(政治)

1) ピニェラ動向
シンガポールに飛んで同国の大統領やプーチンと面談。そしてその後、パプアニューギニアでAPEC会議に参加。中国の習近平と面談。
ピニェラはアメリカ・中国の貿易戦争の終焉を要請しました。そして来年はチリでお会いしましょうと結びました。2019年のAPECはチリで開催されます。戻りの道でニュージーランドを訪問し、同国の首脳と面談しました。
今週の市民調査でピニェラ政権は前のバチェレット政府と変化がないとする市民が51%を占め、新政策が実行されていないと市民に思われています。
彼を支持するは減少して41%、不支持は増加して44%。満身創痍ですね。
2) マプチェ問題
今週のチリの最大、もしくは最悪の話題です。南部のエルシジャ村の学校前で先生の車3台が停車しているところへ窃盗団が襲いかかり、「すぐに外に出よ、出ないと焼き殺す」と叫び、車を強奪。被害者は即事に警察に通報。陸と空からその3台の車の追跡が開始。警察が犯人グループと向かい合って銃撃戦が始まり、その一人が警官の銃弾に当たり死亡と言うストーリーです。
マプチェの方はその男性はトラクターを運転しており、犯人グループとの関係はないとしています。政府は警察のコメントを支持するとしましたが、怒ったマプチェ支援グループは同地区で教会や学校に火をつけました。4日で35件も。南部のみならず、首都圏でも同グループはバスに放火し全焼させるなどの事件が続発しました。
通常のルールでは警察が発砲するときはビデオをとるのですがその日は発砲した3人の警官が誰も撮影していなかった由。ところで銃撃で死亡した24歳の男は学生の時に反政府活動を開始しそれ以降何度も、過激な事件を起こしており、逮捕歴も多数あるらしい。
野党はピニェラ外遊を中止し帰国するよう要請しました。政府はこの問題を政治的に利用しないよう注意しました。
まだ最終結論はでていませんが、警察側に過剰な攻撃があった疑いがでてきています。そうなら現政権の政策、もしくは軍のコントロールが上手に実行されていないことになります。
突然、日曜日の午後、風が変わり、警察幹部や現場警官が数名除名処分。理由はビデオを消してマプチェとの抗争が外に出ないようにしたからです。これは来週も大問題になりますね。もしかしたら殺人事件になるのかな?
3) 新左翼議員と極左グループの殺人・誘拐犯との面談
先週、報道された事件は更に尾を引いて、右翼側が彼の処罰を要求したのですが、新左翼陣の民主革命党は「その面談は適切ではなかった。党として面談を実施したのではなく、彼個人が判断した」とコメント。この問題が尾を引くと左右の激突が起こり、次の選挙で票が中道派に流れてしまうと心配したのでしょうね。市民の過半数がその面談は適切でなかったと考慮しているとか。
4) 移民支援
移民としてチリに来たが上くいかなかった人を祖国ハイチに移送する援助をチリ政府は実施していますが、今までで100万ドル以上のコストがかかったとか。
しかしこれは去年に有罪になった移民追放にかけたコストの半分とか。
次回、ハイチに移民を戻す時、チリに帰る飛行機をベネスエラに寄せて、そこのチリ人を救助する計画になりそうとか。