(政治)

1) バチェレット大統領はイギリスを訪問。女王陛下と会見しました。彼女は英語が達者ですから通訳無しに自由に会話が楽しめます。その他にドイツ語もフランス語もできるんですからね。たいしたものです。

とは言え、先週リマを訪問したRNのピニェラの活躍を苦々しく思うバチェレットはペルー政府に不満を伝え、それはペルーの大臣のチリ訪問ストップに結びつきました。裁量が小さいですね。何故彼女がピニェラのペルー訪問を嫌ったか、逆にどうしてペルー側は大統領を始め政府高官が彼にベストアテンドをしたのか深読みする必要がありますね。

彼女は次は中国訪問です。ここでも問題はありますよ。

2) しかし彼女が留守にしたチリで、教育大臣を憲法審議していた下院が多数決で彼女に責任問題ありとしました。その処罰を決める間、停職処分になりました。この裁決がどうなるか票を読みきれなかった与野党は、例えばRN党は会議に欠席した議員には百万ペソの罰金と発表、UDIは病気入院中の議員を救急車で国会までつれてきて車椅子で登院させるとか、政府側も怪しい動きの議員を大統領の随員として欧州に派遣とか、いやはやテレビの番組のような派手さ。結果は59票対55票でした。

次は上院でその処分が審議されます。多分、5年間の公職追放処分と見られます。つまり彼女がなりたかった国会議員は当分無理です。

ラゴス前大統領はこの結果を見て、これはすべて野党議員の政治的演技で、チリ国会の低レベルの恥を世界に知らしめたとこき下ろしました。もっとも大枚のお金が紛失しているのは事実で、彼女がそれを横領しているかどうかは別にして、その真偽を図るのは当然でしょう。また教育省の不審が始まったのはラゴスが教育省の大臣をしていた頃からと言う噂もあり、余り高飛車に出るとあとでしっぺ返しがあるのでは?

彼女をあくまでも救おうとする政府側の次の作戦は上院議員の懐柔策と彼女の辞任を認める方法です。もしそうなれば、彼女の辞任を要求していた野党はこれを受け国会での審議を終了する可能性があります。それなら次の選挙に立候補できますからね。