チリの風 その930  2021年3月8日―14日

何でや、またか、いつまで続くんやと言いたいところです。
サンティアゴ全域がレベル2に戻って週末外出禁止になりました。
土曜日のサッカー教室も日曜日のマラソン練習も中止です。週末、窓から外を見ると、歩いている人はほとんどいません。

しかし確かに患者数、死者数が急激に増えています。噂ではレベル1に戻って1週間全部自宅待機になる可能性もあるとか。
さて私は今週ワクチンを接種しました。ファイザー製のワクチンです。特に副反応もなく、接種の後、事務所に行って通常通り仕事をしました。2回目は4月8日です。ファイザーの情報では2回ワクチンをうった人は97%の確率で病気にはかからないとか。それなら今は50%くらいの確率かな?
サンティアゴの最高気温は28度となって、先週の毎日30度以上の日より少し暑さが和らいだ気がします。

(政治)

1)ピニェラ動向
  「野党の議員さんは反政府の言動をカメラの前で行うと、2から3票の投票数が増えると考えている見たいですが、もう少しまともな考えが出来ないのでしょうか」ピニェラがこう言うと野党の議員は同じように、ピニェラさんも野党を批判すると2,3人が大統領を支持すると思うようですが、もう少しましな考えはできないのかなと反論。
 ピニェラは2回目のワクチンの注射をしました。彼はにっこり笑ってこれで自分は病気に感染しないし、他人にも移さないとしました。良かったね。
 それから中間階級援助として、コロナで失業または減給され、今年の収入が前年対比30%以上減っている人に最高60万ペソの援助金を渡すとか。昨年も同じような援助金システムが出ましたが、かなりの人が不正受給したのがばれたらしい。いやはや。
  ところで内務大臣が陽性になりました。モネダ宮殿の2階部隊は戦々恐々ですね。彼と毎日コンタクトをしていた人も自宅待機になるかもしれません。
ピニェラは病気にかかっていないようです。もうワクチン接種済みですね。
2)選挙
 ニュースが始まる前に、昼も夜も各党の憲法委員会候補者の宣伝ビデオが放映されます。不思議なことに右も左も改革しようと訴えています。つまり内容はほとんど同じです。
 先週は4月11日の投票は一日だけと言われたのにピニェラは2日にしようと働きかけています。どうなるでしょう。
 私の住むラス・コンデス区は59名が立候補しその内6名が当選します。ネットでその候補者の名前と所属する党はわかりますが、中身の情報はさっぱり。候補者で名前を知っているのはほんの数名です。誰に投票すればよいのかなと迷います。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.11ドルと先週とほとんど同じ。しかしペソは強くなって1ドル718ペソでした。
金の価格が大きく変動したようですが、銅はこのまま高値安定でしょうか。
 IMFの推定では今年のチリの経済成長率は6%です。コロナ問題がどう進むかによっては風が変わるかわかりませんが、銅価格が順調なら今年の成長率が6%になるのは可能でしょうね。
2)ラタム航空
 今年3月の見通しは2019年の同月に比較すると3分の1の運行数になるだろうとか。厳しいですね、65%減なんて。よく破産しないで続きますね。メンテナンスの費用を下げるため手抜きをしているかもしれませんが、事故がないよう願います。

(一般)

1)コロナ問題
  緊急事態です。昨年6,7月がピークだったのですが、今週、4つの州が今までのピークの数字を破りました。昨年のピークの後、年末にかけて傾向は沈静化で恐ろしい嵐は治まったと感じられました。それが今年になって逆になり、V字回復、いや回復ではないですね。V字悪化になり、今週最悪数字が各地で出たわけです。        
水曜日は感染者数5566人、死亡者154人でしたが、週末には6000人近くまで上昇しています。初期のころは首都圏だけだったのですが、上記のように今では各州が新記録を出すほど病気が蔓延しています。
このため首都圏全部が週末外出禁止になり、それは少なくとも3月中は続きそうとか。
夜間外出禁止令は11時から10時と1時間早くなり、それに伴ってレストランの営業時間は8時までになったらしい。それでその協会幹部が「これでは夕食は商売にならない、つまり昼食だけになるが、それならこの先、どれだけの仲間が倒産することか」と悲鳴を上げています。

しかし不思議なのは、ワクチンの接種率が、チリはイスラエルを破って人口対比で世界1になったことです。もうこの週末で500万人くらいでしょう。来月、ロシアから3,4百万人分のワクチンが来るとか。しかしチリが世界1になるなんて素晴らしいですね。ピニェラもよくやりました。私が接種した時も多くの人が来ていました。ほとんどがおじいちゃん・おばあちゃんでした。私のその一人ですが。無料でした。コストは高いでしょうが、政府もがんばっています。

しかしそれくらいワクチンがいきわたったら発症率が下がり、病気が治まると思われますが、チリの現実は全く逆です。  
もちろん、「それはね、藤尾さん、2回のワクチン接種を受けた人の数が問題で、おそらく今は50万人もいないでしょうから、現在のワクチン接種数が発症者数と関連しないのですよ」と言われそう。その理論はわかるけど、これだけ派手にワクチンをうっているのに病気を抑える機能を全く見せないというのが不思議。

この週末から首都圏は外出禁止令が出ています。警察の許可なく歩いていると検問があって土曜日は1503人が逮捕されました。私はその日、買い物にスーパーマーケットに行きましたが、もちろん警察の許可を取り、それを携帯電話に入れていました。警察官が歩いている人のチェックをするのを見ましたが、私は逃げる必要はないのでその近くを歩きました。もうその許可を取るのに慣れているのでパソコンで5分もしないで許可を取っています。週末に一度だけ、2時間の買い物のための外出許可がでるわけです。

 2)バケダーノ将軍
  イタリア広場のバケダーノ将軍の銅像が外されました。デモがあると、毎回、傷つけられました。先週は火をつけられましたし、今週の月曜日、世界女性デーでもデモ隊に壊されそうになっています、
93年間そこから動かなかった像が文化・芸術省の敷地に運ばれました。ピニェラはできるだけ早く元の場所に像を戻したいとコメントしましたが、おそらく近い将来はダメでしょうね。しかしサンティアゴのシンボルの様だったその像があっさり運び去られ下の台だけが残っているのを見ると私は政府が負けた、チリの文化が負けた、暴力に屈したという気になります。
3)学校教育
 今月から幼稚園・学校が通常に開校されたところが多いですが、新聞では3000以上の学校、2200以上の幼稚園とされています。ただ大きな差があるとして区立(町営)学校は15%、民間運営は73%となっています。もっとも公営の学校にはそのほかにもいくつかのシステムがあります。上の数字を大げさに言えば、公営は閉鎖、民営はオープンです。
私の嫁さんは、もし小さな子供がいるとしたらコロナ問題があるのだから子供を学校に行かせないと言います。子供が学校で感染したら、それが家族全員にうつるのは自然と言うわけです。私は全く逆で子供は学校で学ぶべきと考えます。
その考えの違いが上記のシステムの大きな差になっているわけでしょうか。
 

(スポーツ)

1)サッカー
 チーム別で南米で一番大事な大会がリベルタドール杯です。今年のその大会にチリから3チームが参加しています。
2回戦のホーム・アウェーの前半でカトリカは負け、ウニオンは勝利、チリ大学は引き分けでした。来週後半が行われ3回戦に進めるかどうか決まります。
2)テニス
  サンティアゴで行われていたチリオープンATP250大会でチリのガリンが優勝。チリの大会でチリ人が優勝したのは久しぶり。ガリンはATP大会でこれで5勝目ですが、母国チリで優勝するのは初めて、大喜びでしょうね。


以上