクチンが到着し、ワクチンの数に関しては不足していないと言われています。
  つまり政府の期待は国民にワクチンがいきわたる段階で感染率が大幅に減少すると言うことです。それが今年の5,6月に来るだろうという望み。
  政府だけでなく、国民の誰もが願うこと。
ただここに来て中国製のワクチンシノバックの有効性が問題になっています。
  中国保健省は「誤った報道が続いている。世界のワクチンは有効性について差があるのは当然だ。私たちも必要ならシノバックの有効精度を上げる努力はとるつもりだ」とコメントしています。
  良かった、私はファイザー製のワクチンを接種したから。
  秘密パーティが毎日問題になっています。サンティアゴだけでなく例えば南米最南端のプンタ・アレナスでもこの土曜日に多くの逮捕者が出ました。ですが、問題はそれだけではありません。
  今週は1)警察署内で警官の誕生パーティがあったのがテレビのニュース番組に出ました。マスクをしないで20人近くが集まり、ケーキの上に立てたろうそくを消しています。普通なら自然ですが、今はそれが禁じられているわけで、その警察のトップは警官をどのように処分するか頭を痛めています。
  同じように2)サッカーの人気チームチリ大学の監督は選手を自宅に呼びました。戦略会議ですか?しかし5名以上の集まりは禁止されているので警察の手が入り、噂ではその監督は処分されるだろうとか。
  3)キリスト教カトリックでない新教徒のグループが集会を開き、そこへ警察が来て全員逮捕。リーダーの神父は拘留されました。
  上の例の通り、一部の若者グループの秘密パーティだけでなく、どこでも誰でも間違いを犯すことがあることが証明されていますね。

(スポーツ)

1)サッカー
  1部リーグ戦の第3戦が行われました。注目の3チームの結果はカトリカは負けて首位を奪われました。チリ大学は引き分け、コロコロはリーグ戦の首位は xxになりました。
  FIFAの発表でチリは2つ下がって世界ランキングは19位。昔、一桁だった時代もありますね。
  それから東京オリンピック女子サッカー最終予選がありました。トルコで行われたチリ対カメルーン。その1試合目はチリが2対1で勝ちました。次の火曜日に第2戦があり、そこで出場が決定とか。ただチリが勝ち上がってもオリンピックが中止になれば、喜びは半減どころか無くなりますね。


以上