チリの風  その868  2019年12月30日―2020年1月5日

年が明けましたね。新年おめでとうございます。
今まで大晦日の夜は打ち上げ花火を楽しむと言うのがチリ人の習慣でした。ところが昨年10月からの反政府活動で社会がおかしくなりました。私の住むラス・コンデス区でも公園の奥の丘で打ち上花火があげられ、それを多くの人が楽しみ、翌日は(元旦です)公園がごみの山でした。それが今年は花火が中止になり、夜になっても誰も公園にいませんでした。もちろん元旦もごみはなし。習慣と言うのは変わるわけですね、来年はどうなるか知りませんが。
それで元旦、誰も歩いてない道路を一人でマラソン練習。10キロ走りました。次の日、今年最初の山歩きはサン・ラモンの川巡りコース。全部で5時間歩きました。日曜日のマラソン練習は仕事が入ったので走れず、出発する仲間を見送るだけでした。
2020年もこうして仕事と趣味の世界を楽しんでいます。
年末に帰国間近の明子さんと会う機会がありました。若くて才能のある彼女の話を聞いて、この先どこまで彼女が飛んでいくのか楽しみです。

(政治)

1) ピニェラ動向
彼を支持するは10%ちょっと、反対するは80%くらいで動きません。与党側からも彼が大統領として機能していないとか、与党間に連帯感がないがそれを何ともできないと厳しいとコメントが続出です。
彼は年末に短いバケーションを取りましたが、ゆっくり休んでその期間はいろんなコメントをしないようにと言われていました???。
昨年のチリは市民にとって満足とか安心とかと言う感じのない終わり方をしたと言われます。確かにそうでしたね。
ところで私がピニェラの立場なら、「チリ近代の最高の大統領になるチャンスだ。この大混乱の原因になった国民の要求する項目を一つでも多く取り上げそれを実現する法案を国会に送る」とするのですが。甘いかな。今日、彼の自宅で与党各党が集まって話し合いとか。少しは話が進むかな?ただ食事をして終わりかな?
2) 国会の醜聞
最近、国会は政府関係者の弾劾をするのが日常化しています。今週は野党が新しく都知事になったゲバラを人権問題で訴えるらしい。
ある新聞の社説に、先のチリの風で書いた共産党議員関連の問題で子供が描いたピニェラいじめの絵の件を取り上げ、その議員の弾劾を何故しないのか、共産党内でこれをどう取り扱っているのか知りたいと出ました。素人の私の考えと同じですね。
ピニェラの提案する議員数削減を成立させ、そう言ったアホな議員を国会から追い出したいです。そのデモがあったら私も参加しようかな?
今年4月の新憲法の是非を問う投票に向けイエス、ノーの宣伝が始まりますが、盛り上がるでしょうか?議員が意気込んでいるだけで市民は冷たい目をしてみているようですが。その投票にかかる費用がまだ法的に成立していないと言われます??

(経済)

11) 銅価格と為替
今週末は1ポンド2.76ドルでした。専門家によると2020年は3ドルまで上がると予想しています。
為替は1ドル758ペソでした。昨年は1ドル712ペソで始まり、最悪829ペソまで下がりましたから、正常化してきていると言えそうです。中銀はドル相場に介入するのは今週から止めるようです。
アメリカとイランの争いがどうなるかで、原油価格も絡んでチリ経済にも影響しそうですね。チリに影響するのは中国だけではありません。
22) 株式市場
チリの株式市場は2018,19年と2年連続下がりました。これは史上初めての悲しい現状。2017年は34%も上がったのに2年続けて8%の減少です。さて今年はどうかな?
33) 産業指数IMACEC
11月の指数はなんと合計でマイナス3.3%。鉱業関連がマイナス5.1%、それ以外は3.1%のマイナスでした。12月もマイナスだがそれほどは落ち込まないだろうとみられています。社会混乱の影響は大きいですね。
大蔵大臣は2020年の経済成長率は1%と1.5%の間だろうと予測しています。
44) 失業者
12月の失業者は9万人を超えました。昨年対比で2倍以上。10月18日以降の合計で16万5千人が職を失っているとか。厳しい。

(一般)

1) 大学入試
毎年、12月に実施される入試が、今年は暴動騒ぎで1月に延期されました。来週の6,7日に実施されますが、それを高校生連合が再延期を要請しました。政府は拒否しましたが、高校生は抗議行動をするとか。混乱を起こすための政治行動で受験生の人生の重要項目になる入試の緊張・興奮を全く無視していますね。今日の日曜日、試験場を見学できるとか。北部のコピアポで高校生が2校を占拠。警察を入れて排除する代わりに他の学校を使用するとか。明日の試験大丈夫?
受験生の数は29万7千人です。
2)気候変動
先月終了した10年間はチリにとって最も平均気温が高い、そして記録的に雨の少ないことになっています。30度以上の日の数の比較では2019年は86日、10年間の平均で70日くらい、その前の前の10年は55日くらい、1950年代は30日くらいと全く違いますね。
雨の量はこの10年間はサンティアゴの場合平均199ミリ、その前の10年は353ミリ1980年代は370ミリです。歴史的に雨量の少なかった1960年代でも252ミリですから、先の10年間は異常ですね。
3)打ち上げ花火                    
南米の大晦日の花火大会で一番派手と言われるビーニャ・バルパライソの花火大会は実施されました。ところが例年なら朝早くから場所取りの人が海辺に集まっていたのに今回はそこそこの人だけで、活気はなく、近くのレストランが毎年満席なのに今年はガラガラと泣いていました。隣国アルゼンチンからの観光客が毎年溢れますが、今年はほんの少しで、このためホテル・ペンション、貸し家などの空室が目立つとか。アルゼンチンはバケーションに行く余裕はないのでしょうね。
4)暴動騒ぎ
暴動は少なくなっていますが、継続中です。サンティアゴでデモ隊が集まるイタリア広場の近くの教会が放火されかなり燃えました。つまり暴行グループはいつでもどこでも放火略奪を実施する力があるわけです。
30以上ある首都圏の区で、10月以降、スーパーマーケットが全部閉まっているのが2区、銀行が閉店してしまったのが2区あるとか。その区に住んでいる人は用事があれば隣の区まで行く必要があります。大変な不便ですね。怪しい地区には資本を投下しないと言う例でしょうか。ラス・コンデス区はスーパーマーケットが29店、銀行の支店は172もあります。逆にそんなに必要なのと思われますが。
55) 事故の報道
火事は幾分収まったようで、大きなニュースになっていません。先日行方不明になった空軍機のニュースも急に消えました。チロエ島の橋の問題もはっきりしません。
他のニュースの方が大事なのでしょうね。
ところでパタゴニアの観光地として有名なプエルト・ナタレスで麻薬関係者が捕まりました。そこをベースに麻薬を売るのか、そこに観光に来る人に売り込むのでしょうね。チリも怪しい国になってきています。
昨年1996名が麻薬関連で国内で逮捕されていますが、チリ人が
55%とか。つまり半分近くが外人ですね。

(スポーツ)

1)2019年
  ダカールラリーでロペスは優勝。テニスでガリンはATP大会で2度優勝。女子のサッカーはフランスで開催されたワールドカップに参加。男子はアメリカップで惨敗。ゴルフのニーマンはチリ人として初めてPGAツァーで優勝しました。
今年は東京オリンピックがありますね、どうなるかな?

以上