チリの風 その1074 2023年12月11日-17日

もちろん今週の話題は新憲法草案是非の投票ですね。
さて連日30度ほどの気温が続くサンティアゴです。もう夏です。
今週の登山は第4展望台の冒険コースを歩きました。下りに新しいルートを歩いたら道に迷って大苦戦でした。その他に郊外のマイポ渓谷に行きました。中心街で満席の小型バスが2台止まっていたので聞くとカヌーなどの川遊びのツァーでした。私は川より山が好きなので、そのバスには乗りませんでした。
ラソン練習ですが、週日の10キロは完走しましたが、日曜日は投票のため、練習中止でした。
それから血栓症の薬の検査に病院に行きました。戻る時いつものようにそのレコレタ区から中心地区まで歩くと道路がゴミだらけで、ホームレスのひとがあちこちに。私の住む地区とは全然様子が違います。
近くの公園でクリスマスコンサートがありました。演奏・コーラスそれにダンスです。しかし郊外のコンサートだったのに、すごく良い音響でした。機械が進歩していますね。昔は郊外のコンサートはうるさいだけでしたから。
こうして毎日忙しくて幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
山火事のための大型消火飛行機2機がチリに来ました。その受け取りの儀式にボリッチは参加。しっかり働いてねと頼んだのでしょう。現在の段階で30か所で火事が起き、そのうち12か所が延焼中です。多分来年の2月ごろまで全国各地で山火事は継続でしょう。
さて毎日、ボリッチの近辺の様子が悪くなっていきます。貧困層援護の住居省からの住宅建設援護金を新左翼グル-プの議員が不正に使用したと逮捕され、裁判になりました。それに関連してモネダ宮殿の2階部隊の重要人物も関連しているようです。
それから1年前に大統領が凶悪犯人を恩赦して話題になりましたが、その時、釈放された一人が、強盗や誘拐の疑いでまた逮捕されました。右翼の議員は大統領に自己批判をするよう要請しています。どうしてそんな人物を恩赦する必要があったのかです。
今日の投票のため、彼は南米最南端の町プンタ・アレナスに行きました。そこに選挙登録してあるからです。もちろん、その登録は簡単に現在の住居に変更できますが、彼はそれをしないで毎回投票の度に両親の実家に行くわけです。国の費用で小バケーションですね。彼のレベルが分かります。
それから彼が即刻対応すべき案件の一つは民間健康保険のイサプレです。それらの会社が倒産し始めれば、市民の医療に大きな影響が出ますから。
憲法案の投票が終わったので来週に内閣改造が起きそうとか。

2)新憲法投票
朝早く私が投票所に行くと大勢の報道陣が待ち構えていました。ピニェラ前大統領の到着を待っていたわけです。そういえば前回の投票時は彼を実際に見ましたが今日は10分ほどの違いで会えませんでした。
少し前にボリッチがチリのマスコミ批判をしましたが、それもあってか今週のマスコミは今日の投票について派手な報道をしませんでした。新憲法が成立すればどうなるか、拒否されればどうなるかなどの細かい分析はありません。私の所にどっちに投票するか質問の電話が来ましたが、そんな世論調査の結果もあまり報道されません。毎日、賛成派が増えているとすれば政府批判のようになるからでしょうか?
今週、新憲法反対派としてバチェレットが表面に出ました。彼女はもう一度、大統領職に就きたいのですが、この新憲法案は2回までと決めているので彼女は反対すると言うコメントがあります。じゃ3回までとなれば彼女は新憲法に賛成するのかな?もちろん、このニュースが本当か嘘かは分かりません。

さてその結果ですが・・・
何と、いや、やっぱり拒否が圧倒的に勝ちました。55%対45%でした。
4年前の社会騒乱の時、左翼グループがピノチェットの作った憲法を俺たちの手で替えると叫びました。右翼はそれを無視しましたが、左翼の勢いが大きく最終的に新憲法設置委員会の成立が決まりました。そして国民投票でその委員が選ばれ、その委員会の議長はマプチェの女性でしたから如何に通常の雰囲気と違うか分かります。しかし、その委員会が作成した新憲法案はかなりの差で否決されました。そして今回の第2回委員会の新憲法が作られたのですが、また前回と同じくかなりの差で否決されました。じゃ何のために新憲法案を作成しているのと言いたいですね。現行憲法を維持しましょう。
さっき出てきたレコレタ区の区長はこんな最右翼の共和党が中心になった新憲法案を潰すのは当然だと言っています。彼は共産党です。

ボリッチは投票から首都圏に戻ってきてテレビで演説しましたが、もう新憲法案は据え置きにしたい。他に重要案件が山積だからとしました。

(経済)

1)銅価格と為替
 今週は1ポンド3.84ドルとかなり高くなりました。すると為替も1ドル866ペソとペソ高です。
  専門家のコメントで「今まで考えられていたより生産が伸びない。従って需要・供給の関係から値上がりした」とか。それなら需要もそんなに増えているのですかと聞きたいですね。
  新憲法投票によって明日から為替や株式市場の数字が大きく動くだろうと言われています。
2)銀行金利
 家屋の購入のための銀行貸し出しの金利が少し下がって平均5.24%になりました。それでも2009年以来の2番目の金利です。

(一般)

1)犯罪
外人囚人の国外追放
最近、よく起きていますが、犯罪を犯した外人移住者を国外追放して、飛行機で彼らの本国に送りました。
経営者の不法行為
2400億ペソといまだかってなかったほどの規模の税金逃れの事件が見つかり、関係者55名が逮捕されました。それほどの規模のグループが同じ行動をするなんてよっぽど魅力あるアイデアだったのでしょうね。裁判が進むともっとわかってきますね。
モール内での犯罪
首都圏のニュニョアにあるショッピングモールで、大事件が起きました。銃を持った数人の犯人グループが商店を襲い掛かったとき、警察官がそれに対決しました。犯人グループはそこから逃げるのに従業員を人間盾として使い、警官が自分たちに発砲して来ないようにしました。ビルの前に待っていた車に乗り込み逃走しました。その事件の時、そこに社会党党首(女性)がいて、危ないから床に伏せるように言われたとか。次の国会で、彼女は犯罪防止法案を本気で推進しようとするでしょうね。
都内で車を強奪しようとした4人組に、車の運転手が発砲し、犯人の一人が死亡しました。その運転手は元警官で、正式に銃の所有を認められていました。
殺人事件にはならないでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦より重要度は低いですが、チリカップ戦でコロコロが優勝しました。しかし大事なリーグ戦に勝たないとして監督が解任されました。
解説者がコロコロ・チリ大学・カトリカの有名チームは名前ばかりで力はないとコメントしています。


以上

チリの風 その1073 2023年12月4日ー10日

私の住居の近くの道は、街路樹にジャカランダの木が多く並んでいますが、その紫の花が地面におちています。
昔、南アフリカに年末に行ったとき、ジャカランダ・ロッジと言うホテルに泊まりましたが、庭にその花が咲き誇っていました。
チリも南アも同じ南半球ですからね。
頼まれていた原稿を書いて日本に送りました。季刊誌に掲載されます。いつも同じことを書きますが、こうして何かすることがあるのが嬉しいです。
今週のサンティアゴは連日30度を超す暑さで、今日は35度まで上がりました。
スポーツですが、マラソン練習はいつものように走りました。朝早く走り始めても暑さはきついです。
ただ山登りはいろんな事情で中止になり、近くの丘のぼりをしました。
土曜日は日本人学校でサッカー教室があり、10数名の参加者で楽しく練習しました。武村兄弟が帰国するので、日本での活躍を祈って胴上げをしました。
8日がキリスト教の祝日になったので、3連休になり、多くの車が首都圏から郊外に出ていきました。その日は妻の誕生日だったので日本レストランに行って和食を楽しみました。それから妻が助手を使ってチリ式クリスマスケーキを作りました。 それを知人・友人に配って喜ばれました。
それから「なるほどトーク」と言う番組をオンラインで見ました。ペルーが舞台でした。先月は私が講演したのですが。
毎日、楽しい日を送っています。

(政治)

1)ボリッチ動向
今日、アルゼンチン大統領の就任式があり、ボリッチはそれに参加しました。テレビで新大統領の演説中継を見ましたが。「過去12年間、インフレが急上昇し、GDPが落ち込むと言う厳しい状況が続いたが、それを何とか正常化すると言うのが、私の目標です」確かにそうですね。どうなるかな?
ブラジルの大統領はその招待を断りました。
ボリッチは土曜日にアルゼンチンに入り、就任式の後、日曜日の夜に帰国しました。
さて身内の新左翼の政府資金の不正使用をはっきりさせる必要がありますが、ボリッチはその対応を放置し、担当の社会党のモンテス大臣を交代させる事にも手を付けません。
2)新憲法
 次の日曜日が投票日ですが、全然盛り上がりません。気の狂ったように賛成・反対の旗を持ったデモ隊が街にあふれるのが通常でしょうが、今回はほとんど何の動きもありません。興味が無くなったのかな?
バチェレットがこの新憲法では女性の人権が現行より軽く見られるとし、反対に投票すると発表しました。すると賛成派の女性グループがその判断は彼女のエラーだと厳しい批判をしました。バチェレットは新憲法反対派グループを代表する役割をこれから実行するようです。
その賛否の意見より、私に賛成できるのは、「第一回新憲法が否決されて、即時に第2回新憲法委員会が出来たが、それ少なくとも何年かおいてから再実施されるべきだ」とする意見です。どうでしょうか。
反対派の意見ですが、「ピノチェットが1980年に作った現行憲法は変えたい。しかしこの第2回新憲法案はそれよりひどい。だから反対する」となるほど。
両グループの宣伝が毎日テレビで流れますが、今回賛成を唱える野党側の宣伝で、「私たちは賛成、ボリッチは反対」と言うフレーズが繰り返されます。

(経済)

1)銅価格と為替
残念、今週は銅価格が下がりました。1ポンド当たり3.72ドルでした。為替は1ドル874ペソと先週と似ています。
しかしリチウムの価格の変異は異常です。2022年11月に1トン81565ドルまで上がったのに、今週それが13400ドルまで下がりました。84%の減少です。
もちろんチリにそれは大きく影響しています。EV自動車の問題で需要が減少し、逆に供給は拡大しているのがこの問題の根源とか。
来年はまだ下がると見られています。こんな状況では誰もリチウム鉱山に投資はしませんね。
2)最低賃金
ラテンアメリカ諸国の最低賃金のドル比較がありました。一番上だったのはコスタ・リカ、次いでチリです。逆に一番低いのはベネスエラその上はアルゼンチンでした。なるほどと思われます。私がチリに来た頃はベネスエラとアルゼンチンはトップを争っていました。逆にチリは最下位に近いランクでした。そんな短い期間で上下が大きく入れ替わりました。国民が、実力があって努力をしても、運がなければ落ち込んでしまうと言う例ですね。がんばれチリ。
3)物価上昇率IPCと求人数
11月の物価は0.7%と予想より高い数字でした。求人数は18か月連続で減少しています。
 家屋の購入のための銀行金利が平均で5.3%になり2009年以来の高い数字になりました。家屋の販売は落ち込みますね。

(一般)

1)犯罪
 首都圏の一部の区が自分の区を特別区と認定し、元警官などを採用して、自分たちの手で犯罪から区内の安全を図ろうとする動きが先週、始まりましたがそれが輪を広げています。またそれらの区長がモネダ宮殿を訪問して政府と意見の交換をしました。しかし監督局の局長はそれを憲法に決められた方針ではない ときっぱり否定しています。
 犯罪グループの争いで銃の発砲がされ、近くにいた5歳の子供が死亡しました。ピノチェット軍事政権の時にはほとんど犯罪は無かったのですが。
 それから民主化した後も、4年前の社会騒乱が始まるまでは、チリはそれほど危険な国ではなかったです。
2)カトリックの祝日
 8日はカトリックの祝日でしたが、バルパライソ州のロ・バスケス教会にお祝いに駆け付ける信者が90万人を超えました。遠いサンティアゴから半日かけて歩いてくる人もいるとか。前日の木曜日午後から幹線道路交通が遮断され、信者優先になりました。毎年の事ですが、変わった習慣です。教会の前に着くとそこから膝まづいて歩いたり、寝そべって前に進む信者が出ます。苦しい思いで教会に入るのが信者の喜びなのですね。
3)山火事
その教会の近くのクラカビで山火事が起き、それがサンティアゴにも影響しました。木曜日の午後、首都圏の上空は雲で覆われました。今までに1000ヘクタールも燃えているとか。ヘリコプターと航空機の消火活動が行われていますが、まだ消化になるには遠いようです。かなりの家屋が火に襲われ、その近くの地区では家財を出して安全な地区に移動するのが多くなっています。
何か所もの山火事は収まる様子がありません。そして、それがもっと南の州にも移りそうです。もっとも高温からくる自然発火と人間の放火の可能性があるのですが。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が終わり、先週2位だったワチパトが優勝しました。2位が勝ったのに首位だったコブレサルが負けたからです。
人気3チームの成績はコロコロ3位、チリ大学9位、カトリカは7位でした。
それから来年開催されるアメリカ大会でチリはアルゼンチン・ペルーと同じグループに入りました。もう一つのチームは未定です。
アメリカップに優勝した時代もあったのですが、今は参加するだけになってしまいました。


以上

チリの風   その1072     2023年11月27日ー12月3日

今週の一番の話題は南米諸国を調査している人に会った事です。彼から依頼のあったチリの政治・経済の現状と歴史の話をしました。もちろんモネダ宮殿にも行って軍事革命50周年の話もしました。彼の仕事に役立ったかな。こういう機会が巡ってくるのが嬉しいし、ちゃんと責任を果たせるのが幸せです。
スポーツはいつもの通り、マラソン練習と登山です。10年前には、そんなことは考えもしなかったですが、今では毎回、いつまでこの元気が続くだろうと心配しています。会社員をしてフルマラソンを走っていたころは週に50-60キロ走っていましたが、今では20キロにもいきません。もちろん、今週もいつもの週日の10キロと日曜日の仲間との練習はばっちり決めました。
登山は第3展望台まで3時間コースを歩きましたが、そろそろアポキンドの滝7時間コースに挑戦する気になっています。
つまり、毎日、疲れてベッドに入ると、今日も楽しい一日だったとニッコリするわけです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 夜のニュースの時間に全テレビ局で来年度予算について政府の方針を説明しました。毎週、犯罪が増加して市民が恐れていると言われるので、「今までより大きな予算を作り、市民の安全を確保したい。凶悪犯グループを放置してはいけない」としました。来年度予算でなく、今すぐその方針を実行してほしいと市民は言うかな?今週、不法入国して、チリ国内で犯罪行為をした犯人29名を空軍機で、その犯人の母国へ送り返しました。

地下鉄2号線で新しく4駅が完成し、その始発の祝いがボリッチも参加して行われました。
そこの終点から都内の中心までかかる時間が、今までより1時間近く縮小するので市民は大喜びです。1日で2時間も自由な時間が増えるなんて。
ボリッチは隣の州のバルパライソまでの鉄道路線の近代化を図ると張り切っています。
ボリッチに近い新左翼グループが貧民層の家屋建設援助の政府基金を不正に使用し問題になっていますが、今週、検察が政府の事務所に取り調べに入りました。
何それ?と思われますが、政府は検察は自由に調査をする権利があるとしています。その住宅相大臣はまだ辞任をしません。野党側は強烈に怒っていますが。
モネダ宮殿の2階部隊にもこの件で怪しいと思われる人がいますが、ボリッチは全く手を付けません。

キッシンジャーが先日100歳で死亡しました。彼は1970年にアジェンデがチリの大統領選挙で30%を少し超えた票を獲得して予備選挙の首位になったとき「どうして私たちは共産主義がどこかの国を抑えようとしているのを黙って見逃さなければならないのか」とコメントしています。そしてアジェンデを外そうとチリ陸軍長官を味方にしようと図ったのですが、彼がそれを断ったため、CIAを使って暗殺しました。
この動きを好ましく思わなかったキリスト教民主党DCは国会の大統領最終選挙でアジェンデに投票しました。アメリカはアジェンデ外しをして失敗し、アジェンデを大統領にしたわけです。民主主義の国と思われるアメリカは世界各地で、このような薄汚い政策を実行しているわけです。
COP28の会議で原子力発電を大幅に増やすことが決められたようですが、環境保全の集まりで、それが決まるのは不思議ですね。気温の変化で各地の氷原が縮小していると言われますが、南米の国の領土の氷原の80%はチリ領土とか。それなら温暖化は氷が解けるのでチリに不利になりますね。
2)新憲法
 投票の17日まであと2週間になりました。今まで拒否をすると言うグループが承認するより圧倒的に多かったのですが、その差が少しづつ縮まっています。
 もう今回は2回目ですから、これが否決されるとこの先どうなるのか、未来永劫に新憲法作成を図るのか、もうそれをやめて今回が最終になるのか問題になり ますね。新聞の社説に「長い期間をかけてここまで来た。今回の法案は理想のものとは言えないかもしれないが、安定化を含め承認する価値のあるものだろう」とされました。じゃ、私は承認に投票しましょうか?
 承認グループは犯罪を抑制するためには新憲法に替える必要があると宣伝しています。

このテーマとは異なりますが、世論調査で国民の声としてチリには各部門でリーダーが足りないとしています。その中で政治部門のリーダーが足りないとするのは57%です。
借金のコスト増に需要が縮小してチリの多くの企業が2023年は厳しいとコメントしていますが、経営者の多くの声は「政府は公約を実行してほしい。口で言うだけでそれを実施しなければ私たちの将来は苦しい」としています。政府でもリーダーが足りないのですか?
3)健康保険
民間の健康保険イサプレがこの20年間、顧客から規律以上に集金していたとされ、それを全部、国民に払い戻すよう最高裁判所から判決が出ました。しかしそれを一時に払い戻すことは多くの企業にとって倒産の危機になるので、何とか緩やかに払い戻せないかと要請が出ていますが、全く展開は無く、経営危機が拡大です。たとえ一部でもイサプレの会社が倒産すると、その契約者は保険が使えなくなり病気・けがで入院する時、即時に困窮事態になります。それなら国営健康保険のフォナサに移ればよいよ思われるかもしれませんが、その事態が起きればフォナサも通常の営業が出来なくなると思われています。つまり国を挙げての緊急事態になりそうです。ここでも政府の無策が問題になっています。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格は1ポンド3.84ドルと先週より上に上がりました。為替は1ドル870ペソと先週とほぼ同じでした。
2)株式市場IPSA
 11月は何と7.6%も上がり5815ポイントで終わりました。過去12か月で10.6%の上昇です。銀行がおすすめする投資信託は1年で10%の利益とか。
3)経済成長率
 中銀の発表で10月が0.3%の上昇になり、これは2か月連続の上昇だが,1-10月の総合ではまだマイナス0.2%とか。つまり今年はマイナス成長かゼロ成長が見込まれるとか。厳しいです。

(一般)

1)犯罪
4年前と同じような地下鉄タダ乗り問題が起きました。ただ乗り犯を警備官が逮捕しようとして揉め始めると、一般客がそのただ乗り犯を助けるため駅の施設を壊し始めました。一部の市民は機会があれば、いつでも暴行・破壊行為をする用意があるわけですね。・・・
まだあります。地下鉄のホームで露天販売をしていた業者を警備官が抑えようとするとそれに反抗して大騒ぎになりました。
それから最近、話題?の誘拐事件が継続です。誘拐して身代金を手にすると釈放すると言うやりかたです。同じようにグループとしての犯罪で、首都圏郊外の倉庫に30人が侵入しました。犯人側も同じことを続けるだけでなく新方式を考えているわけです。
 第9州(アラウカニア州)で空き地に不法に建築した住居のオーナー5名を逮捕し、それらの家の取り壊し作業が始まりましたが、一部のオーナーはすぐに釈放されました。
首都圏のラ・レイナ区は特別宣言を出して、区民が犯罪から自衛する運動を始めました。警察や区の組織と組んで地域を見回ると言うことですが、国の作業が上手く行っていないことをこうした行動で証明しているわけです。他の区にも影響するかな?
2)コロナ問題
11月19日ー25日の数字は、新規感染者数3776人、陽性率4.4、死亡者数46人でした。
3)山火事
キリプエ地区で山火事が発生。今年も山火事が大問題になるでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は来週で終了します。その終了直前で3チームが優勝を争っています。さて今週のその結果は首位のコブレサルと2位のワチパトは勝ちましたが、もう一つの2位だったコロコロは敗戦。これで来週の最終戦でコブレサルが勝てば、2回目の優勝、そこが負けてワチパトが勝てばそこの優勝になります。
さぁどうなるかな?


以上

チリの風 その1071 2023年11月20日ー26日

年金生活に入って10年を超しました。最初の頃、ガイド・通訳の仕事が頻繁にありましたが、コロナ問題でゼロになりました。
同僚は生活に窮しましたが、私は年金があったので問題なし。幸運ですね。旅行代理店も多くが店を閉めました。
今週、結婚記念日になりました。妻の好きなカニ料理のレストランに行きました。付き合い始めてまだ20年になりませんが、高齢おひとりさんから夫婦になれたのは幸運でした。彼女の高い能力は今年のラパヌイの仕事で証明されています。素晴らしい。
スポーツはいつもの通りでした。マラソンは週日一人で10キロ走。そして日曜日に仲間と練習。
登山は仲間と第2展望台に行きました。土曜日は10数名の参加者でサッカー教室。いつものように楽しく忙しい毎日でした。

今週のサンティアゴは最高気温と最低気温の差が20の日がありました。例えば最高30度最低9度です。もう夏の雰囲気ですね。

(政治)

1)ボリッチ動向
スポーツ好きな彼は現在進行中の障害者パンアメリカ大会の競技場に顔を出しています。もちろん、今日の閉会式にも参加しました。
それから来月、アルゼンチンに新大統領就任式に行くようです。新大統領が先日、サンティアゴに来てボリッチの事をこんなレベルでよく大統領をしていれるなと見下しました。するとボリッチもこう言えそうですね。「彼を祝いに行く気は全くないが、チリ大統領としてアルゼンチン新大統領を祝うのは当然の義務だろう」
日本でもミレイ新大統領に関する話題が飛び交っているようですが、チリではまるで国内問題のように頻繁に報道されます。彼の人気が続くとチリの次の大統領は左翼でなく右翼になるでしょう。
アルゼンチンの現大統領は任期を終えるとすぐにスペインに移住するとか。アルゼンチンに残ると悪口ばかり聞かされるからでしょうね。
ところで駐アルゼンチンの新チリ大使が任命されました。ビエラガジョですが、元国会議員で以前その大使の職も経験しています。ところで前大使は共産党員で、党の書記になるため辞任しました。
今週、ボリッチは国連幹部に同伴して南極へ飛びました。環境問題関連とか。同問題を扱うドバイのCOP28会議にも出席する予定でしたが、あまり外遊が多すぎるとし内政問題を扱うため中止にしました。環境問題として南極の氷が解けているのが問題視されていますが、地球の気温が少し上がる・下がる温暖化寒冷化は1万年も前から繰り返しているわけで、大問題ではないと思います。
アタカマ州の公立学校のストが終わり、授業が始まったとか。年末の休みがどのように変更されるのか詳しいことは分かりませんが、一応前進です。
直ぐに大学の入試がありますが、大丈夫かな?
さてボリッチを指示するは26%、不支持は61%とか。
2)新憲法委員会
毎日、2回テレビで新憲法賛成・反対の宣伝がされます。その評価が新聞に掲載されました。両者の言っていることが正しい・間違っている・疑問があるの三つに分けられました。プロの目には宣伝が間違っていると言うこともあるのですね。
私はノーの宣伝の中で「現行の厚生年金システムは間違っている」とされたところはおかしいと思いました。私はそのシステムを最初から利用しその年金で生活していますから、現行システムは正しいと考えます。
移民問題が話題になっていますが、チリ人のほとんどが移民です。それも500年前に侵入してきたスペイン人の子孫ではなく、この100年くらいに移住してきた欧州人の子孫です。ユーゴスラビアからパタゴニアに入った移民の孫が今のチリの大統領です。それを考えれば移民は犯罪を犯すとか、チリ人の職業を奪うと批判するのはおかしいですね。100年前に自分たちがやったのと同じですから。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.76ドルと最近珍しい良い数字。中国が良く頑張っているからとか???
このため為替も1ドル873ペソとペソが強くなっています。
2)GDP
7-9月の数字は0.6%の上昇でした。たいした数字ではないですが、一応プラスですからね。
関係ないですが10月の航空機の使用はコロナ前のレベルをわずかですが越えました。元気が戻ってきていますね。
そういうプラス思考から、来年2024年はチリのGDPは何とかプラスになるだろうと予想されていましたが、ここに来て、風向きが変わり、来年も今年と同じように成長率はゼロかマイナスになるかも知れないと言われ始めました。希望が薄れた若しくは消えていったのですね。
3)日チ合同会議
第33回大会が東京で開催され、両国合わせて150名の参加者でした。チリ側はフレイ元大統領をリーダーにしました。
会議はエネルギートランジションなどが話し合われました。そのフレイ元大統領はキリスト教民主党DCですが、新憲法に賛成するとか。

(一般)

1)犯罪
世論調査で91%の市民がチリの犯罪状況は最悪だとしました。問題ははっきりしているのにボリッチは何もできないわけです。
もちろんモネダ宮殿内では大混乱で、犯罪抑制に何をすべきなのかが議論されていますが、すっきりしません。新聞の社説にそれは政府の無策、無責任と厳しく批判されています。
この金曜日の午後から夜まで、特別警戒として3000人の警官が道路で39000人を検問し、麻薬所持を含め700人が逮捕されたとか。
それからアラウカニア州で放火事件が起きました。
アルガロボ区長の汚職問題が発覚し、彼は裁判が始まるまで刑務所に入れられました。昔はそんな犯罪は無かったのですが。
2)コロナ問題
今週の新規患者は3860人、平均陽性率は4.4%、そして死亡者は44名でした。
またワクチン接種が始まりました。

(スポーツ)

1)サッカー
 ワールドカップ南米予選が行われチリが敵地でエクアドルと対戦。0対1で負けました。南米10チーム中の8位は変わりません。
 その後、国内リーグ戦が始まりましたが、人気3チームの結果はコロコロ は勝ち、チリ大学は負け、そしてカトリカは引き分けでした。
 首位は コブレサル、次いでコロコロとワチパトですが、今シーズンはコロコロの優勝かな?
2)障害者パラリンピック
 長い大会が終わりました。チリのメダル獲得数は全チームの6位です。
 片足義足の選手の200メートル走やガイドを付けた盲目の1500M走のレースを見ましたが、素晴らしいですね、身体に障害があっても全力で走っているのは。
ところで先日のパラリンピック競技に参加したキューバ団412人の内、12人がチリに亡命を要請しましたが、障害者グループからも一人が同じように申請中とか。スポーツにも政治が関与していますね。


以上

チリの風 その1070 2023年11月13日ー19日

夏が近いと感じさせるほどの天候ではないですが、少しづつ良くなっているサンティアゴでした。ところが、金曜日また雨になりました。先週と同じです。
その日、妻とセントロに用事で出かけるとき、かなり寒かったので冬服を着ました???しかし気候はすぐに変わって、日曜日は最高気温30度まで上がりもう夏かと思わせるような雰囲気でした。立った二日で冬と夏?この先いったいどうなるのかな?

ラソン練習はいつもの通り。平日に10キロを一人で走ったらこの3か月のベスト記録でニッコリ。日曜日は仲間と楽しく走りました。
土曜日は登山教室で、前回より少ない数でしたが、仲間といつもの3時間コースの第1展望台に行きました。雨の翌日だったので下の街が遠くまでくっきり見えました。

さて昔の部下から仕事を手伝ってくれないかと言う依頼の電話がありました。営業でも技術でも助けられますよと回答しました。どうなるかな?
日本から原稿の依頼が来ました。締め切りは12月ですが、少しづつ書き始めました。
いつも書くように、こうしていろんなコンタクトがあって毎日を楽しく生きているのは最高の幸せです。

それから知り合いの方が亡くなり、そのお通夜に行ってきました。30年以上の知り合いでした。ご冥福をお祈りします。

(政治)

1)ボリッチ動向
 アメリカに飛びました。サンフランシスコで開催されるAPECに参加する為です。少し前にバイデンに会うためワシントンに行きましたが、今回の旅を利用していれば2度も訪米する必要はないのでは?
なんでももうすぐ国連幹部に同伴して南極へ飛ぶらしい。彼はモネダ宮殿で内政の問題を検討するよりあちこちに飛ぶのが好きですね。
内政問題ではアタカマ州の公立学校の先生のストがまだ継続。もうすぐ大学入試がありますが、その学生はどうなるのかな?それから健康保険イサプレの問題でこのままいけば、多くの会社が倒産し、一般市民の保険が大きな危機になると言われます。
 政府とシノバックの関係ですが、中国メーカーは「チリをやめてコロンビアに工場を作ると言う計画は無い。コロナ問題がどうなるか様子をうかがっている」 とコメントしています。ちなみに最近の数字は(11月5日ー11日で死者34人、感染者4087人、陽性率4.5%)と問題があるのは明白です。
それからボリッチは内縁の妻と関係悪化とか。そんな個人的なことは重要ではないと言う意見もありますが、その女性の安全を政府が守る責任は消えるわけですね。彼女は自分の持ち物を二人が住んでいた住居から引き出したとか。

2)新憲法可否の投票
 賛成グループと反対グループの宣伝がテレビで始まりました。
キリスト教民主党DCは賛成と言われましたが、反対グループにいます。もっともそのメンバーだった何人かが賛成を表明しています。
一般に与党側が反対、野党側が賛成です。与党側の宣伝はこの新憲法には民主主義も愛情も認められていないとか。野党側は4年前の社会騒乱を出してこんな騒乱を正常化するのは認められないとしています。
世論調査の結果では、新憲法反対は50%、賛成は38%、そして未決定が12%です。 
3)汚職問題
 ルイス・シジャは有名な弁護士ですが、彼と仲間が情報を引き出すため税務署のメンバーに金を渡している汚職問題が明らかになりました。彼と仲間の間の電話連絡が録音され、公になったもの。その録音は正当なのか違法なのか知りませんが。
有罪になればもちろん刑務所行きです。彼は前政権のピニェラとはかなり深い関係がありましたが、現在はモネダ宮殿2階の新左翼ともコンタクトがあるとか??
そのうち、彼から左翼・右翼政権の秘密が漏れるかもしれませんね。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は1ポンド当たり3.69ドルと、この30日で一番良いところに来ました。このため為替も1ドル881ペソとペソが強くなりました。
2)ガソリン価格の減少
1リットルで30-40ペソほど安くなりました。久しぶりの値下げにドライバーはニッコリです。
3)金利
マンションなどの家屋購入のための金利が過去14年で最高のレベルにあがりました。ますます売れ行きが落ちますね。

(一般)

1)犯罪
手りゅう弾が警察官に投げられる
警官がいつものように、道路で運転免許証などの書類チェックをしていると、オートバイに乗った男が警官に手りゅう弾を投げつけ、それが当たって警官は重傷になりました。食料配達などの仕事に見せかけて、銃器や手りゅう弾などの武器を運ぶ仕事もあるのですね。それが警官に調べられそうになったので、その爆弾を投げつけたわけです。その男は逮捕されましたが、重症の警官はどうなるかな?
誘拐犯の増加
先日、経営者が誘拐され、身代金を払ったら釈放されたと言う事件がありましたが、今週にその2・その3の事件が起きました。これは利益が高いと犯罪グループが考えているのでしょうね。ますます誘拐事件が増えそうです。ボリッチはこの事件に関し、出張中のアメリカから、こうした悪質犯罪は認められない。これを抑えるように全力を挙げるとコメントしました。しかし同じことが継続しても今の所、彼は何もしないと言うのが事実です。
マプチェの過激グループCAMのリーダーの息子
放火と殺人未遂で有罪になったその息子は18年の刑になりました。
2)ごみ問題
サンティアゴ区で従業員がストに入り、街中にゴミが溢れています。それでも、この週末に区役所と労働組合が合意に達し、月曜日からごみの収集が始まるとか。
その区の区長は共産党です。普通、共産党が組合をあおってストに入れると言うケースが多いですが、ここは逆でした。

(スポーツ)

1)サッカー
 次のワールドカップの南米予選で、チリはホームでパラグアイと対戦し0対0の引き分け。世界大会に行ける雰囲気はありません。
翌日、代表監督がその職を辞任しました。勝てないのは自分が馬鹿だからではない、チームに優秀な選手がいないからだと言うのでしょうね。
来週、エクアドルと敵地で対戦しますが、雰囲気では負けそうです。今のところ南米の10か国の中で8位です。

2)障害者パンアメリカ大会
先日のパンアメリカ大会と同じように障害のある選手の大会が来週末まで開かれます。金曜日の開催式にボリッチは参加し皆さんのご活躍をお祈りしますとコメントしました。
今日までの所、チリのメダル数は5位とかなり頑張っています。

以上

チリの風 その1069 2023年11月6日ー12日

気候は初夏と言う感じになっていた今週のサンティアゴでしたが、金曜日の雨で変わりました。20ミリの雨量と雷でした。なんでも今年の11月の雨は13年ぶりの雨量だとか。確かに長い間、異常乾燥が問題でしたから。その雨で気候は変わり、週末は3日とも肌寒い日になりました。

私にとって今週の一番の話題は日本ラ米協会のなるほどトークの番組で話したことです。60数名の参加者を前に、講演と質疑応答で1時間15分話しました。
それから久しぶりに市内観光のガイドをしました。つまり老齢の私ですが、まだ現役として行動しています。そういう機会が与えられるのが幸せです。
スポーツはマラソンは順調でいつものように週日は一人で10キロ、日曜日は仲間と走りました。ただ登山は、残念ながら、金曜日に仲間と第2展望台に行く予定だったのですが、かなりの雨になり中止になりました。
土曜日のサッカー教室は参加希望者が20名といつもより多く、楽しく練習しました。
つまり、週の始めに作った日程は山登り以外は全部順調でした。来週はどうかな?

そうそう2羽の赤ちゃん鳥は大空目指して飛び立ちました。その後、彼らの巣の周りを掃除するのに苦戦しました。

(政治)

1)ボリッチ動向
パラグアイ大統領のペーニャがチリを訪問してボリッチと面談しました。
ペルーの前大統領カスティジョがボリッチ批判しました。先週のAPEP会談でボリッチがペルー大統領と面談した件なのでしょう。
パンアメリカ大会
ボリッチに挨拶をした選手団はモネダ宮殿の2階に上がり、窓から姿を見せました。外で応援する人に挨拶していました。ボリッチはその大会の開会、閉会式に参加しただけでなく各種のスポーツを見ましたから、かなりのスポーツ好きですね。彼はパンアメリカ大会が大成功したから次の目標はオリンピックだとしています。
キューバの選手が亡命要求
これは政治問題になっています。チリ共産党は友国キューバの批判をさせないようにしていますが、その選手の一人が「キューバなんて最低だ、刑務所に入っているようだ。私はチリに住みたい」と言っています。世界中にスキャンダルが広がりますね。政府は彼らに短期滞在ビザを出しました。
来年度予算
予算案作成が進んでいますが、政府案を実施するには国債の増額は避けられないが、それを少なくする方向で経済相は検討中とか。するとボリッチと揉めるわけですね。
2)新左翼不正問題
もうずいぶん長い間、新左翼グループが政府の貧困層援護の基金を不正に使用していると問題になっています。北部のアントファガスタで始まったのですが今週、監査委員会が、チリ中全部で同様の問題があると発表しました。彼らは検察ではないので裁判には直接関係しませんが、問題が大きくなっていることは確かです。政府は、責任はだれにせよ、犯罪は裁判所が結論を出すとしています。それに関連する住居省の大臣モンテスは辞任する気持ちは無いとコメント。自分の責任は認めないわけですね。
ボリッチ側近の2階部隊のフリスピ(新左翼)は議会の呼び出しを受けながら、これまで逃げ回っていましたが、今週その場に出席しコメントしました。
野党側は彼の文言は信用しにくいとしています。
 3)新憲法是非の投票
憲法委員会は草案が決定したので、それをまとめてボリッチに提出しました。これで準備は完了です。
これからはその投票に向けて各党(組織)が新憲法を認めるのか拒否するのかの宣伝を始めます。もっとも与野党内部で組織と違った見解を持つ議員(会員)がいるようで一体化はされていません。いろんな識者の第1回目の草案と今回はどう違うのかがコメントされています。
あと、1か月間、この話題はますます熱気が高まりますね。この2次草案に反対するグループのリーダーに元大統領のバチェレットが手を挙げたようです。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド3.63ドルと先週よりやや低めになりました。為替は1ドル902ペソとペソ安です。
銅の生産ですが、コデルコの9月は5.3%マイナスになりました。ただ全社合計では2.2%の上昇とか。
北部のイキケの近くにあるセロ・コロラドが30年の歴史の後、閉山することになりました。採算が合わないのでしょうね。この先、他のどの鉱山が同じ道を歩くでしょう。
2)物価上昇率IPC
10月は0.4%の上昇でした。落ち着いてきています。

(一般)

1)テレトン
障害児童の援助組織に寄付する基金を集める活動ですが、今年で45回目になります。ボリッチはその開会式に参加しました。今年は380億ペソの基金を集め、目標を10億ペソも上回りました。
2)コロナ問題
 10月の22-28日で21人死亡、新規患者3433人、陽性率4.0%とかなりひどいです。8月にマスク着用の義務が外されましたが、コロナはまだ生き延びているようですね。その次の週(10月29日-11月4日)は新規患者3500人、陽性率2.0%でした。
3)犯罪
南部の町コンセプシオンのショッピングセンターでなんと3か所で爆弾騒ぎがありました。どこかのテロリスト・グループが肩を組んで攻撃をかけているのでしょうか。チリも危ない国になっていますね。
ランカグアで経営者が誘拐され、身代金を支払った後、釈放されました。テレビの番組の様です。
南部の州のレナイコ区長が婦女暴行などの容疑で指名手配になっていますが、もう一週間ほど逃げまくって捕まりません。写真入りで大きく報道されていますが。
どこに隠れているのかな?と昨日、書きましたが、今日の朝にカニェテ警察署に自首して刑務所に入れられました。彼は自分の無罪を証明しますと言っていますが、それなら9日間の逃亡の意味はあるのかな?
バルパライソ市長の住居に泥棒が入り、いろんなものを盗んで逃げたとか。国会議員の家もやられているから次はボリッチの家かな?
4)大学ランキング
大学ベスト10が発表されました。チリから4位にカトリカ大学、5位にチリ大学が入りました。1位はブラジルのサンパウロ、2位はメキシコ、そして3位はアルゼンチンの大学でした。

(スポーツ)

1)サッカー
久しぶりに国内リーグ戦がありました。人気チームのチリ大学とカトリカ大学が対戦しました。結果は3対1でチリ大学が圧勝でした。
終戦が間近ですが、コブレサルが首位。つづいてワチパト。コロコロは3位です。

以上

チリの風 その10168 2023年10月30日ー11月5日

先週、サンティアゴは秋のようですと書きましたが、今週は冬のようです???倉庫にしまっていたストーブを出してきて使いました。なんでもこの10月は10年ぶりの寒い月になった由。最低気温が3度まで下がっています。木曜日は雷雨でした。小雨ではありません。豪雨です。私の住居の前の道が川のようになりました。雨が、何と、あられになりました。そして雷が1,2回ではなく何十回も落ちました。
もっとも週末は最高気温が20度を超えかなり暖かくなったサンティアゴです。
さて来週に「なるほどトーク」の番組に出ます。そのリハーサルが今週ありました。東京の幹部の方とオンラインで会話しました。
もう同じようなことを毎月やっていますから緊張することは無いですが、楽しいです。
もちろんマラソンはいつもの通り、週日は10キロ走り、そして日曜日も楽しく走りました。
山登りはいつものサン・カルロス山岳公園ではなく、隣のラモン山を歩きました。川巡りルートですが、本当に自然の中と言う雰囲気がします。
それから病院に血液検査に行きました。その帰り、いつものようにセントロまで歩きました。地下鉄の駅で6駅分ほど歩きます。市場で働く人や食べ物を捜しにゴミ拾いをする人とかいろんな人に出会います。ホームレスの人は大変ですね。いつも同じことを思います。それでもここは爆弾が来ないだけましかな?

台所の野鳥の赤ちゃんはすくすく育っています。

(政治)

1)ボリッチ動向
週の始め南部のビオビオ州に行きました。そして後半はワシントンに飛んでアメリカ大統領と面談しました。
彼はパレスチナ問題でパレスチナ援護をしていますから、イスラエル側のバイデンとは揉めたかもしれませんね。
その面談時にイスラエルの攻撃の中止とキューバへの制裁緩和を依頼したとか。
彼は駐イスラエルのチリ大使を召還し、明日の月曜日、モネダ宮殿で面会する由。
それからアメリカにいるとき、APEP会議に参加してペルーやエクアドルの大統領などと会議しました。
2)新憲法素案
33対17と多数決で新法案の素案が決定です。今までの動きではピノチェットの軍事政権下でできた現行憲法を新しくすると左翼が試みたのですが、この第2次案では逆に右翼が賛成、左翼が反対になるとか。今までチリ中道左翼の中心だったキリスト教民主党DCは賛成を表明しています。
これから新憲法是非のテレビの宣伝が始まりますが、各党はどんな宣伝をするのか自分たちの方針をはっきりさせる必要があります。それは来年以降の選挙に直接関連します。そのため、来月17日の投票日までこの話題が政治だけでなく経済関係でも関心を呼びます。経済評論家がこの新憲法案がどのようにチリ経済に影響するか論議しています。
さぁ来月の投票でどうなるかな?選挙権のある人にはその投票は義務です。
憲法支持の人が少しづつ増えていると言う世論調査の発表が出ました。
内務大臣がこの投票の結果はボリッチ大統領の見解と関係ないとしていますが、大統領が新憲法について国民が勝手に選びなさいとするのはあまりにもレベルが低いですね。
3)民間健康保険
政府は最高裁判所が決めた約10億ドルの払い戻しに関し、政府案を設定しました。如何に健康保険会社が倒産しないで払い戻しさせるかがカギです。私の手にもいくらか戻って来ますね。
4)アタカマ公立学校
先週、大問題になりましたが、今週は新聞に小さく報道されています。ボリッチがクレームするからでしょうか。
政府の提案を教員組合は拒否してストは継続、生徒・学生は2か月も放棄されています。政府の責任はそんなに軽いのでしょうか?

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド3.66ドルとほとんど先週と変わりません。為替はペソが少し強くなって1ドル899ペソと900ペソを割りました。予想では850ペソまでどんどんペソが強くなりそうとか。
2)経済成長率
 10月は9月と同じでした。上昇も下降もありません。
3)株式市場IPSA
 落ち込みが続いていますが、週末にかけて少し良くなり、今週は5620ポイントでした。6月1日に6386ポイントまで昇ったのですが。
4)失業率
 7-9月の失業率は8.9%と前年より少し上昇。良くなる気配がないですね。
5)新車の販売
1-10月の新車の販売は26.1万台で前年対比23%の減少になりました。もう消費者も景気上昇の期待は持てないのでしょうか。

(一般)

1)犯罪
パンアメリカ大会の選手村に泥棒が入ったとか。二人犯人が逮捕されました。泥棒が入るのは惨めだが、逮捕したのは良かった。
マプチェの問題で指名手配されている9名がいつになっても逮捕されません。
チリに不法入国した19.4万人のうち10.5万人は手続きを終え、正式入国が認められました。
アメリカ大使館が自国民にビーニャ、バルパライソに観光で行く時は犯罪に気を付けるように警告しました。
刑務所で囚人の検査があり、多くの武器(刃物)と携帯電話が見つかりました。


(スポーツ)
1)パンアメリカ大会
16日間の大会が終了しました。チリのメダル獲得は41か国(グループ)の8位です。開始してしばらくは5位につけていた時もあるのですが落ち込みました。
それでも大きな問題がなく、順調に大会が終了したのは喜ばしいですね。チリも組織力がありました。閉会式に参加した選手がサンティアゴ2023は素晴らしい大会だった。ただ残念なのは今日でそれが終わってしまうことだ。これほど国民がスポーツに熱中し、国がまとまったのを感じたことは無いとコメントしました。

さて金メダルを取った選手は12.7百万ペソのご褒美がもらえるとか。


以上