チリの風 その885 2020年 4月 27日- 5月 3日


最高温度と最低温度の差が20度あるサンティアゴです。例えば木曜日は24度と4度でした。
二月はサッカー教室、登山教室、マチュピチュ同好会、それにガイドの仕事が頻繁にあり、楽しく忙しい毎日を送りましたが、四月になると自宅待機を命じられ,家に閉じこもり窓から外の様子を見るだけで、外部とのコンタクトはほぼゼロになってしまいました。つまり私の存在価値はなくなりました。
もっと言えば、人間が絶滅しても地球に与える影響はないでしょうね。大袈裟かな。

政治

1)ピニェラ動向
病気が沈静する気配はないですが、それと並行して経済破綻の風が日増しに増えています。それを軽減する作として自営業者への支援策を決定しました。それは過去1年に領収書を出した個人に最大限50万ペソを3月間支払う由。120万人がこの恩典受けるらしい。
政財界が全力で破綻防止の策を講じるべきでしょうね。
今週は教育関連のニュースが出ませんでしたが、学校が始まらないと高校4年生は大学入試が実施できなくなる可能性があるので眠れませんね。今年入試が中止になったら来年の競争率は2倍になりますからね。
2)ボリビア問題
ボリビア領事館の前に500人といわれるボリビア人が詰めかけ母国へ帰国する援助を要請しました。ボリビア政府は全く反応せず彼らを何日も放置。仕方なく該当地区のプロビデンシア区が体育館などを宿舎に提供し、食事も出しました。彼らはカメラの前でチリありがとうと叫びました。バスで彼らをチリ北部の街イキケに運び、そこで14日間隔離し、病気の症状が無い人を国境まで送るとか。イキケの市長がこのコロナウィルスで病院は大変な事態なのに新たに500名のアテンドが出来るはずがないとクレームしています。
ボリビア問題が少し動いたら続いてペルー人グループが同じ要請。さらにベネズエラ人も。
昨年まで、チリに行けば夢が叶うと思われていたのですが、大きく変わりましたね。
3)給料削減案
上院議員過半数で同案を成立させ下院に送りました。成立すると議員、政府関係者の給料が下がります。

経済

1)失業率
1月ー3月は8.2%と前年比1%アップになりましたが、問題は4月以降で10%を越えて緊急事態に入りそうです。アメリカは何千万人の失業者が出ているそうですが、まだ暴動騒ぎは起こっていないようですね。チリはどうなるかな
2)銅価格と為替
銅価格は4月30日は2.37ドルと好調でしたが、5月2日は2.30に下がりました。
為替は1ドル837ペソとペソが強くなりました。

一般

1)新型コロナ
今まで一日に500人程の新規患者が出ていましたが、それ今週、突然に1000人、1500人に急増。合計数は18435人になっています。死亡者数は247です。
政府は検査数が増えたので起こった現象と最初はそれほど焦っているようには見えませんでしたが、話題が大きくなると方針を変え、患者の大多数は首都圏で、自宅待機令を遵守しない人が多すぎる。これを警察にさらに調べさせ、法律を守らない人間に罰則を与えると態度を厳しくしました。
自宅待機令は新規・継続・脱退と分かれますが、各地区で継続中です。
チリの経済グループが購入して寄付した117の人工呼吸器が中国からチリ空軍機で到着。ピニェラは先日と同じく空港に出向きました。
チリの新聞ラ・テルセラに本庶佑の記事が二面全部を使って大きく掲載されました。コロナウィルスについてノーベル医学賞を獲得した彼の見解です。ところで彼は新型コロナは中国で人為的に製造されたと文章に書き世界的な注目を浴びましたが、その後それは誰かが捏造したと否定しました。チリの新聞の記事はそれは触れていません。
2)3連休
5月1日が祝日だったので、この週末は3連休になりました。普通なら首都圏から車で海岸地区に大勢の人が出かけるのですが、今は外に出ないよう規制がかかっています。海岸地方に別荘を持っていても行ってはいけないとするわけです。日本のGWはどうかな?
3)モール営業再開
ラス-コンデス区のモール、アプマンケが再開しました。入場者の制限とかいろんな手を使って安全確保を図りました。例えば70歳以上は入場できません。ところがすぐに区長がもう一度閉鎖するように指示。その理由は感染者数が急激に増加したから、危険は軽く見ることはできないと言うわけです。
4)反政府運動
不思議なことにほとんど消えていた反政府運動が復活今週は20件ほどが記録されたとか。自宅待機令が続いてうずうずしてきたのでしょうね。
5)通行制限
明日から例年のように冬季大気汚染の緩和のために古い車両のサンティアゴ市内通行規制が実施されます。ナンバープレートの番号の末尾を使い週に一度走行制限になります。
ただ最近は汚染が通常の半分ほどに落ちていますから必要性は少ないですが。
6)メイデー
五月1日は世界的に祝われる労働者の祭典ですが、今年は特別な環境なので大規模デモは許可されなかった由。にも拘わらずチリ労働組合連合がデモを強行しました。いつもなら何万人でしょうが、今年はその百分の1の何百人以下。
先ずいつものイタリア広場で労働者が多く逮捕されました。50人以上の集会は禁じられているのにそれを守らなかったからです。そしてそのグループとは別に、モネダ宮殿の前で組合幹部が多数逮捕されました。組合連合の会長は労働者の声を聞こうとしない政府には悲しみしか感じないとか。


以上