チリの風  その949  2021年7月19日―25日

異常気象かな?火曜日の気温のことです。その日のサンティアゴの最低気温はマイナス1度。これは普通ですが、最高気温が29度。真冬に真夏の気温?
もっとも週末は落ち着いて、土曜日は朝に霧雨が降って気温は最高10度と全く上がりませんでした。日曜日も夕方、大粒の雨が降りました。
さてコロナ問題が落ち着いてきて首都圏は車が道にあふれ、繁華街には歩行者が一杯と正常生活に戻っています。
今週の山歩きは、仲間と石碑の上の鷹の峠まで登りました。滑りやすい登り道でしたが
転倒は無し。良かった。自然の中にいる気持ちの良さを味わいました。
ラソン練習も何回か。そして日曜日、随分久しぶりに仲間と3名で走りました。
嫁さんが頑張って、火曜日は友人を招待して昼食会。土曜日は家族全員で食事をしました。
こうして毎日、人生を楽しんでいます。幸せです。
私は日本で生まれて育った普通の日本人ですが、今はチリで幸せな毎日を送っています。住めば都と言うのでしょうね。

(政治)

1)ピニェラ動向
  ほとんどニュースになりません。何をしているのかな、何もしていないのかな?
2)新憲法委員会
 素人の私には良く分かりませんが、会議の内容を確定する審議が続いています。ただ右翼議員が委員会の議長のマプチェ女性を批判(非難)しましたが、それは誤った方向に連れて行こうとリードしているとか。もちろん一人の意見で委員会は決まりませんが、155人が同意するのは難しいと言うのは良く分かります。
3)大統領選挙
 これが一番動きがありましたね。
 先の予備選挙で右翼と左翼が一人づつ候補者を決定しましたが、野党側のキリスト教民主党DCと社会党の候補者はそれに参加しませんでした。今週になってDC党員で上院議長をしているプロボステが立候補を決意しました。社会党候補者ナルバエスと本選挙の前に内部調整をするようですが、ほかの候補者を入れて投票をする見込みです。
 DCは久しぶりに大統領を出す可能性がでたわけです。チリが民主化して から初代・2代目の大統領はDCからでました。
 しかしここで内部投票をするのなら、先の予備選挙の意味が分かりません。
 右翼と左翼が独自にやるべきで、政府が関連する必要はありません???違うかな?
 それには右翼も左翼も同じ責任がありますね。

 さてそのプロボステは昔、バチェレット政権で教育大臣をしましたが、汚職問題で解雇されています。何とか復帰して議員になりましたが、大統領選挙が近づくと、その内またその問題が調べられ、怪しいことが暴露されるでしょう。
 しかし野党側が、こうしてDCか社会党新左翼と分離して立候補すると与党側のシシェルは有利な立場になりますね。少なくとも1次選挙の時は。そこで過半数を取れば決選投票はありませんが、どの候補者もそこまで人気はないでしょう。
 新聞に旧与党(現野党)の中心3政党(DC党,社会党、そこから分かれたPPD党)が持っていたパワーはどこにいったのか、チリの政権を何代も継続した実力は何故消えたのかとする文章が掲載されましたが、古い政治家が権力を握り、組織が老朽化していくのを防げなかったのではとされています。若手の台頭がなかったわけですね。私の様に古い考えでは若手の出現を拒否する傾向もありますが。それが従来の政党を傾けたわけでしょうね。
 今年の投票では左翼系が60%、右翼系が40%と言う感じですが、面白いのは30代以前は左翼が70%、70歳以上は右翼が80%となっています。

 先の予備選挙で敗れた一番右のUDI党と左の共産党は党内でその分析をして責任をはっきりさせるでしょうが、共産党とすれば新左翼を応援する形でその組織に入り、実質的に乗っ取るという作戦を立てるでしょうね。
 

(経済)

1)外国投資
 今年度上半期の外国からの投資は240億ドルで前年対比28%のアップになっています。
 その内訳で、1位は中国、ついでアメリカ、カナダです。日本は5位。
 種類別ではエネルギー関連、鉱山関係が上位を占めています。
 中国からの投資は昨年度も首位でしたから、チリと中国の関係が非常に緊密と言うのが確認されました。チリの命綱の銅の輸出は半分近くが中国。そのほかサーモンや果物も中国向けが大きなポジションを占めています。
 コロナのワクチンでも中国製が圧倒的に多いこともその証拠ですね。
 右翼のピニェラ政権はキューバやべネスエラを批判しますが、中国と緊密な連携を維持しているのは、私の知らない何か秘密の理由があるのでしょう。もちろん中国はチリへの投資を自国に有利と判断しているわけですが、もちろん南米の基地としてチリを利用することも考察しているのは確かです。
2)建設業界
 順調に建設工事が進み、従業員の不足が鮮明になったとか。給料も上がるらしい。チリ経済正常化の一つの証拠ですね

(一般)

1)コロナ問題
  落ち着いてきました。全日自宅待機のレベル1は全国でわずか1%になりました。
  もうほとんどゼロですね。
  感染者数も一日1000人前後、陽性率も2%台と、少し前の緊張は大きく緩みました。
  今日発表された昨日の数字は感染者1407人、陽性率2.2%でした。
  今週、ワクチンのストックが足りないと接種所が閉まった日がありました。区長が政府の責任だとクレームしましたが、厚生大臣は足りなかったのはファイザーのワクチンだけで、それ以外のワクチンはたっぷりある。従って接種所を閉めたのは大きなエラーだと逆に噛みつきました。来週、そのファイザー製ワクチンが100万人分着くらしい。
  それから6つ目のブランドになりますが、ロシア製のスプトニックがチリの委員会で承認され、将来チリで使用されるとか。隣国アルゼンチンはそのワクチンは約束した量の納入がされず混乱を起こしているとクレームしているのですが、ここに来て何故チリ政府はそのロシア製も入手しようとしているのでしょうか。
  現在チリでは10代前半の子供が接種の対象になっていますが、次は3歳以上の年少児にワクチンをする可能性があるとか。
  中国ワクチンのシノバックをチリ北部のアントファガスタで生産する計画がありますが、中国企業幹部が今週チリの厚生大臣の同行を得て、現地視察をしました。確かに中国・チリの信頼関係はすごいですね。

  先週、話が出た国境閉鎖の件ですが、チリ人(チリ在住の外人も含む)の出国が認められます。移動パスがあれば、出国は可能になるとか。もっとも帰国すれば10日間の待機(ホテルとか自宅で)が要求されますが。
  現在、国境閉鎖になっているわけですが、この期間に出国したのは6.2万人とか。そのうち3分の1は外国に居住するチリ人でした。
2)マプチェ問題
  アラウカニア州のビクトリアで商店に数人の泥棒が入り、商品を奪おうとしました。
  警報に警官がすぐに反応してそこに来たので犯人グループと銃撃になり、警官が二人負傷しました。逮捕された犯人の大半はマプチェでした。彼らは前科を持っていました。
  今年の1-6月の数字ですが、マプチェ関連の犯罪は866件。前年対比94%アップとか。
  冗談でしょうが、その犯人は政治犯で新憲法委員会で釈放を要求するのではないかと言われました。
  この週末、3カ所の車両倉庫が襲われ、トラック、重機が数台全焼になりました。また近くの地区で警官が襲われ負傷。
  毎週同じような事故が継続していますが、政府は手を打てません。

(スポーツ)

1)サッカー
  国内リーグ戦は今日までで11か12試合を経過していますが、上から見ると1位はカトリカ、ついでアウダックス、3位はラ・カレラでした。人気のチリ大学は6位、コロコロは7位。


  東京オリンピックはチリからかなりの選手が参加していますが、派手な活躍はなく、1次予選敗退と言うのが普通ですね。女子サッカーも2連敗と厳しい状況です。
  チリのテレビで男子のトライアスロンを最初から全部見ました。水泳が終わった段階でチリ代表のモヤはなんと2位。メダルですよ。しかし自転車で落ち始め下位に。マラソンを終えてゴールした時は30位でした。しかし体力のいるスポーツですね。私はマラソンはフルを何度も走りましたが、トライアスロンに挑戦する気にはなりませんでした。


以上