チリの風 その929  2021年3月1日―7日

何それ?もう3月ですが、まだ最高気温30度の日が続いているサンティアゴです。
魔の月曜日と思われた3月1日の月曜日は、ほとんど混乱はありませんでした。交通量や地下鉄の使用者も先週の月曜日に比べ10とか15%増えたそうですが、交通渋滞とか乗客があふれるという感じはありませんでした。
会社員に戻ったので、月曜日は今週も頑張るぞとか、金曜日になると明日は休めると安心するのを思い出しました。当たり前ですね。
会社から戻ってすぐに服を着替え2日、そして週末2日と、今週は4日走りました。日曜日のマラソン仲間の一人が住む区が週末外出禁止令になったので今週は一緒に走れませんでした。いろんなことがありますね。
ところで、先週2つエラーをしました。まず日時の所で2021年を間違って2020年にし、それから大地震があったのが2010年なのに2020年と書きました。ゴメン、集中力が不足して。複数の方から指摘がありました、ありがとうございます。

(政治)

1)ピニェラ動向
  テレビの全チャンネルの夜のニュースの時間を使って年金改正案を発表しました。大きな話題にならなかったのは何もしないでもらえる年金が増えるわけはないですからね。普通野党側が大統領案を批判・非難するのですが、それもあまり出ませんでした。新聞の社説にピニェラの最後の年として何をすべきが示唆されました。もっとも重要なのはコロナ問題の終息を図ること。それからまだ2桁を記録している失業率を改善すること.一番新しい数字は10.2%でした。そして暴力事件の縮小に取り組むことでした。その通りでしょうね。暴力事件は強盗などの一般犯罪、反政府運動そしてマプチェ問題でしょうね。その記事が出た翌日にピニェラは全テレビ局の放映で失業率を下げるため、昨年9月から新就業者の賃金援助を始め、大きな数字を得ることが出来た。そのシステムを延長し、これからも政府援助を続けるとしました。また、新しく年少児を持つ女性援助として「毎月20万ペソの援助を始めたい。これで小さな子供を保育園に預けて仕事に就くことができる」としました。コツコツやって少しでも前に進めればよいのですが。

2)選挙
  4月の選挙が近づいていますがr、全然盛り上がりません。近くの地下鉄の駅の外で候補者の名前を書いた大きな旗が降られたり、パンフレットが配られたりしていますが、興味を示す人はいません。
  投票所で長い列が出来ないよう土・日の二日で投票するというアイデアは国会で拒否されました。そうすれば今回は投票しないという人が増えるでしょうね。
3)バチェレットの動き
  べネスエラの大統領マドゥロとテレビ会談をしました。彼女は国連の人権委員会の責任者ですから、同国の人権が侵されていることと左翼として同政権を援助したいということで対応が難しいです。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅の価格はかなり下がって4.09ドル。為替はペソが下がって1ドル729ペソでした。専門家のコメントでは中国経済が順調だから銅の価格は下がらないと言われていましたが、この先どうなるでしょう。素人の私は下がるとみています。
ところで1971年にはチリは世界の13%の銅の生産を記録していました。その年、ザンビアとザイールの合計は20%でした。30年後の2000年になるとチリは35%に急上昇、アフリカ2国の合計は3%と激減。これは埋蔵量、含有率などの問題のほかに投資があったかなかったかによるものとされています。チリには外国投資が多く入ってきたわけですね。

(一般)

1)コロナ問題
  一向に収まる気配がありません。今週は新規感染者が5千人を超える日が続きました。もう昨年中ごろの最悪事態と変わらないほどです。緊急病棟も空き室がなくなってきています。ワクチン接種者は400万人を超え、第2回目のワクチン接種も始まっています。ワクチンを確保するため最初のファイザー、それから中国産、そして新しくロシア製のワクチンが300か400万人分、4月に入ってくるとか。確かに国民のほとんどがワクチンを接種できるという約束は実行されています。
  ワクチンがなく困っているパラグアイに2万人分寄付したとか。余裕ですね、しかしこのままの状態が続くと来週から自宅待機令が拡大され、週末外出禁止のレベル2が首都圏を覆うという噂もあります。となると私も週末に外出できません。
  12月まで患者数は継続して減っていたのですが、年末年始から雰囲気が変わりました。夏休みプランが悪かったと批判された厚生大臣は、それが悪かったのではない、私が自己批判するのは家から外へ出た家族が感染予防に必要なことをせず自由奔放にふるまったことをコントロールできなかったことだとしました。私にすれば同じようなことですが。
  昨年3月のコロナ問題発生からちょうど1年経ちました。夜間外出禁止令などいろんな新規則が出されていますが、それらに違反したとして多数が逮捕されています。その中で目立つのは夜間外出禁止令違反で17.5万人。違法パーティで警察が踏み込んだのは300件を超したとか。それらの禁止令を止めるか継続するかでもめていますが、これだけ感染者が増えているのに外出を禁止せず緩和すればさらに悪化するだろうと言われています。学校は公立は15%、私立は73%が授業を始めたらしい。全体では平均として37%。このまま継続できるかな?
2)イタリア広場
  金曜日の夕方からいつものようにイタリア広場周辺でデモ隊があばれました。そこに置かれているバケダーノ将軍の像に火がつけられました。デモ隊が道路を封鎖したのでを道の両面の走行がストップしました。テレビのニュースで見ましたが、参加者はほんの少し。多分、千人か2千人くらい。2年前に100万人以上集まったのとは大きく異なります。それでも警察がグループを制御できず、同じような混乱が継続です。
3)警官の話題
  子供が射殺されその弾丸が警官のピストルのものと確認されました。しかしその事故は警察と犯人グループの銃撃戦が起こり、たまたまそこを歩いていた家族の中の子供に弾丸が命中したもの。親は誰が犯人でも私の子供を殺した責任を取らせると泣いています。首都圏の丘を不法占拠していた数百の家族が追放されました。北西部の山のふもとに多くの家族がテントなどを張って生活していましたが、それが追放されたわけです。子供の母親が私たちは部屋を借りて20万ペソも部屋代を払えない、だからここに住んでいるわけです。それを無理やり追い出すなんて、見てください、腕や肩にあざがついていますが警官に殴られましたとクレームしていました。チリ人家族もいましたが、多くは移民でした。警察側は大半の家族は自分でテントをたたみ退去しましたが、一部はそれに抵抗したため仕方なく強制撤去しましたとコメント。所でチリ北部に侵入していた不法移民はなんと最近90%も減少したとか。チリの中に何とか入っても母国に送り戻されるという噂が広がったからでしょうね。
4)マプチェ問題
  毎週同じような問題が繰り替えされていますが、今週は製材会社関連です。アラウカニア州(第9州)で毎年、木材・製材会社の持つ森林に犯罪グループが入り勝手に伐採しそれを販売しています。その量が半端なものではなく2018年から3年で1億3千万ドルになるとか。不法に侵入された森林は43地区になり、襲われた労働者は830人にもなるとか。その不法伐採は2020年は80回、今年は今までで8回です。こうした問題から同州では外部からの投資がほとんどなく、失業率が高く、就業者の賃金が低く国内で一番生活が苦しいと言われます。同じような問題があるその北部のビオビオ州(第8州)で運営されていた日本製紙などが投資した日系企業林業会社もそこから退去する予定とか。
 

(スポーツ)

1)サッカー
  今月末に予定されていたワールドカップの南米予選が延期になりました。コロナ問題で通常の試合が実施できないとされたわけです。いつにそれが変わったのかはっきりしませんが、今月の予選はなくなりました。


以上