チリの風   その1067    2023年10月23日ー29日

金曜日はキリスト教関連の祝日で3連休になったので多くの車が郊外に出ていきました。
しかしこの週末は天気は少し落ち込んで、サンティアゴは肌寒く、夏が近い春と言うより秋の様でした???
スーパーマーケットでクリスマスの飾りが売られています。もう年末ですね。

いつも同じことを書いていますが、今週も楽しかったです。一番の話題は日本人学校で仲間とチリの歴史の話をしました。
2回ですが、生徒用と教員向けでした。知らないチリの歴史を興味を持って聞いてもらえたかな?
この日曜日ちゃんと反省会を学校関係者を招待して実施し、先生方の感想を聞きました。
もちろん、スポーツも楽しみました。山登りはいつもの第1展望台(3時間コース)に行きましたが、何と雲が低いところまで降りてきて、下の街が全く見えないだけでなく周りもボヤっとしました。もちろん気温は下がりました。今年初めてのケースでした。
そしてマラソンは週日に一人で10キロ。これがうれしいです。レベルの低い私はもう10キロ走り切っただけで喜びます。日曜日は雨で中止でした。

台所の野鳥の2個の卵が孵って2羽の赤ちゃんになりました。どんどん成長するかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
 カナダ企業の鉱山会社テックのケブラダ・ブランカ鉱山の第2期開発がはじまった式に参加し、励ましました。海抜4400mの高地の山です。
 会社員をしているとき、私はそこに何度も行ったことがあります。
 そのほかの経営者連合140年記念の集まりで、彼はスピーチをしましたが、「外国企業に声をかけ、投資をしてもらうのが政府の仕事になっている。ところがチリの新聞はチリの社会情勢が悪い、例えば犯罪の増加で通常の生活が出来ない、失業者が多いなどと書き並べるので、政府方針の邪魔をすることになっている。私はそんなチリの新聞を 読む気にはならない」とコメントしました。もちろんチリのマスコミは反政府運動として犯罪の増加を発表しているのではないとクレームし、「問題はあなたでしょう」とボリッチをにらんでいます。ボリッチの実力はそれほど低いのですね。
新聞の投書欄にチリでの投資を呼び込むと言いながらコデルコやSQMがオーストラリアに投資をすることになったが、それをどうして国内にさせないのかと疑問の声が出ました。
アタカマ地区で学校がもう50日もストで休みになっていますが、一部の人はボリッチにこんな大事な問題を放棄するなら、パンアメリカ大会にいろんな競技を見に政府関係者と行くのは止めてほしいと言っています。それは学校の家屋・施設が破損してもそれを管理する市町村に金がないため補修できないとか。政府の責任ですね。もしかしたら政府から金は出ているのにそれが使われていないなんてことは無いでしょうね。
ボリッチはこの大会が大成功に進んでいるから、パリの次のオリンピックに応募したい由。
 それから政府基金の不正使用などで新左翼関係者が10名ほど起訴されそうです。
最後にアルゼンチンの大統領選挙の件ですが、モネダ宮殿ではこれについてコメントしないと決めたようです。現政権系マサと極右ミレイの2候補者が11月に最終選挙に入ります。ミレイは先日サンティアゴを訪問してボリッチは大統領として最悪だとコメントしています。裕福な国だったアルゼンチンが落ちぶれた国になったのは政策の失敗でしょうが、その失敗を続ける現政権の候補者を選ぶアルゼンチン人の考えがよく分かりません。何か変えなければさらに落ち続けると思うのですが。チリも同じですね。ボリッチでは新しい風は来ませんね。
2)新憲法
12月の投票が近づいてきました。ピノチェットが作った憲法など認めたくはないとするなら、自分たちが作った憲法は何であれ賛成するはずですが、前回は否決されました。じゃそれを踏まえて今回の委員会になったわけですが、前回と何が違うの?
素人の私には新憲法草案の文言・単語も良くわかりませんが、今回も否決されれば、憲法改正を要求するチリ人は時間と金を無駄にするだけです。
これが否決されればまた社会騒乱が起きると言うコメントも新聞にありますが、この4年間、ボリッチなどのグループは乱暴狼藉を楽しんだのかそれを使ってピニェラの右翼政権を潰したのですね。自分たちが政権を握ったら、新しい道を切り開くのが当然なのに、全くその雰囲気はありません。
プロビデンシア区のマテイ区長は以前は新憲法反対派でしたが、最近は賛成を表明しています。世論調査では多数が今回も反対票になりそうですが。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.61ドルと低め安定です。為替は936ペソとペソ安が継続です。
2)株式市場ipsa
今週は2.3%下がり、半年ぶりの低い数字5509ポイントでした。
3)公定歩合の下げ
中銀は公定歩合をほんのわずかですが、下げました。

(一般)

1)警官トップの不正
もうかなり以前からこの問題は継続ですが、裁判になっている元長官に14から24年の実刑罪が要請されました。それらの元長官や警察軍のコメントがそのうち出るでしょうね。自分たちは不正なことはやっていないと言っていますが。
2)犯罪
毎週同じですが、今週の話題として社会党党首の国会議員ボダノビッチの家に泥棒が入り何百万ペソの物品が盗まれたとか。同じくラゴス議員の事務所に泥棒が入りました。自分たちが被害者になったら国会での議論も本格的になるでしょうね。
それから警官の持つ車を盗もうとしたグループにその警官が対抗しましたが、犯人の発砲で彼は負傷しました。内務大臣が病院にお見舞いに行ったらしい。
マプチェの放火で南部の建物が燃えました。そのオーナーは「住居・倉庫・重機などみんな燃やされました。ボリッチさんここに来て問題の本質をチェックし、その解決策を図ってもらいたい。」と頼んでいます。
そんなニュースが新聞に書かれればボリッチは読む気のしない新聞だと言うのでしょうか。

(スポーツ)

1)パンアメリカ大会
日曜日までで、チリのメダルは金5個、銀14個、そして銅は12個です。41チーム中の7位です。
でも前回のリマ大会のメダル数にはまだ遠いです。大会は続きますから上がっていくかな?


以上

チリの風 その1066 2023年10月16日ー22日

最高気温27度、最低気温7度と言う日が二日あったサンティアゴです。もうストーブは使っていません。
今週もいつものように忙しい週でした。
土曜日、学校の運動会に呼んでもらって子供のエネルギーの高いレベルを感じました。運動することが子供の心身共に大きな影響を与えます。
運動会って日本の学校教育の大ヒットですね。ただ曇り空で気温が上がらず寒かったです。
山登りに山岳公園に行くと今日は入山できませんと言われました。えっ?。パンアメリカ大会のマウンテンバイクの試合があるので登山はできない由。
山歩きの代わりにそこから家まで歩いて戻りました。
日曜日のマラソンは今回が最後で来週帰国する仲間と走り終えた後、お別れ会をしました。日本人がチリで知り合いになると言うのもおもしろいですが。いろんな人と人生を分かち合うと言うのが最高です。

さてドイツのお菓子を作るコースが拙宅の近くであったのですが、妻はそこで助手として働きました。昼休みのランチをグル-プと一緒に食べましたが、いろんな人とちゃんと話が弾むのが面白いです。
来週も頑張ります。

ところで私は11月にラテンアメリカ協会のなるほどトーク番組に出ます。
興味のある方は申し込んでください。
ラテンアメリカ協会メールマガジン(2023年10月11日ー10月17日)
> ●お知らせ
> ★【オンライン講演会】:
> <申込みサイト: https://latin-america.jp/seminar-entry
> (4) 「ラテンアメリカなるほどトーク」2023年度第8弾「チリ対ペルー・ボリビアの太平洋戦争について」ピーター藤尾氏(連載「チリの風」執筆者)2023年11月7日(火)21:00~22:15(日本時間)同日09:00~10:15(チリ時間)、07:00~08:15(ペルー時間)
> https://latin-america.jp/archives/59576
> <申込み締切:11月1日【水】>


(政治)

1)ボリッチ動向
この金曜日に中国訪問を終え帰国しました。なんでも中国企業がリチウムを含め2億ドル以上の投資をチリで行うと約束したとか。その動きと逆になりますが、コロナ問題が爆発していたころ、中国の製薬企業シノバックはチリにその薬の生産工場を作ると発表しましたが、今週の報道ではその計画を変更・中止するらしい。それに関してボリッチが適切なシノバック援護をしなかったからだろうと批判の声が出ています。
それから習近平との面談の件は写真が発表されただけで、内容は分かりません???
中国との政治・経済・文化の交流を目指した旅だったのですが、結果はどうでしょう。中国一辺倒の方針は無理だと思いますが。
帰国して即刻、パンアメリカ大会の開会式に出席しました。若いうちは時差ボケとか無いのですね。
先日、ボリッチがパレスチナ寄りの発言をしましたが、イスラエル大使がそれはいかがなものかと軽いクレームをしました。それに対しモネダ宮殿は彼にチリ政府の方針にいちゃもんをするなと言う反論をしたようです。

2)不正問題
2階部隊と言われるモネダ宮殿の政府中枢の一人クリスピ(新左翼党)は国会から呼び出しがかかってもそれを無視しています。いつまでも国会の審議で進展がないなら検察に問題を渡すと言うことになるかもしれません。ボリッチが彼に一言、「国会に行ってこい」と言えばよいのですが。
新左翼グループはいくつもの党に分かれていますが、それを統一して一つの党にすると言う動きがあります。
この他にも怪しい動きがあれば検察もボリッチに遠慮せず、捜査に手を加えてもらいたいです。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格は1ポンド3.57ドルと先週から動きません。そのため為替も1ドル940ペソと先週とほとんど同じでした。
 経営不振になっているコデルコ銅公社はリチウムを利用して再生したいとしているようですが、どうなるかな?
2)株式市場
 中東問題を目の前にして、アメリカをはじめ世界的に最近落ち込んでいるようですが、チリもその渦に巻き込まれ1.4%下がり5631ポイントになりました。
一時、6000ポイントを軽く超えていたのですが。

(一般)

1)社会騒乱
 騒乱が起こって4年になります。その記念日の10月18日に今年も各地で101件の暴動が起き、50名が逮捕され、警官も11名が負傷しています。
 ピニェラの右翼政権を倒せと、イタリア広場に百万人のデモ隊が集まりましたが、今ならボリッチは何もできない政権と右翼を懐かしむのでしょうか?
 マプチェグループに警察の手が入りました。数名が逮捕され。麻薬・銃などが没収されました。
2)サンティアゴ空港
この7-9月の空港利用客は前年対比25%アップの590万人で、頂点だったコロナ問題の前の2019年に4%だけ届かないところまで行きました。もう正常化したと言えそうですね。
3)移民数
現在173万人の移民がチリに在住していますが、それは全人口の8.7%になるとか。その多くが貧民層で生活に困っているとか。仕事が無いのですね。
病院の適切な治療が受けられなかった26517人の患者が今年に入って死亡したとか。これは移民と関係ありませんがチリの医療施設が十分機能していないからでしょうね。ボリッチはピニェラをこの件で批判していましたが、今の方が数字は悪いとか???

(スポーツ)

1)パンアメリカ大会
 金曜日に41か国の参加で開会式があり、大会が始まりました。もうテレビのニュースはこればかりです。
今日の段階でメダル獲得数のランキングはアメリカがトップで、各国が続き、チリは金1個をはじめ合計6個で8位です。今日男子マラソンでチリは銀メダルでした。
2)サッカー
チリはベネスエラと対戦ワールドカップの予選があり、チリはベネスエラと敵地で対戦。0対3の惨敗でした。10年前にはベネスエラと対戦すると彼らは野球は知っているがサッカーは知らないと馬鹿にしていたのですが、今では彼らからチリも少しサッカーを勉強すべきと言われそう。
なにせ10チーム中の8位と言う惨めな地位です。


以上

チリの風  その1065   2023年10月9日ー15日

私は年金生活者ですから、仕事があってもなかっても生活には困りません。それで楽しい生活を送ると言うのが今の私の仕事です。
そのためには心身ともに健康であることが重要です。それでスポーツと勉強を毎日楽しんでやっています。
土曜日は登山教室。合計11名で楽しく第4展望台へ歩きました。見晴らし台から下の街を見ましたが、スモッグがやっぱりひどいです。
その他に2か所の丘歩きを実施しました。それぞれ1時間半の歩きです。
ラソン練習は2回。一日10キロを走りました。昔、フルマラソンを走っているころは週に50,60キロ走りましたが、今は一回10キロを走るのが精いっぱい。
日曜日、仲間とマラソン練習をした後、先生方を招待して仲間とチリの歴史の予行演習をしました。約1時間強の講演でしたが、かなり進んできました。
もちろん、妻につきあってアチコチ廻る仕事も楽しみました。
それから目の状況がひどくなって、緊急症として前年に白内障の手術をしてくれた眼科に行くと目の中に液体がたまっているとかで、それを目の外に出してくれました。同じ症状がもう一度続けば、手術をする必要性があるとか。いやはや。

先週、お知らせした台所の鳥ですが、二つの卵を温めています。ちゃんと生まれるかな?
サンティアゴの気温は少しは上がって春になってきています。

(政治)

1)ボリッチ動向
金曜日、中国に向かって出発。大勢の部下を率いて、もしくは仲間と共に中国へ行きました。最初、地方都市で遺跡の見学とかをしました。チリウィークという行事に参加してチリの宣伝をしています。習近平との面談は来週です。
野党から中国の人権問題を議論するよう要請がありましたが無理でしょうね。それより中国製の車・バスをもっと買うからチリから銅とリチウムを輸入してほしいと頼むのでしょうか?バケーションに行く雰囲気という声もありました。
イスラエルパレスチナの件が大問題になっていますが、ボリッチは議員の頃、パレスチナに招待されてそこに行ったことがあります。そしてその印象としてパレスチナの領土をイスラエルが不法に使用しているのは問題だと発表しています。
数年前そこからハマスの幹部がチリを訪問したとか。もちろん、チリに住む裕福なパレスチナ人に援助を依頼したのでしょうね。詳細は分かりませんが。逆にイスラエル側のグループからチリ政府にパレスチナの攻撃を受けた私たちをもう少し助けてほしいと依頼の声が出ています。
チリ政府は空軍機を送りイスラエルからチリ人が母国に戻れるよう手配しました。その最初の便が、約80名のチリ人を乗せてサンティアゴに着きました。
すでにイスラエルに在住していたチリ人で死者が出ています。
私は学生の頃、イスラエルキブツで1年ほど生活した経験がありますが、もしそこに残っていたら今頃どんな人生でしょうか?
ウクライナの場合と同じく、そこでも先週まで通常に生活していた人が、今は将来がどうなるか誰も分からなくなっています。人生は厳しいですね。

さて、政府中枢の不正問題が話題になっています。新左翼の党が政府の援助を利用して貧民援護の計画をするのに得た金を正当に使っていなかったと言うのは以前からですが、似たような不正事件に政府のトップも絡んでいたらしい。ボリッチ周辺のモネダ宮殿2階部隊の人の名前が出ています。
野党から検察が検査しやすいように彼らを政府の要職から外すよう依頼が出ています。いやはや。
2)新憲法委員会
もう新憲法草案は完成、もしくは完成間近かですが、一向に盛り上がりません。世論調査では48%が否定、18%が賛成、34%が未定とか。
どう見ても12月の投票で第2次案は否決されますね。前回と違って右翼が賛成、左翼が反対に投票しそうとか。それは現行委員に最右翼の共和党が多いからでしょうね。確かにキリスト教民主党の党首は新憲法が右寄りに傾いていれば自分たちは否定の票を投じるとしています。
共産党ピノチェットの憲法を入れ替えるのはチリの夢だと言っています。その党の党首に次ぐ位置を占めるバルバラフィゲロア書記長の特集記事がありました。彼女は労働組合連合の代表としてピニェラ政権と対立していましたが、左のボリッチ政権で駐アルゼンチン大使になりました。それが突然、辞任して帰国し共産党の中枢になりました。アルゼンチンの次の政権が右翼になりそうだから逃げだしたと言う意見もありますが、チリに戻ってボリッチをしっかり押さえる役割をするのでしょうか?

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.58ドルと先週とほとんど同じの低いレベルです。このため為替も1ドル924ペソとペソ安が継続です。 
2)経済成長率
IMFの発表でチリの今年の成長率はマイナス0.5%とか。上向きませんね、やっぱり。
3)コデルコの危機
過去6年で生産量が20%も減少。負債は200億ドル。生産価格の上昇が継続とこれからどうなるのか明るい話題が見られません。副社長の辞任など経営陣も揺れています。リチウムに手を出して少しは経営が良くなるかと思われましたが、その件も進みません。
アジェンデが国営化した企業ですが、軍事革命で民営化されず、そのまま国営企業となっているわけで、チリ国の救世主となり続けるのでしょうか?

(一般)

1)犯罪
 最近の6か月で、家族の誰かが犯罪に遭ったと言うのが37%と発表されました。3人に一人以上の割合ですね。幸い今のところ私には問題は起きていません。
4年前の社会騒乱が始まった10月18日の記念日が近づいてきました。もちろん、その日は多くのデモ隊が街に出るでしょうね。良い結果が生まれるとは思えません。また警察との衝突、それに商店での略奪騒ぎでしょう。4年前と同じく。
その頃、逮捕され、最近になって大統領の恩赦になった人の記事が出ました。釈放された条件として2度とデモに参加しない、犯罪行為をしないとかいろいろあるようです。裁判所に出された判決の期間はその条件を守るわけで、それに違反すれば刑務所に戻ります。

それからマプチェの問題も継続です。その中心メンバーが逮捕されました。
2)清潔な街のランキング
世界のランキングが発表されましたがミネアナポリス、ブルッセル、オスロが上位を閉めました。
日本から京都が入っています。南米でランキングに入ったのはサンパウロサンティアゴでした。
サンティアゴってそんなに清潔だったのですね???


(スポーツ)
1)サッカー
チリの国内リーグ戦はお休み。それはワールドカップの南米予選があったからです。今週、チリはホームでペルーと対戦、2対0で勝ちました。
3試合で1勝1敗1引き分け。南米で5番目になりました。来週、敵地でベネスエラと対戦しますが、勝てば4位に上がります???
2)パンアメリカ大会
来週に開幕です。毎日、このニュースがマスコミをにぎわしますね。チリはいくつかのメダルを勝ち取れるかな?

以上

チリの風 その1064 2023年10月2日ー8日

いつもと同じような週になりました。

珍しいのはカマラのパーティに誘われて出席したことです。少し挨拶をさせてもらってから70名近くの多くの会員と話し合う機会を持てました。
それから先週に続いてセントロに行って考古学博物館に入りました。一番の目的はエクアドルのバルディビア文明の展示品です。以前そこで縄文文明の土器が見つかったと書かれていました。残念、もうその表示はありませんでした。
今月末の学校でのチリの歴史の講義は用意が進んでいます。
ラソンは週に2回。そのうち1回は一人で10キロを走りました。そして日曜日は仲間と楽しく。
登山は、今月の登山教室の目的地の第4展望台の下見に。帰る時、いつものルートと違う道を探していたら迷ってウロウロ。元の道に出て戻りました。
アホやと言われますが、まぁええやん。
土曜日のサッカー教室は10数名の参加者で、最後の練習試合まで楽しくプレーしました。
こうして毎日、何かすることがあって楽しく生きていれるのは本当に幸せです。

台所の隅の野鳥はもう飛び去りました。その後始末の掃除にかなり手がかかりましたが、1か月間も毎日会っていたので会えなくなって寂しいです。
と書いたら、週末、1羽の鳥が巣に座っていました。カップルではなかったので、そこの様子を見に来たのでしょう。2組目の卵が産まれるのも近いかな。

明日の月曜日は祝日です。コロンブスアメリカ発見の日。これを祝うのは侵略者の子孫で、先住民の子孫には恨みの日、悲しみの日ですね。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週彼は北のコキンボ州(第4州)を訪問しました。あちこちを訪問し、最後に「宿題をたくさん抱えて首都に戻ります。皆さんの生活がよくなるように努力します」とコメントしました。
そして国際問題が発生しました。パレスチナのゲリラのイスラエル襲撃です。これに関してチリ外相は武器による攻撃はどんな例でも容認できないとコメントしましたが、それに対しイスラエル大使館は納得できないとクレームしました。まったく逆にレコレタ区長のハヅエはイスラエルパレスチナで攻撃を続けていたのは歴史上の事実だとその攻撃を認める発言をしました。彼はパレスティナ系ですが、共産党代表として先の大統領選挙の候補者になっています。チリではパレスチナ系の移民が多数います。
チリ国内でユダヤ対アラブの抗争が始まりますね。エルサレムに28名のチリ人がいるとテレビのニュースに出ました。
来年度の予算案が出来上がってきましたが、議会で承認されるかな?
10月5日はチリにとって思い出の日ですね。1988年のその日に軍事政権継続可否の投票があったからです。
私の人生で最も緊張興奮した投票でした。その時のノーの宣伝の歌をまだ覚えています。「チリ 喜びがやってきた」という歌詞でした。
ボリッチ政権は犯罪の抑制が全くできないと言われますが、彼が自由奔放に動き、危険を防ぐルールを守らないと新聞に書かれました。彼は群衆の中に自由に入っていきます。彼を守る警察官にしては恐ろしいことでしょうね。日本の元首相のようなケースが出てしまったら・・・。
2)新憲法委員会
 最終原案が用意されていますが、この先どうなるのか知りたい私には想像もできません。左右の委員が全員その原案に同意するのか、多数決で押し切るのか。
 どうでしょう、委員の見解が大きく分かれた場合、国民は新憲法に興味を失うでしょうね。現行憲法は1980年にピノチェットが作りましたが、彼は憲法学者では無いのでプロが作った憲法を彼が発表しただけです。それを社会党などが一部変更しています。4年前の社会騒乱の時、左翼のデモ隊がピノチェットの作った憲法を破棄して俺たちの手で新憲法を作ると叫び、それが第1回新憲法素案になりましたが、国民の大多数に拒否されました。
 この第2回の委員会はピノチェット系の共和党が多数を占めていますから、新憲法素案はそんな雰囲気になるのでしょうか。
 そうなら左翼は拒否することになって、もう第3回目はありませんね。結論は「時間と金を無駄に使いました」でしょうか。

(経済)

1)経済成長率
8月の指数はチリ中銀の発表でマイナス0.9%でした。先週の予想より大きく後退しています。これで大蔵大臣の見通しが崩れ今年の成長率は0でマイナスにもプラスにもならないと言われていたのが、マイナス成長は間違いないだろうとなりました。
物価上昇率ですが、9月は0.7%のアップでした。今週ガソリン価格が40ペソほど上がりました。その0.7%は予想より高い数字でしたが、今年に入ってからの合計は5.1%で、前月の5.3%より少し下がりました。
年末には4%強で終わると見られています。
2)銅価格と為替
また銅価格が下がっています。1ポンド3.57ドルです。先週よりかなり下です。そのため為替も1ドル917ペソとペソ安になっています。
今年の銅の消費は欧米は昨年並みかやや減少、中国は少し上がると言われています。来年の銅価格は少し良くなると言われますが、この安い銅価格が続けば、銅鉱山の経営に影響しますね。コデルコ銅公社は生産問題に経営問題も加わり大変そう。今週も経営陣のトップクラスが辞任しています。

もっとも銅だけでなくスズや亜鉛も下落のようですね。

(一般)

1)雨量
サンティアゴは火曜日に雨になりました。それで今まで1年で278ミリの雨量。これは2008年以来の大きい数字とか。
2)病院関係者のスト
 コロナ問題で緊急事態として雇用された1万人以上が仕事を失うとかで、それに抗議するデモがありました。「私たちは命を懸けて患者の方々を助けたのですから、もういらない、はいさようならと捨てるのはひどいのでは」と訴えました。確かにそれは分かるけど仕事がないのに病院でなにをするのかな?
外に出るとき、必ずマスクをつけていましたが、もうそんな時期は遠い昔になったのですね。
3)麻薬
サンティアゴの中央バスターミナルで出発前のバスの運転手の麻薬テストをしたら、2名の運転手がコカインを使っていたとかで逮捕されました。同じようなケースですが、もっとひどいのはバスの運転手が首都圏の9区に渡って数十キロを走り回り大事故を起こしかけました。ニュースでそのバスの動きを見ましたが、まっすぐ走らないで右左に揺れます???
運転手は逮捕されましたが、麻薬中毒でした。その男は50代くらいで若者には見えません。チリの中毒者も増えているのですね。
昔はチリに入ってきた麻薬は、チリを経由して欧州などに運ばれていたのですが、今ではチリが市場になったわけですね。その方が麻薬業者にとっては利益が上がるからニッコリでしょうが。
4)断水
この週末、首都圏の6区で水道局の工事で断水になりました。その6区の中では、レストランが閉まり、動物園が閉まりました。レストラン関係者は怒っています。
無理もないですね。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の話題は各チームの試合結果より、2030年のワールドカップ開催国にチリが入れなかったことでしょう。そのワールドカップは欧州・アフリカ・南米の3大陸で開催されますが、南米からも3か国が参加します。チリはそのグループの中に入ると言われていましたが、最終的には蚊帳の外。
チリサッカー協会は南米サッカー連盟に投資して開催4か国で合意していたと言われるのですが?ネゴする力が足りなかったのか、誰が裏切ったのかな?ボリッチもどうしてそんな結果になったのかと声を大きくしたとか。
国内リーグ戦ですが、人気3ティームの結果はコロコロは敗戦、カトリカは勝利、そしてチリ大学は中止になりました。
30試合中26試合が終わった段階で首位はコブレサル、次いでワチパト、3位はコロコロです。コブレサルの優勝が近づいてきたかな?

以上

チリの風 その1063 2023年9月25日ー10月1日

今週もいつもと同じように楽しく忙しく過ごしました。

今年初めて街の中心部(セントロ)にある国立歴史博物館に行きました。以前とかなり表示されているものが変わっています。1階のスペイン人が侵入する前の時代のものは全て片付けられ、軍事革命50周年関連のものばかり。それも政府の指示か?軍事政権が人権を無視したと言う表示がほとんどでした。

登山は初級広場まで、4時間コースを歩きました。プロビンシア山は、初級・中級そして頂上広場と3つの広場があります。先週も4時間コースでしたが今週のコースは結構厳しく目的地に着いたら座り込みました。それでも一休みしてお菓子を食べると元気が戻って来ました。
ラソンもいつものように2回。そのうち1回は一人で10キロでした。

もちろんその他にもいろんな付き合いがありました。

最高気温は20度を超えていますが、最低気温が5度ほどで朝と夜にまだストーブを使っています。
台所の2羽の小鳥はすくすく育っています。そして週末、2羽は大空に飛んでいきました。どんな人生を送るのかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
サンティアゴの地下鉄3号線が2駅伸びました。ボリッチはそこを訪問して市民から喜びの声を聴きました。
次の夏に予想される山火事をどうやって抑えるかの問題で、専門家を呼んで検討し、事前準備を進めることになりました。山火事は北半球でこの夏、異常な規模になりましたからね。
今月中にボリッチは中国を訪問します。チリにとって中国は最も重要な相手国になっているのでしょう。元大統領のフレイが同伴します。フレイはアジアが好きで日本や中国と良い関係をキープしています。私が働いたチリの会社の元オーナーなので、催し物がある時、訪問してきて私と顔見知りになり、色々話をしたことがあります。
更に土曜日、モネダ宮殿の前に集まった群衆に近づき挨拶をしました。それって政府が呼び掛けた市民のボリッチ応援のデモですね。4年前の社会騒乱の時は100万人を超す民衆が集まりましたが、今回は数千人でした。同時期に反ボリッチのデモもありましたが、ほんの数百人でした。
今年のその社会騒乱4年記念には10万人も集まるかな?一部のメンバーはまた商店略奪などできるかと考えてドキドキしているでしょうね。
最後に今月にチリでパンアメリカ大会が開催されますが、そのための準備が進みボリッチも聖火の儀式に参加しました。

2)来年度予算案
全テレビの番組を通じてボリッチは来年度予算のアイデアを発表しました。総計では3.5%の拡大ですが、市民の安全、教育、健康そして住居に重点を置くとか。
予算はGDPの27%、2億7千9百万ドルになりそうです。マルセル大蔵大臣は今年の経済成長率は0%、来年は2.5%の成長を見込んでいるらしい。
新左翼の議員カタリーナ・ペレスが貧困層の家屋援助関連で不正に関与したとして取り調べを受けています。
野党側から政府の作った貧困層援助の予算が新左翼の懐に入っているんではないかと厳しい批判。ボリッチもしっかり回答する必要がありますね。
3)新憲法委員会
もうどうなるか分かりませんが、元大蔵大臣のブリオネスはチリを破綻させる道を歩いているようだとコメント。なるほど、そうですね。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.73ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル907ペソとペソ安が継続。今年は1ドル700ペソ台までペソが強くなった時期があるのですが。
それからリチウムの価格が暴落ですね。ピークから73%も下がりました。関係会社の経営に大きな影響を与えています。

2)物価指数IPC予想
 9月の指数は0.7%の上昇が推定されているとか。また経済成長率は0.3から0.5%の上昇予想です。
 株式市場IPSA指数は5826で終わりました。一時6000ポイントを超え6400まで行ったのですが、最近は苦しい状況です。

3)失業率
この2年間で最悪の状況です。今年の6ー8月の数字ですが9.0%を記録しました。これが良くならないとチリの全般に影響しますね。

(一般)

1)高速道路
サンティアゴのハイウェーAVO1で壁から水漏れが激しく道路が水であふれています。近くを流れる川が今年の大雨で増水したのが原因とか。どうすれば水漏れが終わるのかな?
2)火山
南部のビジャリカ火山が噴火をはじめたので警戒警報が出ています。チリは火山が多いですから、それほど珍しいことではないですが、その近辺に住んでいる人は動きが制限されるので日常生活に影響が出ています。
3)教育
 今年は4年前の2019年に比較して高校の入学者数が11.3%の下落になりました。コロナ問題とか社会騒乱などで両親が子供に教育を与える余裕がなくなったからとか言われますが、大変ですね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は人気2チームのコロコロとカトリカが対戦。90分が終わった段階でカトリカが1対0で勝っていました。ところが試合が終わりません。
7分くらいオーバーしてからコロコロが1点あげました。そうか引き分けかと思われましたが、試合終了の笛が鳴りません。そして12分すぎてからコロコロがもう1点。いつまで試合を続けるのだとカトリカファンは憤りましたが、結局2対1でコロコロが逆転勝利しました。
今日の段階で首位はコブレサル、2位はワチパトそして3位はコロコロです。
ワールドカップの南米予選があと2週間ほどでまた始まります。今回は対ペルー、対ベネスエラです。少し前なら2連勝は間違いなかったですが、今ではそれは全く夢ですね。
2)ラグビー
世界大会に出ているチリ代表はアルゼンチンと最終戦を戦い59対5の惨敗でした。偶然ですが、チリがその5点を取ったところを中継でみましたが、その場にいたチリの応援団は大騒ぎでした。ぼろ負けでもメンツがありますからね。

以上

チリの風 その1062 2023年9月18日ー24日

日本の残暑と逆に残寒が続いたサンティアゴです。
今週も忙しく楽しく過ごしました。
登山は、いつも歩いている3時間の展望台コースより上の分岐点まで4時間歩きました。そこを目標にしたのはその辺りに野に咲く花が集まっているからです。
ラソンは2回。そのうち1回は10キロコース。最近で一番良い記録がでました。日曜日は仲間と3人で楽しく走りました。
それから久しぶりに近郊のマイポ渓谷へ。階段を上って行って、街を下に見ながら2時間以上散策しました。
土曜日のサッカー教室は・・残念、参加者が少なくて中止になりました。
今週の最大の話題は息子と2年ぶりに会った事です。彼は東京で働いていますが、出張でチリに来ました。元気いっぱいでした。
こうしてほとんど毎日、スポーツを楽しんでいます。この元気がいつまで続くか分かりませんが、人生の最後の段階を精いっぱいがんばります。

先日、台所の隅に野鳥が卵を産みましたが、それが孵って2羽の赤ちゃんになりました。

(政治)

1)ボリッチ動向
18 日 18の建国記念日はモネダ宮殿から彼はオープンカーに乗ってカトリックの大聖堂へ。道端にそれほど多くの市民が彼を見守っていませんでした。
大司教がお祝いのミサで「国の統一を図り、軍事政権下で行方不明になった人の消息を調べ明らかにしてほしい」と要請しました。
19日  軍隊記念の日です。陸空海そして警察の4軍がパレードをし、ボリッチがそれを見守りました。4時間も続きました。政府で治安を守り切れないと軍隊が街角に立って国民を見守る必要がありますが、そうなれば軍事政権に逆戻りですね。
20日  ニューヨークに飛んで国連の総会に出席しました。自然保護のアピールをしました。その他にも軍事革命50周年の話もして、アメリカ政府のチリへの干渉があったこともコメントし、ニクソンの名前を出しました。またアメリカ政府のキューバやベネスエラへの経済制裁を批判しました。それからウクライナの大統領ゼレンスキーと面談しました。最後にワシントンに行き、そこで軍事政権に殺された元外相レテリエルの墓参りをしました。
2)新憲法委員会
最後の段階に近づいて、投票が始まりましたが、最右翼の共和党が政府を厳しく批判しています。この委員会の作る新憲法草案を国民に承認させる努力をしていないと言うわけです。妊娠中絶の件に関して新聞にどれが自由なのか権利なのかはっきりさせてほしいと書かれました。
3)ピニェラのコメント
アルゼンチンを訪問中のピニェラは4年前の社会騒乱に関し、まるで革命がおこったと感じさせられたほどの苦しみだったとしました。
暴力グループは教会・学校・病院・商店・記念碑と目の前にあるものを壊し続けたからです。それは反右翼の左翼グループでした。
ピノチェットがその時、大統領なら軍隊を出して反対勢力を力で抑えたのでしょうが。

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は3.71ドルと下がり、厳しい状況です。そのため為替は1ドル882ペソになりペソ安が進んでいます。
2)チリ経済の動き
世界の経済自由度というランキングの発表がありました。チリは今回は24位から30位に落ち込み今までラテンアメリカのトップだったのに、コスタリカに越されました。 ただ南米の中ではまだトップです。10年前は世界7位まで上がっていたのですが。今年はシンガポールが首位でしたね。
チリの国営産業では常にコデルコ銅公社が首位でしたが、今年の上半期は、国立銀行とエナップ石油会社に追い越されました。コデルコは銅価格の下落と生産量の落ち込みでは無理もないですね。さぁ今年の後半はどうなるかな。あまり変化は無いようですね。

失業率
今年になって会社の都合でクビになったのは30万人を超え、前年より16%も増えています。
家屋販売数
7月の新居の販売は前年対比10.3%の上昇とか。少しは良くなっているのですね。

(一般)

1)建国記念のお祭り
 首都圏で一番大きな会場はオヒギンス公園ですが、そこのフォンダ(屋台)のオーナーが今年は昨年の2倍の利益が出たとニコニコ顔。
 昨年もお祭りはありましたが、今年はコロナ問題が完全に終わり、集会をコントロールするような規制は全くなかったです。
 新聞にチリ社会の正常化が戻ったとされました。良かったね。
2)犯罪行為
 アルゼンチンから肉を持ち込むトラックが襲われました。グループが銃で運転手を抑え、後ろの扉を開けて中の製品を盗み出すと言う手段です。
 それから南部のアラウカニア州でマプチェの犯罪グループ関連で11名が逮捕されました。そのうち2名は警官でした。(一人は現職、もう一人は退職警官)
 彼らは情報をマプチェに渡していたのでしょうね。先日、同グループが家屋に放火し、夫婦を銃撃した事件が起きましたが、今年になってその種の凶悪犯罪は三日に1件と頻繁に起きています。警察・軍隊が立ち向かっているわけですが、ひどい状況がおさまる様子はありません。
ベネスエラから来た麻薬組織のアラグア鉄道が検察官を脅し、彼らに関する裁判で証人になった人の情報を流した件が問題になっています。
彼らは裁判に力で介入しているわけですから問題の深刻さは当然ですね。
彼等のメンバーは40名以上がチリで刑務所に入っています。同グループのリーダーはベネスエラの刑務所から脱出しペルーかチリにいると言われます。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦で人気3チームの結果はコロコロは勝利、チリ大学は敗戦、カトリカは勝利でした。この結果、今週の段階で首位は変わらずコブレサルでした。コロコロは3位で優勝が目指せます。
2)ラグビー
世界大会でチリはイギリスに惨敗しました。これで3連敗。最終戦は隣のアルゼンチンです。結果は惨めでも初参加できただけでも素晴らしい。

以上

チリの風 その1061 2023年9月11日ー17日

今週も忙しく楽しい毎日でした。
カマラの月例会の日に、軍事革命50周年記念の講義をしました。オンラインで78名の参加者を前に1時間ほど楽しく話が出来ました。
そして今は次のチリの歴史の講義の準備を始めました。前回と同じではなく新バージョンです。
スポーツも久しぶりに登山教室。土曜日に10数名の参加者で楽しく歩きました。マラソン練習は週日10キロを走りました。でも日曜の朝は霧雨になり走るのを止めました。
後期高齢者になってもこうしてすることがいろいろあり、心身ともに何とか正常というのが最高の喜びです。
いつまで続くか分かりませんが、毎週努力をします。

そうそう家屋税を払いました。後期の1回目ですが、何と前期より大きく下がりました。家屋価格が上がって税金が増えると言うのはありますが、なぜ下がったのかな?
高齢者への援助かとも思いますが、それならなぜ今年前期は通常額だったのでしょう?

弟から連絡が入り「兄ちゃん、阪神が優勝した」と。私たちは神戸の出身です。

(政治)

1)ボリッチ動向
9月11日の記念行事のためモネダ宮殿の前にテントが張られなんと3000人が集まりました。その集まりは意外なほど国際的でした。メキシコの大統領をはじめ、現職や元大統領など多くの政治家が集まり50周年に対するチリの姿勢を見守りました。現職ではメキシコのほか、コロンビア、ボリビアウルグアイそしてポルトガルでした。そのほかにも元首脳や各国の高官が参加しています。
その後ですが、キリスト教民主党DCの党首ウンドゥラガが「その日、DCは軍隊側に位置してアジェンデに敵対した」と自己批判しました。もちろん党内で大騒ぎでしょうね。
いつまでも左右の対立を続けるなとする批判に関し、共産党の議員が軍事政権に殺された私たちの仲間は自己批判せよとするのかと反論しました。しかしお互いに批判しあうと言う姿勢を続けることがチリの安定を妨げると言うことを分かってほしいです。一般市民が極右と極左を認めなければよいわけですが。
その後は、彼はお祭り気分で10月にチリで行われるラテンアメリカオリンピックの選手村完成式に行きました。もちろんその大会が終われば、そのマンションは売りに出るわけで
政府は低価格でそれを庶民に渡します。
ところで彼の両親が住むプンタ・アレナスで問題が起きました。誰かがその両親を脅すパンフレットを家の前にまきました。それがボリッチを嫌うのか、彼の父親が過去に起こした問題から
来るのか分かりませんが。悲しいニュースですね。
2)新憲法委員会
第2回の委員会も終了に近づいています。新憲法案作成の投票が始まっていますが、右翼の中で極右の共和党とそれ以外のチレバモスが対立しました。共和党案をチレバモスが拒否しました。
左翼も分裂気味ですが、右翼も大変です。さぁどんな新憲法が作成され国民に提示されるのでしょう。なんだかその新憲法草案が出る前に否決が決まりそうですが。
今週、左右の大統領だったバチェレットとピニェラが今のままではまた国民に否認される、それを防ぐためには新憲法草案は国民に認められる内容にするべきだと訴えました。
素人の私は、ピノチェットの作った現行憲法のどこをどう変えるのかはっきりさせれば国民がそれを承認・否決する決断がしやすいと思いますが、どうでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.80ドルと少し良くなりました。しかし1ドルは886ペソとペソ安が続いています。
2)経営状況
今年は大企業の60%が予想より経営状況が悪いと考えているようです。厳しい状況ですね。
ガソリン価格が上昇しました。これからもそれが継続するかもしれないとか。
中銀の公定歩合を更に引き下げて経済活動を活発にする必要があると言われます。

(一般)

1)社会騒乱
9・11には再度社会騒乱が起きると考えましたが、意外でした、それほどではなかったです。逮捕者は108名でした。
先日、高校で放火事件がありましたが、今週もその近くの道路で白服を着たグループがバスを止め、それにモロトフ爆弾で攻撃し、2台が全焼しました。2019年から未成年で火炎爆弾を投げて逮捕され有罪になった29名の記事が出ましたが、周りに影響されると言うのが明白です。
先週書いた麻薬組織のアラグア鉄道が判事などを脅迫した事件で、確かに検察から彼らに裁判の時に証人になった人の書類が渡されていたことが明らかになりました。その組織は南米のほとんどの国で活動しているとか。どこまで行くのかな?
南部地区のマプチェの問題は毎週同じで、今週もグループが家屋に放火し車とも全焼しました。中にいた夫婦は負傷して病院に運び込まれました。そこにマプチェのパンフレットが置かれていました。
2)お祭り
9月は11日の軍事革命記念日が終わると18日の建国記念日に話題が移ります。オヒギンス公園の会場の開会式が行われ、そこで大統領はクエッカを踊るのですがボリッチは足のけがをしたと遠慮しました。昨年は下手な踊りを見せたのですが・・・
しかしこの何年間かコロナ問題で、お祭り騒ぎは抑えられていましたから、通常に戻ると言うのはうれしいことです。
月・火曜日が祝日で4連休ですが、52万台と言われる多くの車が首都圏から郊外に出ていくとか。もちろん、飲酒運転などで多くの交通事故が起こります。
そのお祭りの日に雨の予想がありますが、どうなるかな?日曜日は小雨でした。それでも雨の上がった夜にはオヒギンス公園は満員の客でした。
今年は雨が多いと言われますが、この数年極端な乾燥状態が続き、大きな問題を出しました。今年は大雨で水害続出と言われますが、10年・20年前の水量と同じで今年が異常に雨が降ると言うのではなく、元に戻ったと言うことらしい。今週も南部で大雨になり3つの州で水害になっています。なんでも1万人以上が自宅から出られない状況とか。
土砂崩れ
これが最近の大きな話題です。バルパライソ州のコンコン地区で大きな土砂崩れが起き4つのマンションががけ下に落ち込みそうです。200家族ほどがそこに住めなくなり、家財を運び出しています。またいつか戻ってこられるか分からず、大金を払って購入したマンションが無価値になれば将来どうなるでしょう。
そんな危険なところにビルを建てた会社、それを認めた州・市の責任はどうなるのでしょう。保険会社は払わないでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
ワールドカップの南米予選の2回戦が行われました。チリはホームでコロンビアと対戦し0対0の引き分け。予選参加チーム10チーム中の8位とほとんど最下位にいます。悲しいですね。
専門家のコメントですが、チリがこれほど落ち込むとは思わなかったとか。
2)テニス
デイビスカップ戦でチリはスウェーデンと対戦し3対0で勝利を収めました。意外と強いですね。ところがその後は負けが続きました。残念。
3)ラグビー
初めて世界選手権に出場したチリですが、日本に負け、続いてサモアにも負けました。それでも世界大会にこうして参加しているのが嬉しいですね。

以上