その869 2020年1月6日―12日


夏の暑い日が続くサンティアゴです。
土曜日の今年1回目のサッカー教室は練習試合だけの人を入れて13名。まだいつもより参加者が少ないです。その日は33度まで気温が上がったからかな?
日曜日のマラソン練習は3名で実施。走り終わった後、コーヒーを飲みながら話し合いました。
ほかに文化関係では区役所の文化センターにフランス人の写真展を見に行きました。昔のフランス人の生活が感じられました。
土曜日の夜に近くの公園でポップのコンサートがありました。戸外なので空が暗くなっていくのを見られました。音楽を楽しめるのはうれしいですね。
こうして今週もいつものように仕事と趣味の世界を楽しんでいます。

(政治)

1)ピニェラ動向
人気のコロコロがホームでアルゼンチンのチームと試合をしました。その試合終了が近いころ、一部のグループが「ピニェラは殺人者、ピノチェットと同じ」と叫び始めると、球場全体がそれを繰り返したとか。それは10月以来、各地で略奪・破壊を繰り返しているサッカーファンのグループでしょうね。ネットで探すとそのビデオが出ました。メロディは代表チームの応援歌で、ファンが叫んでいる内容もちゃんと聞けました。
10月から社会の混乱が継続しているのに、彼は辞任しないし、解決案も提示しないと厳しいコメントも出ています。やっぱりピニェラの最後は辞任でしょうか。
2)大学入試
今週のチリの話題、問題はこれですね。先週から予想されていたのに政府は適切な処置をとらず入試は大混乱になりました。
混乱を起こしたのは高校生連合ですが、警官と派手な抗争を繰り広げたのではなく、単に試験の場所(ほとんどは地区の学校)を占拠しただけです。受験生30万人の内、4.2万人ほどが受験できず、彼らは今月末27,28日の新しい機会に受験します。その時も会場の確保が問題で、入試会場は軍の組織内の建物で行われるという噂も出ています。
私は軍事政権に反対ですが、この入試の不祥事を抑えるためにピニェラは入試会場を2日間軍隊の組織下に置くべきだったと思いました。

入試反対グループは自分たちは大学で学ぶ権利がある、それを押さえるのは権力の不正使用だとし、入試のボイコットを呼びかけたわけです。彼らは政府は自分たちの意見を聞かないとクレームしています。

今回の入試にはもう一つ問題があって、歴史の試験の内容がどこかからか漏れていました。仕方がないので管理委員会はその歴史の試験を取り消しました。1969年以来初めての不祥事です。誰が犯人なのかまだニュースはありません。
文部大臣がそのグループの中心メンバーを起訴しました。彼らは、「またか、とにかく力で俺たちを押さえつけようとするのだ」とコメント。その女性大臣はUDI党の党員です。
南部のアウストラル大学がその連盟のトップ二人を入試を受けていないのに特別入学を認めるとし、大騒ぎ。大人の対応と言う声とそんなことをすれば将来もっとひどいことになるだろうという異なった意見がでました。最後に大学からこの決定は正式ではないと取り消されました。
市民の声ですが、入試に反対するグループがそれまで決まっていた事項を力で変更させようとするのは受け入れられないとしています。
不思議なのはこんな大問題なのにピニェラは顔を出さず、大統領府の広報にも入試問題は全く出ません。
その広報は先日のアルゼンチン大統領就任式にピニェラは参加しなかったのに、奥さんとブエノスアイレスに到着と間違った記事を掲載していますから、よほどの素人がやっているのでしょうね。

(経済)

1)GDP
中銀は昨年末チリの2020年の成長率を1.5%と予想していましたが、年が明けてすぐのこの10日にそれを1.2%に下方修正。今年の景気はどう見ても悪いでしょうね
建設業界は今年の見通しで、極めて厳しい見方をしています。新規投資が減少し、4万人が職を失う(職を逃す)ことになり、市場の動きとしては現在売りに出ている物件の値段が上昇するとか。
不景気の例として昨年の新車の売れ行きは前年対比11%減少、これは4年ぶりの悪い数字。10月から毎月、下がっていましたからね。今年度も厳しそうとか。       
カジノの入場者数は10月・11月は14%の減少。そんなのどうでも良いかな?
2)貿易
   悪いニュースが続きますが、昨年の貿易収支です。輸入は7.5%の減少。輸出も7.6%の減少。輸出品目はトップが断トツの銅(334億ドル)2位がサーモン(47億ドル)3位は初めてサクランボ(15.6億ドル)サクランボはそれまで果物関連の首位だったブドウを抜きました。ワインはそのほかの部門の2位で15.5億ドルでした。期待のリチウムは8.3億ドルと伸びません。
3)銅価格と為替
銅はポンド2.79ドル、先週より少し上がりました。為替は1ドル770ペソと落ちました。やはり中銀が介入しなかったのがペソ安の原因のようです。じゃ、来週は780ペソに近づくかな?今週も中銀は為替介入はしない由。

(一般)

1)暴動騒ぎ
  もう日常茶飯事ですが、今週も金曜日、いつものイタリア広場周辺でデモ隊と警察が衝突。放水車の撒いた水が黄色かったため、水に化学品を混ぜていると人権委員会がクレームしました。その近くで市内バスが放火され全焼。
同じ都内のプダウエル区は5日連続でデモ隊が暴れ、土曜日は地区の交番所が襲われました。地区の住民は毎日こうした事件が続けば通常の生活ができない、いったいいつまで暴動が続くのかと悲しんでいます。そうですね、催涙ガスなんかが近くの道に飛び込めば呼吸困難になりますね。
なんとその警察署を他地区に移動させる案が出ています。冗談ではありません、この日曜日の夜のテレビのニュースで言っていました。
デモ隊が警察署を襲った時、その後ろに部隊を配置すれば、両はさみでデモ隊を逮捕できると思いますが、どうでしょう。これって日本の戦国時代の話かな?
悲しい情勢がいつまで続くか誰にも分かりませんね。

以上