チリの風 その882 2020年 4月 6 日ー 12日

サンティアゴは最高気温が20度までしか上がらなかった日もあり,秋の雰囲気です。公園に落ち葉が溢れているのが見えます。日曜日は久しぶりの雨で落ち着きました。遠い山は初雪をかぶりました。
チリはコロナ ウィルスで大変な事になっています。最も世界中同じでしょうね。
私の住むラス コンデスは 自宅待機令が継続になりました。
週に2回、外に出ることができますから、その時,出来るだけ遠回りしてスーパーマーケットに行きます。散歩ですね。ネットで警察のサイトに入り必要な事項を書き込みます。ちゃんと外出許可の確認が私の携帯電話に来ます。
外に出られない日は建物の地下の駐車場から車の通路を使って地上に上がります。その往復を繰り返しますが,車の動きはないのでのんびり走っています。
土曜日、近くの公園でフェリア青空市場が開かれます。毎週そこで花を買っていたのですが、最近は行けません。寂しい。
いつまでこんな異常事態が続くのでしょう。
チリの風の番外編でパタゴニアの案内と旅行記その1が掲載されているので読んで下さい。

(政治)

1 ピニェラ動向
コロナウィルス問題が最大課題ですが,政府は適切な処置を取っていると市民は見ています。現在は厚生大臣がリーダーシップを取って病気の拡散を防ぎ、それが一段落すると大蔵大臣が経済復興手段を打ち出すのですね。
その時は再度、貧富の差問題が再燃します。ラゴス元大統領はピニェラ政権の復旧案は生温いと批判。ピニェラが失敗すれば次選挙で左翼が勝てますから。
ピニェラが提案していた中高年囚人を保釈し自宅で収容する案は国会で認められず憲法裁判所の手に委ねることになりました。
それら囚人の中に何人か人権問題の囚人がいます。

今週の話題として下院議長選挙があります。下院では野党議員の数が与党のそれを上回るので野党側候補が勝つと見られていました。その議長候補はキリスト教民主党DC,副議長候補は共産党員でした。しかし58対56で与党側の勝ち。社会党議員が新左翼の議員の馬鹿さ加減にはうんざりだと内部分裂がくっきり。
新議長になったパウルセンは国民改革党RNで何と32歳。彼は就任時にピニェラの国会、もしくは議員に関するコメントは適切なものではないこともあると釘をさす発言。もっとも私は現在の議員は殆ど役に立たないと感じますが。
現在、国会で禁止法違反者を罰する法を厳しくするよう検討するとか。
自宅待機令や夜間外出禁令の違反者が毎日出ています。今週,発病した患者がスーパーマーケットに行って捕まっています。

(経済)

1)物価上昇指数IPC
三月の指数は0.5%。過去12月で3.7%。順調ですね。

2 )銅価格と為替
今週は2.25ドル、為替は1ドル840ペソでした。
今年の銅の生産は5.5%下がると予想されますが,新型肺炎のためだけではないでしょう。
あちこちのマインで問題ありと報道されています。
3)失業率
これが一番大きな問題になるでしょう
自宅待機令が出ている地区のガソリンスタンドは売り上げが90%下がったと言われています。半端な数字ではないですね。
レストランで働いていた従業員が,店が閉まり給料も失業保険も貰えないとして街頭でカンパ集めを始めています。
建設業も作業中止が増えています。
バルパライソの観光船の船長は客はゼロで仕事は無くなったので魚釣りをし生き延びるとか。
チリで最大手の航空会ラタム航空も大変な状況ですが,政府援助を受けるには経営陣に政府関係者を入れることになるとか。それって半官半民?

(一般)

1)新型肺炎
金曜日患者数は6501名、死亡したのは65名。
それが日曜日の今日は7213名, 80名に増えました。

首都圏で各区に自宅待機令が出ていましたが,ほとんどの区で明日から解除になります。
そこで、疑問が出るのですが,東部の3区の人口あたりの患者数はビタクラが117名,ロ バルネチェアは84名。ラス コンデスは80名。どうして一番数の少ないラス コンデスだけ自宅待機令が継続するのかな?
首都圏は全ての交通機関の乗客にマスクの使用を義務付けました。バス、地下鉄、タクシー。
ラス コンデスは道路歩行時にもマスクを義務付けました。

ボリビア人グループがチリ側国境線で待機を余儀なくされています。
ボリビアが入国を認めないからです。チリ村役場が仮設テントを張り,
食事も提供しているとか。
チリ人で帰国出来ず困っていたグループの一部が,中米、カリブから政府のチャーター便で帰国しました。

スーパーマーケットの売り上げが急に増えています。前年比ですが、二月は5%ほどのアップでした。それが三月になって急上昇。最初7%中頃25%そして最後の週は52%も増えました。買いだめでしょうね。私は必要な物以外は買いません。

2 )聖週間
この週末はイースターでした。キリスト教にとって最重要行事です。毎年カトリック教会のミサがテレビで報道されます。しかし今年は全くニュースになりません。一時,流行った神父の年小児ヘの性的暴行事件も姿を消しています。カトリック教会のことなんてどうでもいいと言うことでしょうか。
新聞の投書欄にこの厳しい状況を超え神の傍に歩みよらねばならないと神父が書いていました。


以上