(政治)

1) バチェレットのアメリカ訪問
オバマとの会議の中でエネルギー問題がでて、チリの水力発電ダムが環境破壊の問題から建設不許可になったことをオバマが持ち出し、その件はアメリカがシェールガスを輸出することで問題の軽減が図れるとしたもよう。もちろんたんなる親切からの発言ではないでしょうが。
オバマはチリはラテンアメリカ諸国の中で最も民主化が進み、政治が安定し、経済が活性化していると持ち上げました。 もちろん外観はそうでしょうが、アメリカに逆らわない国という考えが基本でそうね。その点は日本と同じですね。日本が集団自衛権を確立するとアメリカと一緒にアフガンとかイラクに行って戦争することになりそうですね。近年で最悪の大統領と言われるオバマですから(オバカではありません)
彼と行動を共にするのはやめた方が良いのでは。
中米で唯一安定しているのはコスタ・リカですが、近隣諸国と目立った違いがあります。カリブの海は同じなのに観光客はほとんどその国に向かいます。観光は同国の最重要アイテム、麻薬や政治関連で殺しあっている近隣諸国とは違います。チリも南米一の安定性を継続してほしいもの。
昔、コスタ・リカに行ったとき、美術館でゴッホの絵があったので驚きました。
2) バチェレットの改革案 
世論調査でバチェレットの人気は前回よりわずかだが上昇。しかし中心政策の新税法と教育改革案はどちらも市民から疑問視されています。
政府が校舎を買い上げると言われる半公立学校の場合、父兄と先生が反対声明を出しています。土曜日ほとんどチリ全国で父兄のデモがあり教育制度改革は賛成だが、現行案は受け入れがたいとしています。このデモに昨年は与党だった現在の野党側国会議員も参加。昨年と全く逆の動き。
また学生に占拠されている高校では父兄が自分の子供に教育を受ける機会が失われるとして転校を考慮中とか。占拠された校舎に大きなダメージがあることから警察が入って誰が破壊活動をしたのか調べ始めました。
もう一つの問題点、新税法に関し、元大蔵大臣6名が国会に呼ばれ意見を聞かれました。彼らも新税法で新規投資が抑圧される可能性があること、利益についての見方に疑問があると否定的なコメントしています。
現行の選挙システムを通常のものにする改正案を国会に提出するため交渉が行われていますが、政府側はその見返りに議員数を大きく増やすことを条件にしています。つまり現在の議員は新システムになっても当選の可能性が増えるとして野党側のRN党も賛成の意向。極右のUDII党はシステム変更についても議員数の増加にも反対しています。右翼と左翼が一人づつ当選するようなおかしな現行制度は変えるべきですが、何故議員数を増やさないといけないのか、その理由が明白でなく、経費を増やすだけのように私には思えます。
前バチェレット政権時の大蔵大臣で先の選挙にも出馬したべラスコは現政権では左翼がすべてを牛耳っており中道のキリスト教民主党DCの声は消えているとコメント。共産党が入ったのですべてが変わったわけですね。 このため教育改革案を円滑に実施するため教育大臣の右腕としてパルマが起用されましたが、彼は自分がDC党員でなければこの職は回ってこなかっただろうとしています。そんなバランス取りの政策でうまくいくのかな?