チリの風  その928 2021年2月22日―28日 (*日付け誤り訂正しました)

土曜日は27日でした。チリで27Fと言うと誰でも2010年の2月27日の大地震を思い出します(*日付け誤り訂正しました)。その夜、隣に寝ていた嫁さんが飛び上がってすぐに外に避難しましょうと言いましたが、私はベッドの中から出ませんでした。しかしすごい揺れで、壁や天井にひびが入り、なんと床が傾きました。その床の補修は、カーペットをはがしてから斜面の上の方を削り取り、そのあとセメントで平らにするという作業でしたが、大変な仕事でした。
もう3月ですね。日照時間が短くなりました。朝、会社に行く時、7時15分に家を出ますが、まだ薄暗いです。秋分の日が近づけば、そのうち真っ暗の中を駅まで歩くのですね。
土曜日のマラソン練習は一人で、日曜日は仲間と走りました。若い時より速度は落ちていますが、走れるのがうれしい。その日、友だちの誕生日だったので、彼を招き、嫁さんが作った食事を楽しみました

(政治)

1)ピニェラ動向
  バケーションから戻ってモネダ宮殿で働く彼の最初の大問題はマプチェ問題です。チリの風の読者の人なら、毎週、毎月この問題が南部地区で起こっているのをご存じでしょうが、毎年問題が減少するより進化していきます。家屋や重機への放火事件は頻繁です。そしてマプチェ運動が麻薬組織になって資金稼ぎと反政府運動を同時に行っているようです。日本では反政府運動と言っても中高年の人以外は全く身に覚えがないでしょうが、自分たちの主張を通すために動くというのは犯罪行為ではなく民主的なことと私は思います。私の若かったころの、全国学園闘争が懐かしい。
  ピニェラは治安維持のため、軍隊を動員することを考えましたが、議会から軍国主義のような活動は認められないと反対されました。現行の警察組織では大きな地域の安全を維持するのは無理なようです。それから警官の不祥事、マプチェの青年を理由もなく射殺したとかがマプチェの不信感をあおっているのは間違いないですね。軍隊は出せない警察にはその力がないとすれば政府に打てる手はマプチェとの合意事項を成立させ、向こう側から接近させる(してもらう)でしょうか。

(経済)

1)調子が出ません
  失業率が良くなるどころか少し下がって10.2%
  成長率もだめです。1月の確定数字は出ていませんが、マイナス成長と見られています。商業はプラスですが工業、鉱業はマイナス。厳しい様子。IMFの予想ではチリは今年、ラテンアメリカ諸国の中でペルーに次いで2番目の高い成長をするはずなのですが
2)銅価格と為替
  銅の価格は4.16ドルで終わりましたが、最高4.36まで上がった日がありました。絶好調ですね。そのため為替もペソ高が続き1ドル708ペソで終わりました。この数字は国税SIIの公式数字で、民間では週末720ペソほどまで上がっています。
  新聞の日曜日特集版に中国の未来と言う記事が載りました。それによると安い人件費で世界の工場として輸出が中国の命綱だった時代は終わりました。20年前は輸出が国民総生産の35%を占めていたのに、今は18%です。中間階級と呼ばれる人が30年前はほぼゼロだったのが現在では40%、10年後は70%と推定されているので国内消費が輸出の減少を埋める力を持つことになり、安定化が増加していくらしい。つまり中国の破綻はその可能性が少ないという結論。さぁプロのコメントは当たるでしょうか?すると銅価格の高値安定は継続しそうですが。

(一般)

1)コロナ問題
  ワクチン接種した人は300万人を超えています。今週も200万人分のワクチンが到着しました。確かに政府の言うように国民のほとんどが接種を2回受けることが出来そうです。 
  すると旅行者は。海外旅行でも国内旅行でも、ワクチンをうっている人を優先する、もしくはそれを義務化するということになるかもしれないとか。
  もっとも現在の数字は例の「4千人、百人、7%」を超えて、今週は5000人の感染者、100人以上の死者、そして8%の感染率が出た日もあり最悪のレベルになっています。コロナ問題が治まってきているとは誰も思いません。ワクチンは効いていないのかと言う声が出るのは間違いないですね。ただワクチンは接種後2週間して効果が出るという話もありますが。
2)3月問題
  明日からバケーションが終わり、会社員が家に戻り、学校が始まります。そのため街の中に車・人があふれそうです。ただ自宅勤務を続けるとする企業が40%もあるので、従来の様に3月1日に極端な交通渋滞はないだろうと予想されています。それでも公共運輸はバスも地下鉄も増便して事態に対応するとされています。明日の朝にその結論は出ますね。

(スポーツ)

1)サッカー
 ワールドカップの南米予選が3月末に始まります。もう少しすれば選手の指名がありますが、盛り上がりは少ないです。その理由は黄金の時代と言われたアメリカップに優勝した時の選手が年長になり、もう30代の中ごろです。そして若い選手が出てこないのでチリ代表チームの力は毎年落ちて行きます。つまり今回の世界選手権にチリが出場するのは夢でしょう。きついかな。
2)テニス
 オーストラリアで行われたWTA500大会の女子ダブルスでチリ人のグアラッチがアメリカk人クラワスキと組んで優勝しました。素晴らしい

以上