(政治)

1) 我がバチェレット大統領はアメリカ訪問、国連総会に参加しました。しかし今回の彼女の訪米は目新しいことが多く・・・

(1)国連総会での挨拶
 彼女は堂々と先進国を批判。8年前新しい希望の世紀が始まったと言われたのに一部の無責任な国のエラーで世界的な恐慌の兆しが見えるのは誠に残念ですとしました。
これはフランスやブラジル大統領の発言に追随するもので経済恐慌の責任をはっきりさせ、さらにそれを軽減させる責任を取らせたいとするものです。
しかしこの国連総会はニカラグア大統領を始め、反米(反イスラエル)勢力がプレゼンスを見せた総会になりましたね。

(2)記者会見
   アメリカに軍事革命が起こらないのは、ここにアメリカ大使館が無いからだと発言。ボリビアやベネスエラで最近アメリカ大使追放事件が起こったことを取り上げたのでしょうが、悪い冗談ですね。彼女は英語が上手いので、このコメントをもちろん英語でしています。それをテレビのニュースで見ましたが、反アメリカ宣言かな?
ところでボリビアから追放されたそのアメリカ大使は以前コソボ駐在だったのですが、コソボセルビアからの独立に画策した人物です。ボリビアでも同様のことを行っていたのでしょう。小さな国をさらに2分させて、アメリカの言いなりになる国(地域)を作るのでしょうね。

(3)民主党ケネディにチリの国家勲章を授与。
これって余りに露骨に反共和党(反ブッシュ)を表明しているのではないでしょうか?彼女がブッシュ嫌いでも、一応表面上は中立を保つのが一国の大統領の取るべき姿勢と思いますが。

2) 地方選挙の選挙運動が公式に開始されました。候補者の立て看板が道路わきに並び、信号を隠すような問題が出たり、運動員が対立候補のポスターを破るなどの騒ぎが既に起こっています。
さぁ日本で20歳からずっと社会党に投票してきた私ですが(共産党には入れなかった)今回はそれを右翼に変えようというのですから・・・

3) もう20年たったのですね。ピノチェット軍事政権延長可否の投票が実施されてから。あれは1998年10月5日でした。その日を与党側は国立競技場でお祝いしようとしていますが、次の大統領候補者はその場を借りて自分の所信表明を行わんと虎視眈々と機会を待っているのでしょうね。しかしなんだかおかしな雲行きで、左翼側(社会党やPPDなど)が中道のDCにすりより、2回続けて左翼側から大統領が出たので(ラゴスとバチェレット)もし与党側統一候補がDCから出ることになれば、それを応戦したいとしています。与党分裂を防ぐための譲歩かな?相変わらずラゴスは自分は予備選挙には出ない、みなさんに頼まれれば代表候補にはなりますと態度が大きい。
しかし野党側候補ピニェラと与党側候補者の差が余りにも大きく、ピニェラが自分でこけない限り勝てる見込みはありません。
にもかかわらず与党側から二人の候補者を出すと言っているのでは、完全に与党は自滅していきます。与党側から迫力のある新顔でも出なければ、次の大統領選挙の結果は明白です。

4) 国の透明度
毎年発表になる統計ですが、チリは毎年ランクを下げています。06年の20位から低下し、汚職が増加していることを示しています。今年度は世界180か国中23位でした。日本は少し上の19位でした。昔はチリのほうが日本より、上位だったのじゃないでしょうか。
この結果、チリはラテンアメリカの首位は確保したもののウルグアイとトップを分けることになりました。
政府側の発表は依然としてトップじゃないですかと動揺した様子はありませんが、明らかな低下傾向は心配事項ですよね。

5) 教育省の援助金不明問題
教育省の不正援助問題で前大臣がこの4月に罷免されましたが、その後も使途不明金の調査は継続されていました。数ヶ月たった後、結論として2620億ペソの巨額の使途不明金につき教育省はすべて明白になったと発表していますが、それに有効な領収書が添付されていないことが調査室から公表されました。政府は渋い顔で調査は尚も継続すると言っていますが、誰かの懐に入ったか、選挙資金に使用されたのでしょうね。