チリの風  その886  2020年5月4日―10日

サンティアゴ三寒四温で、いや三温四寒で今週は気温が上がり、木曜日は最高30度最低5度でした。来週から気温が下がりそうとのこと。日の出は7時20分、日の入りは17時54分でした。
何もすることがない毎日が続いています。いつか元に戻るのか、それともこれがずっと続くのか分かりませんが、この新しい毎日を楽しめるようにする必要があります。
もっとも私は年金生活なので仕事がなくても生活には困りません。
スポーツは続けています。マラソンで10キロを走れるようになりました。
南部移住の計画もストップです。向こうに行ってボランティアで働きたいのですが。3つの計画がありますが、それが動き始めれば楽しく忙しい毎日になるはずです。70歳を超えた老人の夢です。

(政治)

1)ピニェラ動向
世論調査でピニェラを支持するは23%、不支持は70%でした。もう大多数が彼を
支持しないと言うのが通常化していますね。
冬ボーナスを用意すると彼は発表しました。100万人の低年金生活者に65000ペソです。ピニェラはこの額に全員が喜ぶとは
  思えないが、これが皆 さんのお手元に着いた時、全員が喜ばれると思いますとコメント。
  国会でその案は成立しましたが額について野党は低いと同意しません。
  先日の失業者への援助と同じく国の借金が増える と言うのは事実ですが、今は貧乏な人を援助すると言うのは
必要なことではないでしょうか。
地方役所の支援も発表。 29億ドルです。 先日、地方役所の主要財源である、自動車の免許証書き換え時の費用を政府が先延ばし
したため、地方役所は費用が増えて財源が足りなくなっています。それを助けるとして政府は29億ドルの援助を表明。
政府と地方役所は一体としています。
似たようなことですが、消防署の援助額を下げると政府が発表すると消防グループが反発し正常な活動ができなくなると抗議。
大蔵大臣は、苦しいながらとして削除額の縮小を表明し合意に達しました。
その大蔵大臣はテレビの番組で「国ができる限りの援助案を作り実施しようとしている。消防署の人には感謝する。新しい消防車
を購入する費用を失業者援助に回させてほしいと頼み受け入れてもらった。いつかこのお礼はする。」とコメントしました。
今年のチリのGDPはマイナス4.5%の予想ですが、これから失業者が増加するのは自明です。1982年に失業率が19.6%まで上がり
まし たが(翌年は14.6%まで下がる)今年はそこまで悪くならないにしても失業者数は最悪200万人になるかもしれない
とか。     
そして貧富の差を表すジニ係数は2000年に0.55を記録し問題になりましたが、それが少しづつ良くなって2015年は0.48まで来ました。
それが最近の記録、2017年は0.49と落ち込んでいます。もちろん今年はもっと悪くなるでしょうね。
2)女性省大臣
最右翼UDI党の元地方町長だったマカレナ・サンタㇼセスを新大臣に任命しました。
彼女はピノチェットを崇拝しているタイプなので野党から批判の声が出ています。
3)移民問題
今年に入って移民の数字が減少。チリに入国するより移民が母国に戻る方が多くなったわけです。少し前には考えられない事態
ですね。
先日イキケに送られたボリビア人グループの中にかなり感染者が出て混乱しています。さらに他のグループがボリビア領事館の前に
テン トを張り送還要求をしています。ペルー、べネスエラ人グループも同じ問題が継続中です。

(経済)

1)銅価格と為替
今週は銅価格は連日上昇し、1ポンド2.41ドルに来ました。そのためチリペソも強くなり
1ドル823ペソでした。1時期1ドル900ペソまで落ちそうな雰囲気もありましたね。 

(一般)

1)コロナウィルス
感染者数28866人、死亡者12名、土曜日の発生患者数は‘1647人と過去最高の数字。 
上記のように先週から新規患者の数が急増しなんと1日当たり1500人を超えています。政府も何か手を打つ必要が出たわけです。
それで都市封鎖として首都圏でほとんどの区が自宅待機する地区に入り、その数はなんと約500万人になりました。
私はそれを3週間経験しましたが、このまま続くと全サンティアゴを封鎖する案も出ていますし、私のいるラス・コンデス区が再度
自宅待機になりそうです。この待機者急増から問題が起きました。その地区の人は外出するとき、警察の許可をもらう必要が
  あります。それがあまりにたくさんの人がコンタクトしてくるので警察のシステムが機能しなくなりました。許可なく外を歩いて
  いると条約違反で罰金です。 
ただ人工呼吸器は欧米から連続して到着しており、患者が機械がないので呼吸できないと言う緊急事態にはなっていません。
先日オープンした集会所を改造した病院に患者が入り始めました。機械の数は問題ありませんが、医者・看護師が足りるか
どうかが心配されています。
今日は母の日でした。毎年、亡くなったお母さんの墓参りをする習慣がチリにはありますが、人が集中しないようにと今日は
墓地を閉鎖しました。それほど病気が社会を抑えているわけです。
ところで5月7日にマスク無し歩行をしていたと169名が罰金刑を受けました。まだマスクをしないで街を歩く人がいる
わけですね
しかし外出できなくなると、普通の契約社員ならともかく日雇い労働者は収入がなくなります。
家族がいるとホームレスにもなれず困窮に極み。
こうした事態から犯罪が増加し、また家族内暴力事件も急増とか。
2)通行制限令
この月曜日から通行制限が始まりました。
警察が車を止め、運転手にあなたのナンバーは今日は走れませんと反則切符を渡します。
それをテレビのニュースで見ましたが、運転手は毎日のニュースはコロナウィルスのことばっかりで
通行制限のことなんか報道されていないとクレームしていました。
3)南部ティルアでトラック2台が延焼。いつものマプチェの反逆です。そのグループは数名ではなく反逆勢力は大きな数を
持っています。
4)旅行者の帰還
248人がアジア各地から戻ってきました。政府が用意したチャーター機シンガポールからチリに向かったわけです。
帰りの航空券を 持っていたけどそれキャンセルされた人や、旅に出て動けなくなった人、留学ステイしていた人などそれぞれですが
、無事にチリに帰国です。最もまだまだ帰国を願うチリ人が世界各地にいるようです。

以上