(政治)

1) バチェレット
彼女はペルーの大統領就任式に出席し他国の大統領と歓談。アルゼンチンとメキシコが通商条約関連で接近中とか。前のおばさんは左翼主義を前面に打ち出していましたが、新大統領のマクリは柔軟ですからね。メキシコはアルゼンチンが何とかOECDに加入できるよう助けているとか。
さてバチェレットの責任は日に日に拡大しています。読者の方は、可哀想に彼女は夜も良く眠れないのではと思われるかもしれませんね。
私の想像は全く逆です。彼女は問題をしっかり受け止めようとはしていません。「私がこれだけ努力しているのに世間はどうしてそれを理解しないのかな?」などと言いながら。
私の見方は多分当たっているでしょう。バチェレットは苦しんでいません。違うかな?
世論調査でバチェレット政権は期待したよりひどいと考える人が74%、想像通り良いと思うのは20%とか。いつも同じような数字です。
2) ラゴス元大統領のコメント
あと1年半のバチェレット政権をこのまま放置しておくことは黙認しがたいとコメント。「一議員や一政党の問題でなく政治体制そのものを立て直す必要がある。こんな政治危機は民政化が始まって以来初めてだ」としました。
野党ではないですよ、彼は与党側の元大統領ですよ。最右翼のUDI党が良く言ったと同意の発言。実は現状はそこまで行っているのですね。
政府内で、見かけでなく本格的な閣僚変更(役に立たない大臣を全員首にしようと言うことですね)が必要と言われています。
政府内で何とか市民に喜んでもらえるニュースはないのか探し回っていますが、その一つとして、エネルギー大臣が、発電に関するテンダーをしたら、13000GWNの要求に対し、その7倍もの乙波があったとし、これでラテンアメリカで一番高いチリの電気代は大きく下がるだろうとコメントしています。まだテンダーが開かれていませんから、大きく下がるかはわかりませんが、良いニュースになりそうです。もっとも電気では発電・送電・配電の3分野がありますから、それぞれが努力をして価格を下げてほしいもの。

3) 教育問題
アイセン大学の学長が政府案を批判するとして教育大臣が、彼女の辞任を要求しました。それに内務大臣がサインして政府案としました。しかしその学長は教育大臣も単に任命されて仕事をしているだけで、その大臣が言うことを各大学の学長が指示として受けとめる必要はないのではとし、辞任を拒否。与党側の議員にも、辞任要求は行き過ぎと言う声が出ています。
4) 年金問題
チリの年金は各自が納入した金を民間会社が運営し、それを基礎に年金が払われます。各運営会社は独自のコミッションを取りますが、一番高い会社は年1.5%、安いのは0.5%です。新聞の発表では2010年にその一番経費の高い会社は、最大手ですが、チリ全体の41%のシェアーを持っていました。今年2016年は32%に減少。一番安い会社は逆に1%だったのが15%に上昇。やっぱり掛ける人もちゃんと見ているわけです。その意味では公立の会社がこの分野に参入すれば、競争が増えて経費率は更に下がるでしょうね。
しかし問題はそこではありません。現在チリの年金問題はもらえる年金が低すぎると言うことです。勿論理論的にはもらえる年金が低いのは毎月給料から天引きで掛けたお金が少なかったわけで、仕組みの問題ではありません。
ただチリの年金生活者の半数以上が最低賃金に達していないことから、年金生活者だけでなく一般市民もチリの年金制度の変更を要求しています。
政府組織が年金の基礎になる金を集め、運用し、支払うことになると、当面は「年金は常に最低賃金を上回る」と言う課題をクリヤーできますが、数年たつと基礎になる金額が不足するのは明らかで、日本と同じように問題を先送りしても、年金破たんが来るでしょう。
バチェレットはこの問題に関し市民にお愛想して、仕組みを変更し、問題を先送りするいう手を取るかもしれませんが、日本方式は破綻しかありませんから、絶対やめてほしいです。現行の仕組みはピノチェットの時代1980年に開始しました。私は新方式が始まった最初の月から、この新方式で年金の積み立てを始めました。そして30年以上支払った後、現在、その年金を受け取っているわけです。