1) バチェレットの外遊
先日のべネスエラ訪問はドタキャンしましたが、今週はアフ リカ訪問を実施。最初の訪問国南アで先方の大統領と面談し、「チリは欧米・アジアとは密接な関係を持っているがアフリカとはコンタクトが少ない。その宿題を今回、何とか進めていきたい」とコメント。先方は「南アは民主主義が発達しているので男女の差はない。つまりチリのように女性大統領が出る日も近いだろう」
しかしチリの内政問題を見ていると、こんな悠長な話をするためにアフリカに行く必要あるのかと思ってしまう。
さてボリビアのモラレス大統領は「ボリビアとチリの関係はアメリカとキューバのそれと同じ」とコメント。ボリビアとキューバは仲良しですからね??
チリ社会党の元党首エスカロナは左の共産党から中道のキリスト教民主党DCまでが形成する「新多数グループ」の全部を守ろうとすればどこかのグループ(党)が離れていくのは避けられないとコメント。以前から言われていることですね。前回のバチェレット政権では共産党が入っていない中道左派政権でしたから、DCと社会党が合意すれば連合は動いたのですが、今回はもっと左翼の共産党が入っているのでDCとの亀裂は大きい。つまり彼女の4年の政権は最後まで順調にはいかないだろうと言うことがはっきりしています。
2) 選挙制度改革
国会議員数を増やすが、経費は上げないと言うアホな話を政府はしていますが、これに関し議員の中から給料値下げ(直接給料は下げられないがその他の諸手当を減らす)はやめてほしいと言う声が大きくなってきました。なんやそれ。
じゃ、何故議員数を増やすの?と言う市民の疑問に応えてほしい。自分の都合のよいことだけを主張する議員などいりません。
3) 教育改革
レベルの高い教育を無料で国民に提供するというバチェレット案は毎週もめています。今週は大学教育の無償化が始まれば、現在存続する国家奨学金がなくなると言う点が問題視されています。バチェレットは2016年から大学教育は無料になるとコメントしていますから、その時点で問題は一層鮮烈になるでしょう。
エイサギレ教育大臣は新税法で国庫に入る税金の3分の1は大学教育無償化に使われると言うが、専門家の話ではどう見ても政府案では不足になり実現不可能とか。
新税法で82億ドルを増収すると政府は見ていましたが、それを今週83億ドルに上げました。まだ始まっていない新制度で、総合額を議論するのは机上の空論とも言えますが、どうかな?取らぬ狸の・・・かな。
怒り狂った学生が街にあふれるのが目に見えるよう。バチェレットの前政権時でもペンギン運動と呼ばれた学生運動を政府は抑えきれず大混乱になったのは記憶に新しい。土曜日にサンティアゴ市内で改革に反対するデモがありました。 そうそうこの増税案の中にピスコ酒の増税がありますが第4州を地盤するピサロ(DC党員)が乾季が続き葡萄生産に大きな影響が出てコストが上がっているピスコにこの増税により価格が上昇すれば、販売に大きな影響が出るのは明らか。これを実行するのなら自分は身を張っても阻止したいとコメント。友党の社会党から「自分の地盤と言う小さな問題を大声で取り上げず、チリ全体の問題として考えてほしい」と嫌味な忠告。大蔵大臣が彼に電話をかけ、「数字に若干勘違いがあるようだ」と言うと問題は消えたとか。何それ?冗談みたいな話。