チリの風 その867 219年12月23日―29日


先週の最高気温は35度でしたが、今週のサンティアゴは37度まで上がり、厳しい日が続いています。
土曜日のサッカー教室は先週より少し多い11名で実施。私は36度になったその日の暑さ除けに手拭いを濡らして、それを頭に巻きました。最後の練習試合が5対4と最高に盛り上がりました。
日曜日のマラソン練習はいつものように楽しかったです。  
こうして今週も仕事と趣味の世界を楽しみました。

毎週、土曜日に青空市場(フェリア)に行って花を買います。それを玄関に飾る習慣はもう20年くらい続いています。このチリの風も始めて20年に近いし、サッカー教室は来年で30年目。いろんなことが長い期間継続しています。もっとも始まりがあれば終わりがあるわけで、いつまでこうした幸運が続くか分かりませんが。

晦日が近いです。プロに頼んで窓ガラスをきれいにし、カーテンも全部新しくしました。

チリの風の読者の皆さん、良いお年をお迎えください。

(政治)

1)ピニェラ動向
もう何もできないような落ち込みです。彼が外国のメディアとした面談の中の発言「暴動のビデオはフェイクのものもあり、外国で撮影されているのもある」が問題になりました。野党側だけでなく与党からもその内容はおかしいとされました。仕方なく彼は不適切な発言だったと謝りながら「自分の考えをもっと詳しく説明するべきだった」と言い逃れ。
しかし「チリの一番危険な時期は過ぎた。これからチリは良い方向に向かうだろう」としました。これらの出来事から、与党グループからもピニェラが大統領として力を発揮した時期は終わった、今はただ事務処理をするだけの職務だと厳しいコメントが出ています。確かに彼がチリの進むべき道を示しているとは思えません。
与党連合が分解寸前です。UDI党首がこのままではピニェラ政権は最後の日まで続かないと言っていましたが、その前に与党連合が分裂しそう。
野党の方も同じで共産党のグチエレス議員は子供が描いたピニェラに暴行・発砲する絵を発表しました。政府は常軌を逸していると抗議していますが、同じ野党のDC議員がもう共産党とは組みたくない、北朝鮮やべネスエラを応援する彼らの狙っている政府は私たちとは全く違うとしています。そんなの昔からでしょうと言いたいですね。
アルゼンチンの新大統領はべネスエラのマヅゥロ大統領が800名を刑務所に送ったら国連人権委員会から訴えられたが、今回のチリは2500名を逮捕し刑務所に送ったのに誰も何も言わない、いったいチリはどうなっているのか?とクレームしました。チリで確かに2500名以上の逮捕者が出ています。しかしそれは暴行・破壊・略奪行為などの犯人で隣国大統領が心配する人権問題はないと思いますが、ちゃんと情報が伝わっていないようです。
2)今週は韓国の話題が二つあります。その1はビッグ・データと呼ばれる政府が管理するデータの中で、今回の暴動を実行しているグループの分析があり、その一つはサッカーの暴力応援団(主にコロコロとチリ大学のファン)そして麻薬組織のグループ、それにKポップファンとなっています。韓国のメディアはチリのこのニュースを全くの言いがかりだとしていますが、Kポップの好きなグループが地下鉄の駅の破壊・放火に関連していたのでしょう。
3)大学入試
入試は毎年12月に行われますが、今年は暴動騒ぎがあったので1月6・7日に延期されました。現在、10月ほど暴動騒ぎは起こっていませんが、こうした大きな行事を利用して大問題を起こしたいと言うグループがいるはずで、例え一つの会場でも破壊・放火されれば入試全体が成立しません。警察にそれを抑える力があるかな

(経済)

1)経済成長率
1990年代の10年間の平均は6.1%、2000年代は4.2%、2010年代は3.3%と成長率が鈍化しているのは数字で表れています。 
一人当たりのチリの国民総生産は10年前の2009年は17500ドル、今年は26310ドルになりそうです。先進国平均は53300ドルですからチリはその半分ほどですね。  暴動の原因の一つになった所得の格差について、それを示す指数のジニ係数は2009年は0.55でしたが2017年は0.49と少し改善されてきています。

2)銅価格と為替
銅は1ポンド2.82ドルと高め安定、為替は1ドル745ペソとかなりペソ高になりました。830ペソまで落ちていましたからね。
3)年金運営利益
まだ何日か残っていますが、今年度の年金運営の利益が発表されました。一番危険度の高いAランクから危険の少ないEランクまで5段階あり、各自が自由に選べます。今年の利益はAが18%、Bが15%・・Eも9%と高い収益でした。これをもとに将来各自が年金を受け取るわけですね。各国の株式市場はほとんどの国で年間20%ほどの上昇を示しましたが、チリはマイナス15%と散々でした。

(一般)

1)大火事
首都圏の隣の州バルパライソで大火事が起きました。245軒の家がほぼ全焼しました。5年ぶりの大火事です。死者は出なかったようですが、家を失った家族が途方に暮れています。政府は被災者にまずは夏休み中の学校の体育館などを利用して簡易宿舎にし、新しい家の建築の補助などを発表しました。しかし5年前の時と同じで、消防車が来ても消火栓がなく、放水できません。空からの消火活動もありましたが、それほどの大火事なら地上の消火活動が必要で、そのような崖に近い急斜面の地区なら消火活動は不可能でしょう。そこにまた家を建てれば10年後に火事になるのでは???
この火事の放火犯として一人が逮捕されました。まだ有罪ではありませんが、誰かが近くの森に火を放ちそれが街に飛び火してきたわけですね。
もう一つの火事はサンティアゴのアラメダ芸術映画館で、全焼しました。それはデモ隊が集まるイタリア広場の近くにあり、その日もデモ隊と警察がもめていました。火事の原因を調べる消防局は建物の電気系統の問題、放火、そして警察の発射したものが発火の原因になった可能性もあるとしています。
2)性の変換
 チリの新法律でそれまでの性をもう一方に変換できるようになりました。既に100名以上が申請したとか。例えば、今まで正雄だったのが正子になるわけですね
3)橋の建設
本土とチロエ島を結ぶ橋の建設が始まっています。その橋は1996年に草案ができ、その後の政府が橋が必要とか不要とか紆余した後、やっと契約が成立しました。
韓国の現代とブラジルの会社が組んだチームが建設に取り掛かり、現在12%まで建設は進んでいるらしい。ところが突然、今週に現代がチリ政府が協力しないなら橋の建設はできない、ここで仕事は止まると発表しました。チリ政府は(公共事業省)現代が何を言っているのか分からない、両方ともに存在する契約事項を遵守するのが当然だろうとしています。現代側はもっと支払額を上げろと言っているようです。

以上