(政治)
1) カスティジョ火力発電所
発電所計画が最高裁判所で差し押さえされたことについて環境保全省の大臣マリア・ベニテスがクレームをしました。大臣は裁判所は技術的なデータの取り扱いを誤っており、そのため誤った結論が出たとしました。もちろん裁判所側は正面からこれに反論し、政府と司法は独立の機関であるから、彼女の批判を受けるつもりは全くないとしています。
確かに先週のチリの風にドイツがこの発電所より大気汚染の可能性がある発電所を承認していると書きましたが、大臣のコメントもそれにそったものでしょう。何しろ2010年から現在までに自然保護関連で裁判所が介入した件は25件ある由。(裁判になると政府が負けるということでしょうか?)
野党側は大臣の司法へのクレームは憲法違反だとし、彼女の罷免を要求する動きをしましたが、与党側はバチェレットが経口避妊剤の学校配布に関する裁判所の決定を批判するコメントをしたことを取り上げ、自分たちの時代にしたことは認めながら、野党になると急に違う方針になるのかと対決姿勢を強化。いつものように与野党のにらみ合いです。
さて野党の中の動きですが、バチェレットは野党連合の助けを借りなくても大統領に戻れるだろうが、政権を維持するには基盤たる政党連合が必要とし、昨今の急激な左翼化はバチェレットの狙うところでは無いとする意見も出ています。地方選挙の結果でバチェレット担ぎの勢いが変わってきますね。
2) 教育問題
先週、スペインの新聞でラテンアメリカの公共教育に関する各国の世論調査の結果を見ましたが、そのニュースが10日ほど遅れて??チリの新聞にも掲載されました。コメントとしてチリは公立学校と私立学校の教育に大きな差があるのが問題としていました。18が終わるまで学生デモはないようです。
3) 軍隊の改革と差別廃棄
チリの軍隊の中で差別があるのかないのかが先日から問題になっていますが、元防衛大臣のラビネットは同性愛の人間を軍隊が嫌うのはチリだけではない、世界共通の動きだとコメント。世論の動向で軍隊は揺れ動く必要は無いと言う訳ですね。確かにアメリカでもこれは問題になっていました。
しかし差別廃棄が世論の中心になってきたチリではこの元大臣の発言は時代遅れかな?
チリの18関連ですが、この時期に宗教界が総会を開き、政府を始め政財界のトップを招きます。今週はプロテスタントの集まりで、そのトップの人間は政治について厳しい発言、例えば先日マリワナをすっていると証言した議員がいるが、即時辞職すべきだとしました。その議員は「驚いた、宗教のトップに立つ人間が差別を声高々に叫ぶとは」とコメント。来週のカトリックの場合はどうなるのかな?