(経済)

1) アメリカの経済危機は深刻ですが、バチェレットが如何にそれに同意せずとも、チリに危機が訪れていることは否定できません。1982年に国内恐慌が起こったチリは(私は1980年から日本の商社に入り日本製タイヤの販売を担当していましたから、日に日に状況が悪くなっていったのを覚えています。何しろ銀行LCが開かれないのですから)
1981年に45あった国内銀行はその後、激減しなんと2002年には25しか残っていませんでした。82年は国民総生産が14%落ち、プラスに戻るのに3年かかり、やっと85年に2.4%になりました。
つまり成長率が止まると、経済停滞ですが、これを受けて会社が人員の削減を図り、失業者が増大します。これが借入金の返済不能に直結して銀行の倒産につながったもので、アメリカの現在の危機と同じ状況。それが再現するのかと心配されているわけ。
28日の日曜日、政府は全テレビ局を使って宣伝を流しましたが、アメリカから戻ったバチェレットが世界の危機はグローバル化にのってチリにも来るが、幸いなことにチリは準備が整っているとし、その後、午前中マラソンを走った大蔵大臣が(もしかしたら昨夜の収録かもしれないが)世界の大蔵大臣の中でチリの私ほど、この危機が国に影響する可能性が少ないと胸を張っていえる大臣はいませんとしました。教育にせよ雇用問題にせよチリほど安定進歩している国は無いそうです。
ホンマかな?頼むで大蔵大臣さん。
しかし9月の建国記念週間が終わって、銀行の貸し付け金利が1.5%も、突然上昇しました。経済の動きが止まってくるのが目に見えています。世界的な不安定さは顕著で、石油の価格、銅の価格、株式市場の動きと連日大きな変化を見せ、対ドルのペソ価格も高くなったり安くなったり。しかしこれを商売にしている人はたまらないでしょうね、翌日どうなるのか誰にも分からないですから。
これはチリの厚生年金にも影響して、毎月同じように預けているのに、貯蓄合計額が下がっていきます。たまりませんね。

2) 新車の販売
7月は前年対比24%と大幅アップした新車の販売ですが、8月は08年車の一掃セールが実施されたのに8%アップに終わりました。(9月から09年モデルの販売が始まります)心配の種がここにも。

3) 食品メーカーの世界大手オランダのネツレコ社がチリに所有するサーモン工場の一つがISA病のために閉鎖されました。もちろんこれはチリにとって悪いニュースですが、こうして生産が落ちていくと、製品価格は上昇するでしょう。で、今年は苦しんだサーモン業界は09年に一息つけると見込まれます。