チリの風  その866  2019年12月16日―22日

暑い日が続くサンティアゴです。今日は35度でした。そうか、もう夏至ですね。
毎週、いろんなことを楽しめるのがうれしいです。
久しぶりにコンサートに行きました。ブラームスの曲でしたが、素晴らしかったです。聞き終わって、私もバイオリンかチェロの弦楽器の練習を始めようかと思いましたが、その後、嫁さんからオカリナをプレゼントしてもらったので、先ずはその笛を吹けるようにします。
そして元気に仕事をしている息子・娘と私の3人で昼食会。親の私を超える活躍をしている二人を見るのが幸せです。
土曜日はサッカー教室。休みに入っているので帰国した家族も多く、参加者は8名だけでしたが、それでも最後の練習試合まで楽しくプレーしました。
日曜日のマラソン練習も4名で出発。いつものように走り終わった後、ケーキ・コーヒーと会話を楽しみました。
いつまで続くかわかりませんが、こうした毎日が幸せです。

(政治)

1) ピニェラ動向
世論調査で彼を支持するは10-13%と最悪の状態が続いています。「この数字を見るために心が痛む。朝、目が覚めてから、夜、寝るまで国民の皆さんのために働いているのだが」とコメント。
先日、内務大臣が交替しましたが、その前大臣の補佐官をしていたウビージャが辞任しました。表向きは個人的な理由とされていますが、新大臣と息が合わなかったという噂もあります。ピニェラがそんなことを言わずもう少し残って見ろよと言ったのでしょうが。いやここまでと切られたのでしょう。


2) 与党の分裂
    新憲法設定可否の国民投票に関して与党の分裂が目立つよ
    うになりました。
    野党の言い分を聞きすぎるなと最右翼のUDI党が仲間の国民改革党RN, エボポリ党、プリにクレームし、これ以上共同
    歩調を取らないと発表。ピノチェット崇拝のUDIと通常の中道右翼の3党との見解の違いですね。
    さらにUDI党首は現行内閣は与党の統制をとれないと批判しています。
    ピニェラは両方の顔を立てようとしたけど、両方から嫌われたのでしょうね。
    UDI党首はこのままではピニェラ政権は任期最後の日まで続かないと厳しい警告。
    ところで前の内務大臣はUDI党員でした。
    同じように野党側も問題が拡大で、共産党と他の党との距離が拡大しています。ただ共産党は、私たちは市民のため
    に働いており、道を歩いていて他の党の議員なら市民から
    いろいろクレームをつけられることが多いが、私たちにはそんな問題はないと大きな顔をしています、
    その新憲法に関する国民投票が4月に行われますが、新憲法を持ちたいかと言う質問とそれを準備する委員
    会をどう設定するかと言うのが大きな焦点です。議会だけで新憲法を作るのか、一般市民も入れた委員会にするの
    か、またその委員の選定はどうするのかなどが問題点として出てきます。
    ピノチェットの作った憲法を改正するのはチリの民主化の最後の仕事だと言う声や、新憲法で所得の格差・階級の縮
    小など民主化が図れると言う声が出ています。
    私は憲法の素人ですから、具体的に現行憲法の何条のどの項目がおかしい・間違っているなどを理解できませんが、
    民主化の新憲法と言うのは進むべき道と言う気はします。
    どうなるかな?
    投票の自由制・義務化については国会内では義務化の方向に進んでいるとか。
    先週行われた国内の各区での投票の結果ですが、211万票が投じられ、新憲法賛成が91%、反対は9%で
    した。投票の義務化に賛成するのは86%、反対は13%とか。
3) 年金問題
年金の受給者が毎月少しの金額をもらっても家屋のローン借金など払うと生きていけない。その借金をゼロにするため年金額を一度に全額支払ってほしいと訴えていた裁判で、裁判所はそれを否定しました。それは将来の年金の基礎になるもので、それ以外の用途に使うための支払いは認められないと言うものです。これを彼らは国際法廷に訴え出ると言う話もあります。 この判決を受けて議員から病気などで余命に限りがあるケースなど例外を設けるのか可能ではないかと言うコメントが出ています。
4) COP25
COP25が閉幕しましたが、結論の合意事項が良くわかりません。問題は何で、それを解消(もしくは縮小)するためには何をする必要があるのか、それをどのように実施していくかの具体的な合意事項がありません。単に集まっただけの時間つぶしの会議だったようです。
2酸化炭素を空中に放出しているのは中国・アメリカ・インドがメインのようですが、その3国が具体的なアイデアを出さなければ、小国チリが石炭発電所を何カ所か閉めると発表しても世界的な影響は少ないですね。
チリは開催国として、場所も提供できなかったし、会議のリーダーシップも確かに足りなかったようです。

    それと関係はありませんが、南極に向かって飛んでいた空軍機が行方不明になって1週間がたちましたが、それは急
    にニュースから消えました。当分、飛行機は見つからないのでしょうね。

(経済)

1)銅価格と為替
  1ポンド2.79ドル、1ドル750ペソと先週とほとんど変わらず
  安定しています。大きく上下するよりこの方が落ちつけます。
2)飛行機の利用客
  サンティアゴの飛行場を利用した乗客は10月に前年対比で4.7%の減少。それが11月はさらに下がって10.3%。ただし1月
  から11月までの合計を比べると今年は昨年より6%ほどアップになっています。

(一般)
1)暴動騒ぎの数字
  10月18日に今回の反政府運動が始まり、2か月が経過しました。その2か月間の数字が新聞に発表されました。
   逮捕された数  20811名
   燃やされたバス 44台
   地下鉄駅の襲撃 131カ所
   警察署の襲撃  245カ所
   スーパーマーケット略奪  123カ所
   暴動事故による死亡者 24名
   暴動事件    2537回
   被弾による失明  23名

今週、地下鉄の駅を襲撃した(破壊と放火)事件で新たに14名が逮捕されました。略奪・放火を受けたスーパーマーケットはそのあとも正常に戻れず、9%もの店が閉店したままとか。市民の声として37%は購入額を減らしたが、54%は以前と同じレベルに戻ったとコメントしています。
地下鉄も徐々に元に戻っています。騒ぎが始まる前の日10月17日は1日273万人が利用しました。放火・破壊で路線が停まった後、10月21日から一部の路線が営業を始め、その日は16万人の利用客。それが1か月後の11月18日は171万人、そして12月に入って12日に200万人まで戻りました。まだ全路線が開通したわけではありませんが、営業時間も通常になっています。
デモ隊と警察の衝突はまだ継続中ですが、デモに参加した人の数は10月(半月ですが)323万人、11月134万人、12月(17日まで)14万人と明らかに減少しています。
2)山火事
最悪の状態です。昨年は1349カ所だったのに今年は同時期で2064カ所と増加し、12万ヘクタールが燃え現在も続いています。山火事のほとんどは失火・放火とみられています。
3)薬局裁判
大手の3大薬局が薬品価格を上げるため非合法の同意をし、それを実施したと裁判所は判決を出しました。そして20億ペソを薬品を購入した顧客に戻すように命令しました。
私も静脈血栓症の薬を毎日飲んでいますから、その被害者の一人ですが、どうしてその払い戻しを受けられるのかわかりません。薬の領収書なんか5年前のものでも先月のものも持っていません。もし彼らが本気なら私のカードを調べればどの薬局でどの薬品を何ペソで買ったかわかるはずですが。10%くらい戻ってこないかな?

(スポーツ)

1) 国民賞
今年のスポーツ国民賞は2選手でした。
一人はゴルフのニイマン、彼は昨年に続いて2年連続、もう一人は女子サッカーのエンドレル、彼女は世界最高のキーパーの一人と評価されています。
それから特別賞はマルドネスで、彼女は車いすに乗った砲丸投げ選手。世界大会で優勝しています。
2) サッカー
次のワールドカップの予選の日程が発表されました。それによるとチリは初戦を来年ですがアウェイでウルグアイと次戦はホームでコロンビアと対戦します。2連勝するより2連敗する可能性の方が高いかな?厳しいですね、今のチリ代表チームでは。

以上