チリの風  その933  2021年3月29日―4月4日

紅葉が進んでいます。道端に落ち葉が沢山です。私の好きな街路樹のリキダンバルも色づいています。秋の真っただ中という
雰囲気です。
4月になりましたね。いつもこの時期にサンティアゴラソンがあるのですが、昨年も今年もコロナ問題で中止です。それでも朝早く、多くのマラソンランナーが練習をしています。この週末、3連休だったので3日間スポーツを楽しみました。日曜日のマラソン練習は仲間は来れなかったけど、私は一人で10キロを走りました。
さてこの週末はイースターでした。テレビの番組は通常なら朝からずっと教会のミサとかキリスト教の話が続きますが、今年はそれはなし。ただキリスト関連の映画、例えばモーセ十戒とかは放映されました。バチカンは苦しんでいるでしょうね。キリストよりコロナの方が上なのかと感じて。

(政治)

1)ピニェラ動向
 3月の世論調査でピニェラを支持するは12%、支持しないは77%と最低のレベル。コロナ問題をコントロールできていないというわけでしょうね。
 大統領候補者の人気は最右翼のラビンが14%、新左翼ヒレが13%、共産党のハヅエが8%と続いています。私はその3人には投票する気はないです。
2)議会の動き
 来週の投票が5月に延期になるかまだ確認されていません。下院は議決したのですが、上院がまだで、今日の日曜日の議会で討論でしたが、結審せず、明日に延期とか。そんな急に変更できるの?出来なかったらどうなるの?
 さて大統領候補の新左翼ヒレは各自が積み立てた厚生年金を引き出す案を推すグループのリーダーで現在その3回目の引き出しを図っています。政府としては自分の懐は痛まないので勝手にやってくださいと後ろで笑っているでしょうが、各自が10、20年後に年金生活者になる時にもらえるお金が大きく下がるのは自明で、そういう自殺行為をどうして国会議員が応援・援護するのかな。

(経済)

1)チリの経済成長率予想
  今週発表された世銀の数字では2021年のチリのGDPは5.5%の上昇とか。先日のIMF推定は6%でしたからほぼ同じですね。コロナ問題がなければ、そこまで行くだろうと読むのは私でもできるけど、現実のチリを見るとプラスになるどころか昨年と同じマイナス成長ではないかと思いますが、どうかな。
2)銅価格と為替
 1ポンド3.98ドル、為替は1ドル732ペソとあまり大きな変動はありません。

(一般)

1)コロナ問題
 また新記録。木曜日、新規患者数が8112人と8000人を突破。金曜日も8千人を超えました。少し前の予想では1万人までいくと言われていた通りです。今まで全部で101万人が感染し、94万人は回復、死亡が23000人、現在の病人は45000人とか。緊急病棟で人工呼吸をしている人はいつあの世に行くかわかりませんね。病気感染者数が増えたことから、完全自宅待機になった人の数が増え、現在はチリ全国で87%の人が月曜日から日曜日まで外に出られません。
 ピニェラの人気が落ちたとさっき書きましたが、厚生大臣のパリスも役に立たないから辞めさせようという声が出ています。彼は自分から辞任するつもりはないとキッパリ拒否。
 人が集まるのは避けようというのに、秘密パーティをやって捕まるグループが後を絶たず、イースターの日は肉を食べず魚を食べるのが習慣なので魚市場に長蛇の列。一度くらい魚がなくても野菜中心の菜食主義でいけないのかと言う声も出ています。強制自宅待機令が出ているわけで、その魚市場で列を作っている人たちは特別外出許可を取っているのか、無視して外に出ているかのどちらかです。
昨年にもありましたが、サンティアゴの空港が明日から閉鎖されます。チリ人もチリ在住の外人も出国できません。ただ例外はあるとかで、例えば私のケースではバケーションでは出国できませんが、チリに住むのを止めて日本に戻るとすれば出国できるとか。もっともそんな少数の人のために飛行機の便が用意されるわけはなくラタム航空はほとんどの外国便は飛ばさないらしい。キャンセル続出ですね。それで日曜日の朝、空港に多くの旅行者が集まりました。予約を入れていた便がキャンセルになる前に飛んでしまおうというわけですね。それから日曜日に着いた乗客が怒っていましたが、「通常なら1.2時間で入国手続きが終わるのに今日は5時間以上待たされた。それは係員がコロナ関連でいろんな質問・チェックをするのだが、わずか3名で、何百人も着いた各航空会社の乗客を扱うには少なすぎる。その場所に長い列、人混みが出来たが、それはコロナ問題対策としては最悪だろう、そんなこともわからないのか」と言うわけです。
それはほかの所にも影響します。サンティアゴ空港を運営する民間の会社が、多大の投資をして新空港を作り、その投資を取り戻す段階で使用者が減少すれば・・・私たちは破産の道を歩いていると嘆いています。
さてワクチン接種は順調に進んでいます。既に約7百万人が接種しています。新しいワクチンが来月に180万人分着くらしい。着荷中のものを入れるとすでに1000万人分のワクチンを入手とか。もう中高年の人は終わって50代の人がワクチン接種をしています。
ところで、面白い数字が出ています。最初の頃はチリで死亡するのは中高年がほとんどでした。それが最近は逆転し、中高年より壮年・青年層が死亡しています。その背景は中高年はワクチンをうっているのに壮年層はまだと言うことがあるようです。つまりチリの例ではワクチンは有効だということになるわけです。
来週からコロナとは別にインフルエンザの予防注射が用意されているとか。
 話題は変わりますが、コロナ問題で赤ちゃんの数が大幅減少と言われます。今年の1,2月の出生者数は過去10年で最小でした。それってコロナに関連するの?
病院が正常に運営されていないので、コロナ以外の病人は放置され、手術が必要な人がもう1年も延期させられていると涙声。手術があれば、正常な生活に戻れるのに、その手術が延々と延期になり、もうこの先どうなるのか自分でもわからないとか。いろんなことがありますね。

2)マプチェ問題
毎回同じようなことですが、先週、南部に出かけたTVN局のアナウンサーとカメラマンが乗った車がマプチェに襲われ、その発砲された弾丸の一発がカメラマンの眼に当たり、彼は失明しました。その攻撃の詳細は知りませんが、テレビ局の車を襲うと一般の人はそれを認めるわけはなく、反マプチェになるでしょう。それをわかっていて襲い掛かるというのは、もう宣戦布告と似たようなもので、ここは自分たちの領土だ、よそ者のお前たちが入るのは許さないというのでしょうか。同じマプチェの人たちはそういった犯罪行為をどう考えているのでしょうか。あまり表には出ませんが、彼らの中でもそういう行為に反対するグループがいると思うのですが。どうかな?
いつも言っているようにチリ人はほとんど移民(とその子孫)で原住民の人は10%もいません。
その問題になっているチリの南部は200年前にチリが独立した時はチリ領土ではなかったのですね。その後、チリ人がそこに侵入してマプチェの土地を取り上げたのですが。
3)青年闘志の日
  この29日は青年闘志の日でした。軍事政権下、反政府運動をしていた青年が軍隊に殺されたのを忘れないために、デモ隊が街頭で警察軍と戦うわけです。通りかかったバスが数台放火され延焼。多くの逮捕者を出しました。
4)冬時間の開始
 夏時間が終わり、この日曜日から1時間早くなりました。今まで朝は7時半にやっと日が出始めましたが、今日から6時半です、もちろんその分、夕方は1時間早く暗くなりますが。

(スポーツ)

1)サッカー 
観衆のいないサッカー場の試合は全然盛り上がりませんね。今シーズンも観客ゼロです。
人気の3チームの結果はカトリカは勝ち、チリ大学は引き分け、コロコロは勝利でした。
2試合終わった段階で2連勝のカトリカが首位です。


以上