チリの風  その935  2021年4月12日-18日


一日、最高気温が30度になった日がありましたが、それ以外は25度くらいの秋晴れの日でした。ただ週末は霧が出たりしました。
久しぶりに近くの丘のぼりをしたら、街がくっきり見えました。雨は降っていないのに。と言うことは大気汚染をする産業活動が停滞していると言うことですね。うれしいことか悲しいことか。
最近雨は全く降りませんが、来週は一日雨の日があるとか。天気予報当たるかな?
日曜日のマラソン練習は今週も一人で10キロを走りました。戻ってきて服を着かえ、ベランダに座ってコーヒーを飲みながら新聞を読む。これが幸せです。
私は70代の半分まで来て、毎日、こうしていろいろ動いて、人生を楽しんでいます。ありがとう。感謝です。

(政治)

1)ピニェラ動向
  北部に行って太陽光発電施設の建設現場を見ました。なんでも1.8億㌦の投資をして170Mワットの発電をするとか。それで15万家庭の電気を供給できるらしい。大気汚染をしないためですとピニェラはにっこり笑って説明しました。
  それから移民法を改正したいとしました。移民には権利と義務がある。その両方を政府が責任をもって見守るとしています。近年、不法に国境を越えて入国する移民が増加していますから、その人たちをどうするか単純にビザを出すのか、出さないのか、人によっては強制送還もありうるとするのでしょうね。
子供だけの移民が最近34名記録されています。15,16歳ですが、子供だけで歩いているところを保護され、イキケの青少年収容所に入っています。大人でも歩くのが困難なところを未成年が一人で歩くのは危険ですね。親はどういうつもりで子供を手放すのかな?

この話が出ると、不法に移民してきた人がもしかしたら正常化が出来るかと考え、中央街の移民事務所になんと600人も列を作ったとか。そんなに多くの人にアテンドできるはずがないですから、ほとんどの人は一日無駄にしたのでしょうね。
私も移民の一人ですから、5年に一度、身分証明書を更新する必要があります。来年それが来るのですが、今のような状況なら、列を作ってどれだけ待たされるか、心配です。老人優先権はないのかな

2)国会
 第3回厚生年金の引き出し、もう今までと同じで、野党だけでなく与党の議員も賛成票を投じる議員が増えています。引き出したいと考える民衆のそばにいると次の選挙で勝てるという読みでしょうね。下院を通過して次は上院です。
IMFがこの引き出しには賛成しかねるとコメントしていますが、自分がもらえる年金が減少するわけで、政府はほかの援助を行うべきですね。
政府は憲法裁判所にこの案件を持ち出せば、もちろん結論が出るまで多くの時間がかかりますから、事態は動きません。するとなんと、それなら第4回目引き出し案を国会に出すぞと脅す議員が出ました。それでは「全部引き出してください。その代り年金はゼロです」になりそうです。そんな議員は次の選挙で落選してほしいもの。

貧困層だけでなく中堅階級向け援助も進んでいるようです。ネットで申請手続きができるようになりました。今日120万人が申請したとか。すごい数ですね。

(経済)

1)銅価格と為替
 なんと1ポンド4.23ドルまで急上昇。今年の中国の経済成長率は異常に高いようですね。第1四半期は18.3%もアップしたそうですが、
 話半分としても世界のトップですね。一人勝ち。
 そのおかげで銅価格もぐんぐん上がっています。チリの援護をしてくれてありがとうですね。
 それが為替に影響して1ドル702ペソまで来ました。来週は600ペソ台まで落ちるかな。

 昨年は中国はチリから5万頭の牛を輸入しました。生きたままの牛ですよ。それが今年、もう1社が同じ数の契約をしたとかで合計すれば
 どれだけ膨れ上がるか、分からないとか。業界はそれがチリ市場にどう影響するか考えています。
 チリから牛がいなくなる?牛肉の価格が2倍になる?
 
 ところでガソリン価格が毎週上がっています。原油の価格は3月から今月にかけて下がっているようなのですが、何故ガソリン価格は上がる
 のかな、日本でもガソリン価格は下がっていないようですね。

(一般)

1)コロナ問題
 新規感染者数が9000名まで行きましたが、今は7000名のレベルです。と言うことはピークは過ぎたのでしょうか。
 外国の報道で、チリは接種数が世界のトップなのに病気が収まらないとし、政府の施策が批判されています。もう市民の3分の1以上が
 2回の接種を受けていますから、病気が収まってくるはずなのですが。
 中国製のワクチンの効率が悪いという声も出て、2回のワクチンで効き目がなければ3回打てばどうかとも言われています。
 今週のそのワクチンのチリでの効果の結果が種々の項目に関して発表されました。死亡に関しては80%の効率があるとされました。
 つまり中国ワクチンを接種していれば100人の死者が20人に減少していただろうとのこと。
 今までの所、チリでは中国製ワクチンが90%、ファイザーが10%ほど接種されたとか。
 今週50万人分、しばらくして400万人分のワクチンが到着するとか。ワクチン不足はないですね。

 首都圏は全面自宅待機ですが、テレビのニュースを見ていると中心街を歩いている人はまだ多くいます。と言うことは特別許可をもらう人が
 多いのか、全くそれを無視して勝手に歩いているかのどちらかでしょう。
 許可なく外に出て警察に見つかると捕まりますが、罰金を払わされます。もう何万人もつかまっているそうですが、その罰金を払った人は?
 それがニュースになりました。以前、ピニェラがマスクしないで外を歩き、そこを歩いていた人と記念写真を撮ったのがバレて、彼は罰金を
 払いました。
 さて罰金を払った市民の数は・・・・私は3分の1くらいかと思いましたが、全く違って、今まで払った人はたった1%でした。残りの99%は払って
 いません。だから誰も規則を守らないのかな?
 毎日のように秘密パーティが摘発されていますが、今週の話題は研究所のパーティ。そこはPCR検査をするところで、その検査が始まって
 1年たったのでその記念に、ピザを買い、アルコールを買って騒いでいたらしい。そこに警察が入って全員、逮捕。しかし来週に彼らが
 戻ってこれなかっらPCR検査はどうなるの?急に新規患者の数が減少し、政府は喜んだら、検査の数が半分になっていたと言うのでは
 お笑いですね。

 もう病院の緊急ベッドはほぼ満席で空いたベッドはほとんどありません。しかし医師・看護師の人の努力・尽力は素晴らしいですね。もう
 限界を超えているでしょうが、もう少し頑張ってください。
2)マプチェ問題
 毎週同じようですが、今週は極端でした。
 放火事件が連続的に起こっています。家屋、学校・幼稚園、警察署、そしてガソリンスタンドでトラック数台に火がつけられました。。
 現地の警察は全く抑えることはできないようです。コロンビアの左翼ゲリラの様に一部の地区が彼らの支配下にはいる可能性もあるのかな?
 そうした放火事件のほかに、大きな農園を占拠しました。マプチェが横断幕を前に記念写真を撮りましたが、その旗にはやっとここを自分
 たちの手に取り戻したと書かれていました。
 いつも言うように、それは本当ですね。200年ほど前にチリ人がそこに入って強奪したのですね。
 さぁこれがどうなるのか、コロンビアの悪い例を再現したくはないです。
3)日本の話題
 チリのマスコミに日本関連の3項目が報道されました。
 まず福島原発の汚染水を海に流す件です。日本を批判した中国・韓国に対し、日本側から「君たちも汚染水を海に流しているのに日本を
 批判するとは何事か」と言ったようですが、日本・中国・韓国の3国の間でそんな馬鹿な論議をするのは悲しいです。それでは原発のない
 国(世界の大多数の国でしょうが)がクレームしたらなんと反応するのですか。それから今まで10年間も金をかけてタンクを作り、汚染水を
 ためていたのは理由があるのでしょう。その汚染水は飲めるほどだと政府高官が言っていますが、それでは何故10年前に同じことを言わ
 なかったのと言われそう。福島ではなくその汚染水を東京湾に流すと言えば世界の人は驚くかな?都民が怒り狂うでしょうね。福島なら
 良いけど東京はダメだとして。
 日本は世界の前でみじめな見解は言わないでほしいです。日本のイメージが変わります。
 もう一つの話題はバイデン・菅会談ですが、日本はアメリカがTPPに復帰するよう提案したとか。うまく行ったのかな?
 最後は東京オリンピックで、自民党幹部がオリンピック中止もありうるとコメントしたらしい。

(スポーツ)

1)サッカー
 1位と2位が対戦し引き分け。そこへ3位のカトリカが勝って再び首位に返り咲きました。
 人気のコロコロは勝って4位に進出。 チリ大学は明日の月曜日に試合があります。

 オリンピックの女子サッカーにチリは参加しますが、観客なしでもオリンピックは実施できるかな?


以上